「根」物語: 地下からのメッセ-ジ (のぎへんのほん)

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  • 研成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784876390380

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  • 題名が、よい。寝物語を連想させる。
    根を歴史的に、解明しながら、根の役割と窒素固定について、詳しく説明する。根は、植物に最初からあったわけではなく、海から陸上に上がって行く過程で、発達していった。根の役割は植物を地盤に固着させることと水と栄養分をもたらすこと。「根」という漢字は、木と目と刃からできている。目と匕首は、頭蓋骨のなかの目というくぼんだ部分、えぐったような状態になっていて一定で動かないということを表すという。それと木が組み合わされて、木の中の動かない部分ということで、「根」という漢字ができた。
    アリストテレスは根について。「逆立ちした人間」だという。根が口の部分であると説明する。根から養分を吸う機能をいう。葉からも養分吸収できる。
    ①水分解型の光合成能をもつシアノバクテリア。②糖を酸素ガスで、炭酸ガスと水にまで分解する好気性菌。③DNAを特別なたんぱく質で包み、高温酸性の条件に耐えられる細菌の三者が融合することで、植物細胞となったという。
    14億年前 真核生物の誕生。植物細胞は、海藻として進化。藻類の発生する酸素ガスが、地上に蓄積され、紫外線などを遮った。
    4.4億~4.1億年前 シルル紀 植物は、不透水層を発達させた。植物が上陸。葉、茎、根ができた。陸地は、地球表面の三分の一を占めていた。4億~3.5億年前 古代デボン紀 シダ植物が根を持った。
    日の当たる乾燥した場所に進出できた。3.5億~2.8億年前 石炭紀 高温多湿。水蒸気や炭酸ガスが多く、シダ植物の大繁殖をした。2.8億~2.3億年前 二畳紀 造山活動の結果、乾燥した場所ができた。2.3億~1.9億年前 三畳紀 砂漠が生まれた。植物は種子をつくるようになった。
    根は、木で見ると樹高の20分の1くらいの深さに根をはる。つまり、深さ1mを超えるようなことはない。広がりは、だいたい葉の広がっている範囲となる。木が大きくなるとは、根をはることとなる。盆栽は、あくまでも徹底して根をいじめ少なくすることで、木の上部分を大きくさせない手法の栽培になる。
    やはり根は重要だ。日本語では、根回しをする。根に持つ。根深い。根をおろす。根をはる。根も葉も無い。根掘り葉掘り。根こそぎ。根絶やし。根性。根拠。根にまつわる言葉は重要な意味を持つ。

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