- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784878936678
感想・レビュー・書評
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写真がついていない随筆のみで本の装丁を語られても、あまりおもしろくない。
ということがわかった。
駒井哲郎さんの名前を、つい最近他でも目にした。最近は『ミレニアム』しか読んでない筈……しかし舞台はスウェーデン。と思っていたら、多分、宇野千代だ。
なんとなく記憶に名前が残っていたところへ、装丁の本なので駒井駒井とあちこちで記されている。
そこへ、駅貼りポスターで、「駒井哲郎」の絵画展のお知らせを見る。
なるほど、こういう絵を描く人か。
書痴ではないけれども、相変わらず、こういう関連では、私は本に愛されてるなあと思う。
山岸涼子さんが『日出処の天子』を描いていた当時、トリカブトを使いたかったが、古代に何と呼ばれていたかわからない。
本屋をうろうろしていたら、ある本が光って見えた。
手に取ったその本に「トリカブトは於宇(おう)と呼ばれていた」と書いてあったそうな。
ここまで本に愛されて、呼ばれてみたい。
装丁に関しては、やたら絵のあるのは下品だって意見ばかりだった。
それも楽しくていいじゃん。と思うのだけど、文字だけっていう装丁が大好きでもあるので、この意見にも納得。
作家は、自分の好きなようには、あまりデザイン出来なかったらしい。
菊判で出したかったけれど、売れないから四六判にしてくれって谷崎が言われていたり。
昔の作家は、刷り上がった自著に家族総出で検印押したり大変だったなあってことは、漱石だか何かで読んだ。
うちにある、おそらく父親の古い辞書の発行年を確認しようとしたら、奥付がない。しばらく考えて、どうも検印部分に記載があって、それが剥がれたんだな、と納得。
これはせめて別にして欲しかった。
古い岩波の『マクベス』を確認したら、さすがにこれは著者検印ではなく、どうやら「岩波」と読める紙片が貼ってあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示