北御門二郎 魂の自由を求めて: トルストイに魅せられた良心的兵役拒否者 (ジュニア・ノンフィクション)
- 銀の鈴社 (2014年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877865467
作品紹介・あらすじ
トルストイの憧れた国は、自由・平等・平和、この3つのある国でした。
翻訳家・北御門二郎はトルストイの信念に魅せられ、彼の作品を翻訳したことでも知られています。
北御門二郎:1913年(大正2年)熊本県球磨郡湯前町に生まれる。
旧制五校時代に、トルストイの『人は何で生きるか』を読んで感激。東大英文科を退学、徴兵を拒否して、以来「トルストイも言うように、農耕が一番罪がない」と人里離れた熊本県水上村湯山にこもり、農業を営みながら、トルストイの翻訳に没入する。
「翻訳に大切なことは、原書に感動し、読者とその喜びを分かち合いたいと思うこと、だからトルストイが涙して書いた所は、私も泣いて訳します。」
感想・レビュー・書評
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本で知ることは何と素晴らしいことか、戦中にこの様な人がいた事を知らなかった、文字を読んで考えながら自分の時間で理解する、人から「こんな人が居たんだよ」と言われてもおそらくスルーしていたかも知れない、心の洞察力を鍛えないと思う
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北御門二郎さんのような方がいたことを、今まで知らずにきて、この本に出会って知ることができて、本当によかったと思いました。トルストイの作品も、全く読んだことがなかったのですが、これからぜひ読んでみたいと思いました。
自分の心にそむかずに生きる、ということは、人として当然なはずですが、自分も含めなかなかそれができていなかったり、自分の心を見失っていたりする。北御門さんがふるえながら徴兵を拒否したその勇気、行動に心うたれ、読みながら涙が出てきました。
それから、今まで自分が選んでこなかったこと、周囲の人と同じようにしなかったこと、について、今までは「自分の力が足りないために、できなかった」というふうに否定的にとらえている面がありましたが、そうではなく、「自分が、やりたくないからしなかった」「自分の心に従って、こちらを選んだ」というふうに、とらえたらよいのではないかと、ふと思いました。そのために孤独になったとしても、自分の心にそむいて周囲に同調するより、望ましい生き方なのではないかと思えました。