家なんて200%買ってはいけない!

著者 :
  • きこ書房
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784877713416

感想・レビュー・書評

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  • マイホームを購入すべきか、賃貸で住み続けるべきかという議論がテーマの本著。主には経済的利点に重きが置かれており、リセール価値のないマイホーム購入には全くメリットがないという論調になっている。
    日本のマクロ経済と人口動態の今後の動向を予測し、上記の結論に至っていく。これらの分析やデータには納得させられたし価値があるかと思うが、論調がやや独善的なことと、マイホームを購入して所有することによる自己実現効果が軽視されていることが引っかかった。
    完璧ではないが、本議論においては一読の価値はあるかと思う。

  • 不動産購入を元々検討しているときに買ったため、最初は煽り気味の本だなと不快に思ったが、客観的に読んでみてそりゃそうだなと思った。別に家買わなくても賃貸住まいでREITで不動産投資すればええやん、という意見には確かになぁと思った。中々良い本なので、お金に余裕のある資産家以外の人にぜひ読んでほしい。

  • 説得力が弱い

    著者の物件購入失敗の経験から,家の購入を批判する内容の本となっている。人口が減ることで,家が余り家が過剰になるということを主張して,家の購入ではなく賃貸を勧めている。それらしいデータをもってきてそれっぽいことをいっているように見えるが,いまいち納得できなかった。

    全体の人口は減ったとしても,それは需要の低い物件から余るわけで,都心部の立地のよい部分の需要が高まるだけではないだろうか。
    賃貸のほうがいいというのも,一般的なことだけでいまいちだった。

  • 『30年後の不動産価格がどうなっているか予想することは不可能だから、そういう不動産は持たないほうが良い』という主張で一貫すれば良いのに、それだけでは一冊の本にならないからというのもあるだろうが、そもそもの性格なのか、主張内容がズレたり、我田引水の意見を展開するのが残念だった。

    不動産価格を決めるのは、人口動態や土地神話ではなく、実質金利の低下が重要であると著者は第2章で主張している一方、第1章の序盤では人口動態(少子化)から不動産価格は下がると主張しており、矛盾が見られる。

    日本の今後の不動産価格は下がると主張しながら、REIT投資をおすすめしているのは何故だろうか。所有することで収益を生み出す(家賃収入に基づいた配当を得られる)としても、所有するそのものの価値が下がると考えているのであれば、投資すべきではないと思う。

  • 将来、
    日本全国の空き家がめっちゃ増えても、
    親世代から相続する家が1人1軒以上あったとしても、
    たとえ賃貸の方がコスパが良くても、

    やっぱり自分の家が一番好きなんだなぁ…

    上念さんの主張には納得ですが!

  • ギャグ満載で笑えた。腕を組んだり、指差しした筆者のスタンプが格言とともに多用されている。
    不動産業者などを悪魔の手先とこき下ろし、神の教えに従って生活スタイルを築いて行くことを布教する言い回しは面白い。
    そもそも何回も引越ししてる人が何故20代で家を購入したのか・・そこに尽きるかと。マイホーム神話の信奉者でもそこは押さえてるはず
    東南アジアに駐在してた身としては最後の海外移住の検討についての逸話は意味不明。マレーシアのブミプトラが外国人にどういう不利益を与えたのか示せてないし、豚食べてる人がいるから退社しますってエピソードもちぐはぐで、何のために記載したのか意図が理解できなかった。
    誰かから聞いた話を安易に本に書いてるだけなのであろう。くしくも筆者は、「人のいうことを鵜呑みにする病気の人が多い」と嘆いており、これも意図された喜劇なのかもしれない

  • 実家と自分の家の購入を経験しているが、
    著者の言う通り賃貸物件の方が色々融通がきき、
    短期的(10-20年)な売却を考慮するとお得だと思う。
    住む場所を気軽に変えれなくなるし、
    家を売るのも相続するのも面倒臭い
    家が古くなって来たらリフォームも必要で
    結構追加でお金も掛かるのが現実
    国は住宅ローン控除や不動産取得税控除等で
    持ち家の利点を醸し出しているがトータル的には
    デメリットの方が大きいと感じている
    賃貸物件はURかJKKがお得
    不動産を探すのはネットでyahoo!不動産が良い

  • この本はめちゃくちゃためになる本だった 。是非ともみんなに読んでほしい1冊。

    とりあえず物件は UR か JKK がすごくお買い得らしい 。あと不動産屋さんに騙されずにネットで出来る限り情報を集めておくことが大事だということがよくわかった。

  • マイホームという幻想は捨てなさい。2040年、日本の住宅の40%が空き家になる。デフレの今はマイホームは負債、今が買い時と無責任に煽る不動産関係者は悪魔の敵なのです。

