- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784879340221
感想・レビュー・書評
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「テクニシャン」とか「レフィル調剤」とか初めて知りました。
勉強になりました!
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著者は医薬ジャーナリストの藤田道男氏。よくわかる薬局業界の本と同じ。
感想。よくわかる薬局業界の記載事項と大半が同じ。とてもよくまとまっている。
備忘録。
1.薬剤師不足
•薬学部6年生以降により2010〜2011年は空白の2年。
•6年生元年に薬学部に入学した学生は13184人だったが、6年後に薬剤師になれたのは8182人のみ。進級試験に落ちた学生多数。
•2012年は診療報酬改定(病棟薬剤業務実施加算)があり病院が薬剤師を積極採用。学生は病院の薬剤師を第一希望にする傾向があり、空白の2年の明けた年の学生は病院に流れる。
•薬剤師の6割は女性の為、結婚出産による休職退職の影響もある。
•結果として調剤薬局やドラッグストアは計画通り採用できず。例えば最大手のアインファーマシーズは2012年は500人の採用計画に対し189人に留まる。
2.店舗拡大に邁進する背景
•調剤薬局チェーン上位10社の調剤市場シェアは10%に満たずシェア拡大の余地があること。
•2009年の改正薬事法で他業態がOTC薬品販売に乗り出しドラッグストアとの競争が激しくなったこともあり、ドラッグストアとしては他業態との差別化を計る為に専門性強化にはしり、調剤併設店の整備に注力。
•つまり薬局チェーンもドラッグストアも薬局を増やす。ドラッグストアは狭小商圏での展開で薬局数は当面増加。
3.M&A
•多くの薬局ら分業元年頃に創業しており、その創業者の多くが60歳代に差し掛かり、代替わりを検討する時期にある。
•薬局222社の4割が事業売却の提案を受けた。
•1997年の「薬局のグランドデザイン」で当時39000店あった施設が2005年迄に20000店になると予測したが、現在はそれを上回る54000施設になっている。
•大手薬局チェーンの他店舗展開が旺盛だが、開設の好立地が少なくなったこと(2012年の薬局数54000や、薬剤師不足もあり、M&Aが増加。
4.薬局経営の未来
(マイナス)
•診療報酬改定、損税への対策
•医療制度改革への対応
(その他課題)
•処方箋なしでは来店されない業態からの脱却。例えば在宅医療への参加。
•病院の外来規制(特定の病院に紹介状を持たずに初心を受けると、患者の医療負担増)導入で、診療については地域の診療所の利用を促す。→門前薬局には逆風。
•マイナンバー制→門前薬局以外の利用が増える可能性あり。
•リフィル処方箋→反復調剤が可能になると病院に行く回数が減るため、門前薬局には逆風の可能性あり。
•上記は総じて医療費削減と包括ケアシステム推進の流れを受けたもの。ドラッグストア優位の流れか。 -
一読の価値あり
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新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:499.09//F67
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色々使える。フレーズとか。
薬剤師として生き残っていくために必要な資質。など -
医薬分業が浸透している中で、その成果について評価を受け、体制を検討していく必要があるように思う。
また、チェーン薬局およびドラッグストアの台頭しており、特に経営者が非薬剤師の場合、ビジネス的な要素が強くなっていないか。
そのことに疑問を覚えることがある。
悪いことではないが、本来の医薬分業の意味合い、薬剤師法第1条に立ち返り、薬剤師および薬局・ドラッグストアの役割について再考してはどうだろう。
そんな感想を持った。 -
長年薬剤師を見てくれている、医療ジャーナリストからの冷静で客観的な本でした。老人比率は高まれど、人口自体は減っていく流れの中で、薬剤師の方向性、必要な具体的な業務内容、マイナンバー制やリフィル処方箋などの新しい制度について等、具体的な数字も挙げて分かりやすく読みやすい本となっています。