捨てるな、うまいタネ

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  • WAVE出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784872901559

感想・レビュー・書評

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  • タネはいのち。タネは生きている。私たち人間などの動物と等しく、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出し、生命体としての活動を静かに営んでいることは、当然知っているが、普段食べている葡萄やスイカ、ピーマンなどの当たり前に捨てていたタネにも命が宿っていると言われると、「そうかぁ・・」と、後ろめたい気持ちになった。目からうろこなんて書くと、軽い感じにも思われるでしょうが、取りあえず、この年になって、そうした事を知ることができたことに、ひとまず良しとしたい。

    また、この本には、そうしたタネを手軽に撒いて、ちゃんと育てることもできるし、そのやり方(初心者向けがメイン)や必要なもの、撒く適期や注意点なども詳しく書かれてあり、その気があれば、ベランダやご自宅の庭などで家庭菜園も可能です。

    ただ、それなりの忍耐や努力は必要で、自然から、ものを授かるというのは、それだけ大変で貴重なことなのだと、普段食べている物への感謝の気持ちにも、改めてあらわれました。

    ただ、私の場合、今のところ撒いてみようとは思わないので、どうしよう。小学生の頃にアサガオを育てたときは、あんなに楽しくやっていたのにね。
    子供の頃にやってたことを、大人になってやらなくなったことは、いくつかあるけれど、またやるのもいいかも。そんな見直しも必要なのかもしれない。

    また、本書を読むと、砂漠緑化のためにタネを募集して、大量に集まった話もあり、時間のあるときにちょっと調べてみようかなと思いました。
    お子さんのいらっしゃる方なら、一緒に種まきして育ててみるのも、いのちの大切さを楽しく学べて、いいのではないでしょうか。

  • あ、種の蒔き方育て方がメインの本ではなかったのですね…。
    食糧自給率とかまで広い話が3分の2。
    写真とかもっと見たかったが、実際やってみなさいってことかしら。
    イチゴかトマトかアボカド、チャレンジしてみたい!

  • ふむ

  • タネから植物を育てるというのは、苗から育てるのに比べて、ちょっとむずかしい。
    でも、それが本来あるべき姿なのだ、ということを気付かせてくれる名著。

  • 種にまつわる色々な話が書いてあり、植物に関する知識を広めることができる。といっても、教科書的ではなく、エッセイのような文体なので、気軽に楽しめた。個人的には、もう少し突っ込んで書いてほしいと思うところも多々あったが、自分で調べるきっかけにはなったので、それはそれでよし。

    ただ、本書を読んで食べたものの種をまきたくなったか、というと、そんなこともない。「食べたものの種を植えましょう」という主張は一貫しているのだが、一方で、うまいタネを植えても、うまいタネができるとは限らないということも、正直に書いてある(F1品種の話)。

    実は、筆者の本当の主張は、食べられる種に限らず、純粋に植物を育てることを楽みましょう、ということではなかろうか? (そんな本だと商業的には面白くないのかもしれないが)。

    また、種を植えて芽が出た後の育て方にについては本書には書かれていない(植える植物を限定していないので、当然といえば当然だが)。実際に植えてみるなら、事前にその植物の育て方については、よく調べておいたほうがよさそう。例えば、本書では、ビワを気軽におすすめされているが、木が大きくなりすぎるので剪定が大変とも聞く。

    筆者の本は初めて読んだが、植物をテーマとしたSFなども書かれているようなので、読んでみたい。

  • 食べるために買った果物や野菜のタネを蒔いちゃおうぜ!という本。かなり蒔きたくなったでしょ~?と、ことあるごとに押してくるのが暑苦しいけど、面白かった。

    手っ取り早く、育てたいならアボガド、桃、ぶどうがおすすめで(それでも実がつくには数年かかる)、せっかちさんにはイチゴ(タネからでも一年で実がつく)、とのこと。

    私も大好きなアボガドは、成長早くて観葉植物にいいけど、時間によって同じ木のすべての花が雌→雄に変化するから、一本じゃ実は出来にくいんだそう。
    (たまたま変化の時期にばらつきが出て、一本でも受粉出来た例はあるけど)
    まぁ、花粉を冷蔵保存して人工受粉すりゃいいみたい。
    一通りの蒔き方以外にもコラムがなかなか面白くて、市販されてる野菜たちはF1品種(交配して第一世代の種)で、親のいいとこどりのが出来るけど、その孫になるタネを蒔いても同じように美味しいのは出来なくて、親の性質が出てくる。
    とか、
    砂漠に植樹じゃなくてタネを蒔く活動をしてる人がいて、粘土団子の中にタネを入れて蒔くという。苗を植樹しても根が短くて枯れちゃうけど、タネからだと、まず根を伸ばして水脈見つけてから発芽するので適応力があるんだとか。
    ご家庭で出た、食べたあとのタネを募集中だそうです。一年に何トンと集めて、アフリカやらインド、アフガニスタン、ギリシャやスペインでも蒔いてるらしい。 →グリーンピック 福老緑之道
    巻末にあった、食える種蒔き図鑑、てサイトものぞいてみよー。

  • タネ 蒔いてみるか。

  • 種を捨てずにとっておきたくなった

  • 今読み返しても、古びてない内容に驚き。幅広く渉猟してあって、入門書としても良し。『地球最後の日のための種子』も再読したくなる。でも種はついつい捨ててる…

  • これは HOW TO本ではありません。

    台所のゴミとして捨てているタネを育ててみる、という行為を通して、
    タネの持つ能力の素晴らしさ、品種改良のお話、はては日本の食料自給率まで語ってしまうエッセイであります。

    なので、実用的な話が出てくるまで結構長いです。(お話はわかりやすくて面白いですが)しかも 図解ではないので、手っ取り早さを求める人には 向かないかも。

    残念ながら 今 秋なので、タネをとっても まくのは来春になりそうですが、せっせとタネ集めに励みたいと思います♪

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著者プロフィール

【藤田雅矢・作】  1961年、京都市生まれ。農学博士。1995年、第7回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。同年、「月当番」で第26回JOMO童話賞佳作。2007年、「ダーフの島」でSFマガジン読者賞受賞。著書に『星の綿毛』(早川書房)、イーシングル幻想館『幻視の果実』の小説のほか、『捨てるな、うまいタネNEO』(WAVE出版)などの園芸書もある。

「2013年 『クサヨミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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