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- Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
- / ISBN・EAN: 9784878933295
作品紹介・あらすじ
45年ぶりの帰郷が目にするアラファト専制下の擬制の自治。侵略者イスラエルの蛮行と無能な指導者との二重支配に喘ぐ民衆の苦悩を描く、痛憤のルポルタージュ。
感想・レビュー・書評
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古い本ではあるが、現在のイスラエルとパレスチナの問題を考える上で、読んでおいてよいものだと感じた。サイード個人のイスラエル訪問記であることで、問題を臨場感をもってとらえることができる。控え目だが良質なドキュメンタリーと言ってもよい。
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ポストコロニアル系を勉強するか、という目的と、「旅」について考える、という目的から読む。
在米のパレスチナ人の著者が、45年ぶりにイスラエル/パレスチナを訪れる。これは、著者が、政治活動の第一線から引いたことから可能になった旅である。とともに、白血病の宣告を受けて、自分の命の有限性をはっきりと認識した著者の自分のルーツを確認する旅でもある。
ここに、期待されるのは、幼年時代の記憶と現状のパレスチナへの批判的な論説である。
で、まさにそういう期待のとおりなんだけど、それを良い意味で裏切るものは少ないかな。あえて言えば、パレスチナの子ども達が、結構、明るくやっているところとかが、意外性があって、面白かったかな。あと、割とたんたんとしたサイードの抑制された書きぶりも面白いと言えば面白かった。
四方田さんのパレスチナ問題とサイードとの関係に関する解説が、すごくよくまとまっていて、勉強になった。
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