    家が余る時代が来つつあるのに、それでも新築物件が増えているし、人気があるのが不思議です。

  • 家を買おうか買わまいか。
    迷っているので読んでみた。
    確かに「負債を買う」ハメになりそう、、、

  • Unlimitedで読める上念さんの本はこれのみだったのでとりあえず読んでみた。

  • 私も、ずいぶん前からこの本の表題のある通り、「家なんて200%買ってはいけない」派の一人でした。随所に感情論的な部分と片寄った見方はあるものの、上念司さんの見解には概ね賛成です。特に安藤忠雄さんとの対談部分には、人が住む家の本質と芸術的な建物の明確な違いや、其々を住居とする方々の心構えが、明確に理解できる。今後、家を買うことや既に買った方も、ここに書かれている事を一度、検証してみた方が良いと思う。

  • まあ、こんな考え方もあるよなあと参考程度には良いと思う。合間合間に出てくる、悪魔が云々みたいなたとえ話はなじめなかった。

  • この本の著者である、上念氏の本は、経済関連の本を中心に今まで何冊か読んできましたが、「不動産を持つことの是非」を問うた本としては、初めてのように思います。上念氏の実体験(失敗談)を基に、どのような家に住むべきか、不動産を持つことのリスクについて解説しています。

    このテーマを勉強するにあたっては、不動産取引をされている方の本だけでなく、不動産を保有することで実際に得た「教訓」を語ってくれる本も読むべきだと思いました。上念氏は、その教訓をこの本で惜しげもなく公開してくれていて、一般ではなかなか得にくいものだと思いました。

    冒頭に書いてある、ロバートキヨサキの引用句:お金持ちは資産を買い、貧乏人は負債を購入する、これは意味深いですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・2040年に空き家率40%となる可能性あり、2013年現在では、13.5%である(p8)

    ・1970年代の日本の合計特殊出生率は 1.77-2.14なので、平均すると団塊ジュニア世代でも、一人っ子か二人兄弟となる。すると、あと数十年も経たないうちに誰もがほぼ、タダで家が手に入ることになる(p13)

    ・アメリカの住宅ローンは、ノンリコースローンが一般的で、ローンを返せなくなったら家を銀行に引き渡す、それで借金はチャラ、残債リスクはゼロである。サブプライムローンで多くの人が家を追い出されたのは、ローンをチャラにするため(p16)

    ・自宅購入:価格4000万円(頭金1000万円)、35年ローン(修繕費は10年毎に150万円)、賃貸:家賃、10年目まで15万円、26年目まで20万、35年目まで10万円とすると、金利が1%の場合は22年目、金利が1.7%となると両者は同じになる(p20)

    ・相続したい財産が1億円あったら、わざと1.8億円の物件を8000万円借金して買うと、物件の評価額は6000万円程度なので、借金が8000万円あると、相続財産はマイナスとなり相続税がかからない、というのがタワーマンション節税(p33)

    ・20階建て高層マンションで80平米の修繕積立金を計算すると、16,480円程度、200円/平米となる(p37)

    ・どんなに手入れした家でも、駅からxx分・xLDKという、カタログスペックでしか評価されない(p40)

    ・株取引では当たり前の情報が、不動産サイトでは開示されない(p46)

    ・金利は、あくまでも実質金利(名目金利-物価上昇率)で考えるべき、デフレ下では金利負担は増える。バブルの発生要因として一番影響が大きいのは、実質金利、人口動態や土地神話以上(p57,59)

    ・スキーリゾートマンションは、共用部分がやたら豪華な造りになっているので、毎月の管理費が3-10万円とばかにならない、そして今後値上がりする可能性は限りなくゼロ(p63)

    ・一度購入してしまったら最後、もう二度と売るに売れず、半永久的に管理費・修繕費、固定資産税を支払い続けなければならない、恐ろしい物件である(p64)

    ・日本で長らく地価が大きく上昇しなかった理由のひとつとして、日本銀行がデフレを容認して、実質金利を高止まりさせていたから(p71)

    ・危ないサブプライムローンを1000件集めて、リスクの少ない順に並べると、マジックにより、評価がトリプルAとなる(p76)

    ・礼金とは、1923年に発生した関東大震災の名残、関西地方にないのはそのため(p101)

    ・都心ではなく、郊外の私鉄沿線の駅から徒歩10分以上かかる戸建て住宅は悲惨、備え付けの設備は賃貸・分譲に限らず、なんの価値もない(p123、126)

