- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875021742
作品紹介・あらすじ
錬金術に熱中した最後の魔術師アイザック・ニュートンから科学的「神」学者ジャック・モノーに至るまで、近代科学はいつでもそんなに理性的だったわけではない。「やりすぎ」や「いかがわしさ」は日常茶飯事。だから科学はおもしろい。「反=科学史」のP・チュイリエが、科学の客観性神話を突き崩し、豊富なエピソードとともに科学史のホットな実像にせまる。
感想・レビュー・書評
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出版社/著者からの内容紹介
近代科学が理性の権化とは限らない。「やりすぎ」「いかがわしさ」が日常茶飯事だからこそ、科学はおもしろい! 『反=科学史』の著者が、豊富な話題で科学史の実像に迫る。
目次
第1章 錬金術の今と昔<BR> 手仕事から神秘主義へ/立ち竜と処女の乳/金属の精と発育/<BR> ボロス、ゾシモス、ニュートン/硫黄と水銀/夢の錬金術と現実の錬金術/<BR> 三塩化アンチモンと賢者の石/テクノロジーではなく愛を…… <P>第2章 悪魔と神のあいだの近代科学<BR> 理論および社会的実践としての科学/なぜ近代科学は中国で生まれなかったのか/<BR> 唯物論的偏見と観念論的偏見/聖書の伝統から機械論哲学へ/<BR> 『イザヤ書』と経験論/《宗教》要因の本質と限界 <P>第3章 数学:自己目的か道具か<BR> ケプラーと知的分業/数学はいつも自律していたわけではない/<BR> 無理数を拒否すべきか/球面三角法の場合/《力学》は数学の天国である/<BR> 大分裂:《純粋》対《応用》/戦争、教育、魔方陣 <P>第4章 数学:神の科学か人間の科学か<BR> 数学者の方法を真に受ける/公理論的合理性と発見法的合理性/<BR> 多面体とその変種/《可謬的》認識論のために/<BR> 一様収束の問題:コーシー、アーベル、ザイデル/<BR> 《証明分析》と開かれた数学/神話からの解放 <P>第5章 ニュートン:最後の魔術師<BR> アイザック・ニュートンのけしからぬ読書/<BR> 学者にとってのヘルメス・トリス・メギストス/<BR> 遺産:読解すべきメッセージ/遠隔作用と隠在的(オカルト)力/<BR> 重力の彼方へ:ニュートンの神の遍在 <P>第6章 科学、宗教、政治:ニュートンの場合<BR> すべての物理学者はキリスト教徒であるべきか/聖書からの着想の重要さと限界/<BR> 政治的、宗教的かつ認識論的な抗争/保守主義につかえる科学思想/<BR> 英国国教会派と神の計画の探究/アイザック・ニュートン卿の《いびつな存在論》 <P>第7章 マラー:怒れる物理学者<BR> 医者と哲学者にはじまる/そして流体の一大発見者として/<BR> 向こう見ずなニュートン攻撃/幻想の終わり/科学アカデミーへの最終攻撃/<BR> 科学社会学の始祖/マラーの背景:科学と大革命 <P>第8章 物理学と非合理<BR> 物理学が開く精神への扉/手に負えないカテゴリーの混同/<BR> ルドバ・フェスティバル/《起こりうる》事象しか《現実》には起こらない/<BR> 量子力学、スプーン曲げ、イデオロギー/《科学的》観念論の高揚/<BR> 科学と形而上学の《恥ずべき》関係/エーテルを援護する観念論/<BR> 《心霊》科学と交霊術の介在/理想の科学と現実の科学 <P>第9章 科学、反科学、貴族的科学<BR> 失われた潔白/科学の知はどこまで広がるか/《進歩》:神話か現実か/<BR> 科学者の社会的干渉/《純》と《不純》の微妙な論理/<BR> 実験・操作に走る思考様式/科学至上主義の問題/貴族的科学の偉大さと弱点/<BR> 外的問題と内的問題/《専門化主義》の狭量/嫌われものの科学/危機の反映 <P>第10章 聖なるものの科学的利用<BR> 科学の大聖堂/実験室の隠遁者/ヘッケルの神学/<BR> ジャック・モノーの《認識の倫理》/掟と罪の生物学/数学的無限と宗教的思弁/<BR> 神学者の後継/聖と俗をへだてる溝/実在的で非現実的な宇宙/<BR> ウイルソンの社会生物支配/聖なるものの役割 <P>第11章 科学は性差別主義か<BR> 男のアイデンティティを保証する科学/男性的器官としての頭脳/<BR> 自然を支配し、あばき、押し入る/男らしさを救え/社会主義の曖昧な性/ <BR> 《女性的》ユートピアは他のユートピアより空想的か詳細をみるコメント0件をすべて表示