魚群記 (目取真俊短篇小説選集1)

著者 :
  • 影書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877144319

作品紹介・あらすじ

清冽な感性にユーモアの滲む著者20代の傑作8篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 目取真俊20代の頃の短篇を纏めたもの。どれもこれも珠玉の傑作、途轍もなく素晴らしかった。沖縄の豊穣な自然、アメリカ占領下の名残あるエキセントリックな街並(いや、今もアメリカは大きな顔で跋扈しているのだが)に眩い光が突き刺す、その亀裂から滲み出るどろりとした澱みに引き摺り込まれる。それは抑圧されても蠢き胚胎していたウチナーンチュ魂であり、戦争の悲しみであり…。沖縄の陽と陰がマジカルな幻想をリアリスティックに描き出す様は息を呑むほどに悍ましく美しい。苦しく切なくやりきれない、心が壊れそうになるけれど、人を愛したくなる。

  • 表現力の努力は認めるけど、つまらん。これやったら中上健次読むわ。

  • 80年代の作品集。書籍としての初出は2本だけ。忘れていたので、読み直しのよい機会。現実やモノの境目、加害と被害の境目を超える「文学」傾向。

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著者プロフィール

1960年、沖縄県今帰仁村生まれ。琉球大学法文学部卒。
1983年「魚群記」で第11回琉球新報短編小説賞受賞。1986年「平和通りと名付けられた街を歩いて」で第12回新沖縄文学賞受賞。1997年「水滴」で第117回芥川賞受賞。2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で第4回木山捷平文学賞、第26回川端康成文学賞受賞。
著書:(小説)『目取真俊短篇小説選集』全3巻〔第1巻『魚群記』、第2巻『赤い椰子の葉』、第3巻『面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ)』〕、『眼の奥の森』、『虹の鳥』、『平和通りと名付けられた街を歩いて』(以上、影書房)、『風音』(リトルモア)、『群蝶の木』、『魂込め』(以上、朝日新聞社)、『水滴』(文藝春秋)ほか。
(評論集)『ヤンバルの深き森と海より』(影書房)、『沖縄「戦後」ゼロ年』(日本放送出版協会)、『沖縄/地を読む 時を見る』、『沖縄/草の声・根の意志』(以上、世織書房)ほか。
(共著)『沖縄と国家』(角川新書、辺見庸との共著)ほか。
ブログ「海鳴りの島から」:http://blog.goo.ne.jp/awamori777

「2023年 『魂魄の道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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