    2016年7月3日作成

  • 簡単なロジックだけど改めて具体的な例やグラフを見ると深刻なのが良く分かりました。
    金利で言えば今は買いかなと思ってましたが…ちゃんと信仰します笑

    出生率・相続の話は都心だけに絞った場合、どういう絵になるのか。20年前に建った様々なエリアの家の値段は今どうなってるのか。シンガポールの例があったけど、この国なら不動産有りという話があるか。この辺りはもう少し勉強したいと思いました。

    最近の若者は『堅実』マインドが多いし、逆に言えば賃貸のニーズが高まるかもね。

  • 逆バージョンも読みたくなってきた。

  • 2013年時点で日本全国には820万もの空き家がある。空き家率も13.5%。
    2040年に空き家率は40%になる。
    金持ちはお金を出して資産を買う、貧乏人はお金を出して負債を買う
    賃貸住宅の利点はライフステージに合わせてリスク無しに住居を変えられることにある
    あと数十年も経たないうちに誰もがほぼ100%ただで家が手に入ってしまう時代が来る
    日本では残債リスクを債務者が負うのが当たり前
    ローンより支払い累計額の方に分がある
    建物の価値は35年経ったらどんなに手入れが行き届いても評価額はゼロ→(コメント)本当にそうか?
    マンションを購入する際に修繕積立金の項目をチェック。修繕積立金のガイドラインが国交省から出ている
    金利がいつ上昇するか分からないのでリスクが大きい。→(コメント)金利と物件価格の相関は?
    家賃は上がりにくい=過剰供給と過小需要
    土地バブル=買いたい人が沢山いる((人口動態)+土地の出物が少ない(土地神話))×実質金利の低下
    実質金利=名目金利+インフレ率
    地価に与える影響は実質金利の影響がはるかに大きい
    ここ25年地価が上がらなかった理由は日銀がデフレを容認して実質賃金を上高止まりさせたため
    アメリカは日本のバブル崩壊後の低迷から学んでデフレに陥る前に大胆な利下げを行った。その結果は2001-2004は低金利+インフレ率がプラスになったので実質金利が大幅に低下した
    投資の世界では投資対象を分散するとリスクが減ると信じられている
    高層化によって土地は面ではなく点で評価されるようになった(=都心の一等地なら値下がりしない)
    不動産借りる前にネットで民間とUR(JKK)の比較を行って候補と成る引越し先の数ヶ月定点観測する
    敷金は滞納リスクに対する担保なので保証会社をつけることで不要となるはず。
    礼金は貸して優位な時代の名残なので現在では不要
    敷金返還訴訟の過去の判例において大家が負けるケースがほぼ100%だった
    更新料については高額すぎるなどの特段の事情がない限り更新料条項は有効との最高裁判決が出ている
    最近は借りて優位な状況になってきており更新料無しの物件も出てきている
    日本の中古住宅市場において備え付け家電など評価はゼロ。カスタマイズしすぎた住宅は直す時に異常なコストがかかるためカスタマイズにたいする評価はゼロ
    付帯設備で偽装した家には絶対住まない
    天理教の総本部はアート系建築の王道。おぢばとおやさとやかた

  • 家については初心者だったので、読んでみた。

    家(主にマンション)を購入するリスクをわかりやすく書いている。不動産投資REITについても少し紹介している。

    ・名目金利ではなく実質金利に注意すること

    サブプライムローンの話も勉強になった。そもそもアメリカと日本では住宅ローンのシステムが違うみたい。

    敷金:滞納したときのリスク担保
    礼金:オーナーから不動産業者に支払う手数料

  • タイトルの由来は、著者自らが体験した事が発端かと思いますが、内容は至って真面目に書かれてあり、日本人の新築住宅信仰を考えさせられる内容と感じました。とりわけ、不動産というジャンルは分かりにくい部分が多いだけに、少しの知識があるだけでも有利です。そんな知識を補うと言う意味でも読んで損はない一冊な印象です。

  • マンションについてかかれてるけど戸建てにはあんまり触れられてない。買うか迷ってて、買わない理由が欲しい人にはいいかも。

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著者プロフィール

経済評論家。1969年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は1901年創立の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一教授に師事し、薫陶を受ける。金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開している。著書に『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』(講談社+α新書)、『タダより高いものはない』『経済用語 悪魔の辞典』(イースト・プレス)、『官僚と新聞・テレビが伝えないじつは完全復活している日本経済』(SB新書)、『日本を亡ぼす岩盤規制』『経済で読み解く日本史(全5巻)』(飛鳥新社)などがある。2013年12月より毎月、八重洲・イブニング・ラボ(https://y-e-lab.cd-pf.net/home)の主任研究員として講演活動を行っている。

「2019年 『大手メディアがなぜか触れない 日本共産党と野党の大問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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