愛しのペット: 獣姦の博物誌

  • 工作舎
2.80
  • (0)
  • (1)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 38
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875023302

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  獣との交わり。それはA(キス)までなら微笑ましいが、B(ペッティング)、C(エッチ)まで進むとなると――?
     そのムラムラは愛情か性欲か。神話から現代まで、史料を掘り起こすことで露わになった、獣との交わりの歴史とは――。
    ---------------------------------------------------------
     『獣姦の博物誌』という副題だが、動物×動物や異種交配によるミックスの話題なども取り上げており、全体としては獣姦というより異種姦の要素が強く、ややとっ散らかっている感はあるが内容の幅は広い。
     他方、農村や田舎で起きていた獣姦を契機とすると思われる、都会での動物愛護運動の始まりが所謂「上流階級の上から目線的な罪滅ぼしの感情」由来であり、運動に参加することは教養があることの証明であり上流階級に属する者としてのステータス(証し)でもあったというエピソードは、他のある種の啓蒙を推進する様々な運動や団体との共通点があって興味深かった。
     本書には取り上げられていないが、日本にも獣姦を罪とした記述がある古事記や漁師とエイの交わりの話がある説話集などがあり、こういうことは東も西も変わらないのだと苦笑いしながら読了。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

オランダの生物学者。1946年生まれ。オランダでは、テレビやラジオの動物番組のコメンテーターとしても有名。学生時代からさまざまな媒体に生物に関する記事を書き、子ども向け、若者向け、さらにはフィクション作品も含めて、非常に多くの著作がある。いずれも鋭い観察と確たる知識に裏打ちされた科学的なストーリーを、ユーモアに満ちた語り口で紡いだ親しみやすい作品で、世界各国で翻訳されている。
なかでも、邦訳された『誕生の瞬間――このすばらしい奇跡』(岡田朝雄訳、こぐま社)と『愛しのペット――獣姦の博物誌』(堀千恵子訳、工作舎)をはじめ、死や肉体の腐敗をテーマにした作品、スポーツや運動をテーマにした作品、子どもを持つことをテーマにした作品などは、世界的なベストセラーとなっている。

「2020年 『うんこの博物学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ミダス・デッケルスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×