- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784873763743
作品紹介・あらすじ
テレビアニメの成熟と進化を印象づけた絢爛豪華な魔法少女絵巻を気鋭の評論家が最速鋭利に論じる!魔法少女たちは絶望無限の円庭で…真性神的動画『魔法少女まどか☆マギカ』オフィシャル評論。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
評論
-
ホラーにみられるような非人間的な秩序への恐怖
ルールに逆らえば死ぬ。それゆえにルールに従い続ける(魔法少女としてタフになっていく)が、それは未来がない、多様性がないという意味でゾンビと変わりがない。
世界が改善できないならタフになる=「成熟」する意味とはなにか
全体主義者、予言者としてのインキュベータ
ある一つの理想のもとに社会を誘導し、そこに反逆するものを排除しようとする
宇宙の「条理」によって未来を予測できる
「理」=インキュベータ、「愛」=ほむら、「正義」=まどか、の折衝
TV版の最後には一応の均衡状態になる
契約して魔法少女となり、戦いの運命を選ぶことが成熟の象徴だとするなら、まどかは成熟する限りタイムループから抜け出せない。
魔法少女となることが成熟を意味するのであれば、彼女たちは成熟することによって自由を失いゾンビにされてしまう。
ヒーローとしての側面
英雄であり続けなければ死ぬ。ゾンビ化
「理」「愛」「正義」のせめぎあいだとみる視点、それは保健室に向かう渡り廊下のシーンにも表れているというのはなるほどと思った。これは叛逆の物語にもきれいに当てはまるように思える。「理」が強すぎるTV版全般、「正義」が均衡状態に押し戻したTV版ラスト、そして「愛」がすべてを呑み込んだように見える叛逆の物語。叛逆の終盤でも渡り廊下は重要な場面になる。ほむらの表情はわかりあえないという悲しみが出ているようにも思える。 -
美少女アニメとホラーを結びつけた時点でもう大満足。作者のトークショーにも言ったが、クラスタが被りにくいからと控えめに書いたそうだ。トークショー後に直接話す機会があり、本には無い呪怨との関連性などで盛り上がった。公式認定批評本は唯一。作者が普段アニメに一切関わらない点が、逆に魅力的な作品を作った。
-
サブカルチャー。
まさにその一言で、ゾンビとヴァンパイア。
などの解説が載っています。
なんていうか、解説はすごく役に立ちそうですね。
そういう考え方をしながら書くこともできるんだという再認識。
まどかマギカの要素はちょっと少ないと思います。 -
(2012.10)
-
なるほど
-
アニメがすばらしかった!あれは何度もみたくなるアニメです。
だからちょっと気になる本。 -
まどかマギカの本格的な評論。
丹念にストーリーを追いながら、シナリオがいかに緻密に構築されているかが良く分る。
まどマギを見て抱いたある種の違和感を解消するにはうってつけの好著。 -
C0074 当該作品の解釈をいろんな引用を使って語っています。引用元は、半分も分かればすごいです。「マミの死」は、しばらくフェイクだと思っていました。なので、わりと素直な解釈とは思うのですが、当時は、そこまで深読みしていませんでした。