- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784875024590
感想・レビュー・書評
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前半部分が特に興味をひかれた。
以下引用
清冽な書が記す紙の上を走る点・面の軌跡とは、こうした自然気のゆらぎをなぞる全身的行為の、二次元への投影なのではないか。文字とは、自然と人間との、深々とした交換運動の結晶として生まれでたものなのではないか
人のふるまいをのせ、全存在を映し出す文字、声の波動とともに天の啓示を請来する文字、そして微塵を体内化して凝集する文字、、、。いずれもが、音素や形態素としてあつかわれた記号としての文字ではなく、呼吸し血脈されもつ、凛凛とした気をはらせる生きた文字であった
異形のたたずまいをもつ文字に出会うたびに、文字は生き物だという強い実感が私を包み込んだ
楔形文字を見つめていたパビロニアの老学者が、突然眼のなかで、文字の一点一画が縦横の棒へと解体してしまうとう話。そのとき、バラバラな点画を結び付け、意味や音を生み出すものは、文字霊でないか
漢字には、かつての記憶を絶対に手ばしたくないといった造形の魂魂を感じます。
漢時のおもしろさの根源-中国の人は即座に、それは絵だという。単なる点群、あるいは一点一画の集積ではなく絵とか相という全体像として見とる。つまち漢字には、ドットまで解体してはならないという、グリッドやメッシュとは次元を異にする強い意志がある
文字というのは、まず砂や土、骨の上に記された、つまり「場」と非常に深くかかわろうとする意志を持っていた
漢字は一個ずつの文字のなかに意図を増やしていく・
文字は、身体の運動軌跡。身体が動いて、初めてうまれでる。気配や気がにじみ出るもの。
★イルカの音声をテープに録音したんだけど、ある時、それを自分で書きたくなって書いた。ところがアルファベットだと、イルカの持っている音に合わない。
→感じで書いたらどうですかと。
★★イルカだけでなく、人間以外の話し声や風の声とか、鳥のさえずり芋虫のつぶやき、、、とかを文字化するとしたらどうなるのか。
漢字について考えるとき、私はまず太極拳や気功に想いをはせる。古代中国で創案されたこの心身の鍛錬法。宇宙に遍満する大気のひろがり、その絶え間ない流動が万物の生成・変化・消滅をつかさどると考えた
気功は、活力に満ちた外気をとらえ、身体に取り入れて気力を養う修行法
漢字は、単なる機能性を超えて、天の声をきき、天地自然のふるまいを写し取る聖なる道具として使われていた
→世界の「意志」としての記号過程の定着。 -
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