メタボリズム―1960年代 日本の建築アヴァンギャルド ((INAX叢書/ LIXIL出版))
- INAXo (1997年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784872750768
作品紹介・あらすじ
1960年代、建築-都市デザイン運動の方法と軌跡。
感想・レビュー・書評
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同じタイミングで60年反安保闘争のドキュメンタリー映画を観たもので
この時代の日本がかなり気になる
なんかすごいな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
1960年代、建築―都市デザイン運動の方法と軌跡。
[ 目次 ]
メタボリズム・グループの成立
グループの始動―空間とモデル
川添登のメタボリズム幻想
極星としての丹下健三
伝統論争とメタボリズム―川添登の戦略
メタボリズムの都市
菊竹清訓(顕現された空間;住空間のタイプ)
黒川紀章(メタボリズム方法論;メタボリズムから共生へ)
大高正人―メタボリズムと大地
槇文彦(メタボリズムとの距離;「群造形」以後)〔ほか〕
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
1960年の世界デザイン会議に合わせて発足したメタボリズム・グループの実態を、丹念な史実調査と当事者へのインタビューを元に纏められた1冊。最初(で最後?)の日本発のムーブメントの実像を知る良書。
メタボリズムに関しては歴史的な出来事としか捉えていなかったし、自分が菊竹氏を知ったときに抱いた印象は、「何とも時代遅れなメガ建築を作る人」くらいで、スカイハウスも全然ピンとこなかったし、伊東豊雄氏がどうして菊竹事務所出身なんだろうか?くらいのものでした。つまりはメタボリズムを歴史上に正確に捉えていなかった訳です。
この本は、そうしたメタボリズムを正確に歴史上に投影しています。だから菊竹氏をはじめ黒川氏や大高氏、槇氏、そして磯崎氏や大谷氏の立ち位置が正確に投影されていて、よく理解できました。インタビューも相当量されていると思われますがあえて直接的な表現を控えて、文章全体に練り込んであるところが文章に説得力と客観性を与えていると感じます。
写真も多くて、資料としても重宝する1冊で、お薦めです。