町内会のすべてが解る!「疑問」「難問」100問100答―防犯・防災から快適なまちづくりまで

  • じゃこめてい出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880434087

感想・レビュー・書評

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  •  一般論で書かれている。言い換えると「建て前」。著者をみると、70歳代、60歳代の方ばかり。今の時代に対応しきれていない記述がみられる。SNSなどには触れられていないし、インターネットがもはやインフラであることも理解されていない。もっとも、10年以上前に書かれた本だが。あくまで、一般論として理解すれば良いのだろう。

  • 目次:
    第一章 町内会の基本を知りたい
    Q1 町内会とは、何をするところですか?
    Q2 町内会は、自治会や区とは違うのですか? ほか
    第二章 災害が発生しても、安心して住み続けられるまちにしたい
    Q21 災害時に町内会は何ができますか。またそのとき、町内会長にはどんな役割がありますか?
    Q22 隣に一人暮らしのお年寄りが住んでいます。災害時にどのように避難してもらうか、町内会は働きかけた方がよいのではないでしょうか? ほか
    第三章 犯罪のない安全なまちにしたい
    Q36 町内会として、日ごろから防犯対策にどう取り組めばよいですか?
    Q37 繁華街に隣接した地域で、子どもを犯罪から守るために何ができますか? ほか
    第四章 美しく快適な居住環境をつくりたい
    Q51 ゴミ集積場の場所が問題になっています。持ち回りにできないでしょうか?
    Q52 ゴミの分別ができない家庭があります。どうしたらよいでしょうか? ほか
    第五章 町内会を楽しく運営したい
    Q66 役員のなり手がいません。役員選出は、どういう方法がいいですか?
    Q67 仕事のある人でも役員になれるように、仕事の負担を軽くする方法はないですか? ほか
    第六章 町内活動を活性化させたい
    Q81 町内会活動の活性化には、多くの住民が参加できる工夫が必要なのでは?
    Q82 多くの住民が参加できる活動を工夫するのはどうしたらいいですか? ほか

    ピックアップと一言:
    ・人間が集まって生活する限り、生活を通しての相互の関係は避けられません。現代のようにいろいろな生活様式が認められる社会では、本人には思いもよらない反応を周囲に引き起こしている可能性もあります。たとえばペットを飼う家も増えていますし、騒音の発生といった問題もあります。それが隣人に害を与えているとは、当人は気づかないこともあるかもしれません。他人に被害を与えるような行為は避けなければいけないのは当然ですが、気づかぬうちに行っている行為は、どうすれば気づくことができるでしょう。これはお互いに意見を交換することによって解決するしかないのではないでしょうか。こうした交流の機会を、継続してもてるのが組織というものなのです。自分勝手で利己的な行為に走りがちな社会であるだけに、人のためという感性を磨く場所として、町内会への参加を考えてみてはどうでしょうか。
    →人と人は支え合って生きている。地域の人たちと親しくあいさつし、一緒に行事を楽しみ、困った時は助け合い、お互いを尊重し合って地域社会を暮らしていくことは、そこでずっと暮らしていく人生がとても豊かになっていくことだと思います。見返りやメリットがあるとかではなく、社会関係そのものが人生なのですね。

    ・個人の情報は、法にもとづいて厳密に管理されると同時に、必要な情報については、構成員の合意のもとに、活用できるようにすることが大切です。たとえば、認知症で徘徊癖のある者がいる家庭では、むしろその家族の了解の下でその個人情報を公開してもらい、近隣住民の支援や協力を得るようにしたほうがよい場合も多々あります。
    →避難行動要支援者への避難支援は、行政が対象者の了解の下で支援者リストを地域と共有し、避難支援の取り組みを行う仕組みです。将来、自分が遠慮なく地域に助けてもらえるには、今から遠慮なく地域の人たちを助けておくことが大事。助ける側の気持ちと助けられる側の気持ちをどちらも知ることが大事ですね。

    ・この経験から、子どもの防犯は、子どもの発達段階に応じた「子どもの居場所づくり」を家庭、地域、学校などで創意を尽くしてすすめ、常に子どもたちとのつながりを保って、地域の魅力が感じられる状態にしていくことです。これに勝る防犯活動はないということを、私たちも理解したのでした。
    →名古屋市森の里団地では、無法な行為を繰り返していた青年グループと話し合いを行い、最終的には秋祭りのメンバーに入ってもらったとのこと。子どもの居場所という考え方にもいろいろありますね。

    ・犯罪多発地域には、いくつかの特徴があるようです。まず、地域の暗さがあります。「暗さ」には二つの意味があり、一つは、物理的に街灯や防犯灯が少なくて暗いということであり、二つ目には、地域に元気がなく、住民がお互いによそよそしい、つまりコミュニティが成り立っていないという意味での暗さです。こういうところでは、被害の事実も住民に共有されず、そのために防犯への注意もいきわたらなくて、被害が続くということもありがちです。
    →利己主義が招く排他的で荒廃した地域に住むのは悲しいですね。

    ・ひと口に街灯といっても、さまざまな種類があります。道路建設者が交差点などに設ける道路照明灯、犯罪を抑止する防犯灯、町内や商店街を彩る街路灯、広場や緑地を明るく照らす公園灯などです。たとえば、防犯灯は行政の負担になることが多く、一方、街路灯については補助にとどまり、工事費の大部分と、電球代や電気代などは、町内会の負担になることが多いようです。街灯に頼らない方法では、道路沿いの家々が、終夜、門灯をつけることが考えられます。街を明るくする上で、これも有効な方法です。
    →一門一灯運動は、まさにひとり一人ができることをして、地域で支え合っていく良い事例だと思います。暗い暗いと行政に苦情を言うばかりでなく、自分にもできることがあると気づくことが大事ですね。

    ・子どもの安全を守るためには、子どものいる人もいない人も一緒に活動することが必要ですが、子どものいない人にどういう動機で参加してもらえばよいか、また公園を利用する機会のない人に公園の管理にどのように参加してもらうかなど、言い換えれば、「自分には関係ない」と感じる人たちに対し、どのようにして地域の「共益性」の考え方を伝えていくのか、そこに「地域再生」の鍵があります。より多くの住民に町内活動に参加してもらうためには、防災や福祉など誰もが必要と認める活動をわかりやすい形で行い、そのなかで住民同士のコミュニケーションをはかるようにしていくことが大切です。
    →様々な地域活動がある中で、まずは地域住民全員に受益のある活動から始め、それを評価してもらうことで、その他の活動にも前向きに参加してもらえるようになる、ということですね。そういう意味では、防犯防災、環境景観は良いテーマだと思います。

    ・若い世代は、忙しさにかかわらず、「おもしろい」と感じれば大きな力を発揮してくれる例もたくさんあります。地域社会では、自分の能力は競争のためのものではなく共生のための財産です。皆の能力をつなぎ合わせて何かをやっていく、一度その体験をすることが次につながっていくのです。そこでもう一度考えてみましょう。地域には集会所や公園はあっても若い世代のための施設や空間があるでしょうか?
    →「地域社会では、自分の能力は競争のためのものではなく共生のための財産」、名言ですね。若い世代の能力や興味が発揮できる居場所づくりも、子どもの居場所づくりと同様、地域に必要なことと思います。

    感想等:
    ・防犯防災、環境景観、組織運営について、Q&A形式で解説。1問1~2ページなので、一つひとつの解説は少し物足りませんが、要点を押さえてあり、自分が抱えている課題とマッチするQ&Aがあれば、考え方やヒントが大いに参考になります。
    ・住民自治を勉強していくと、地域に自治会・町内会(機能)は無くてはならないものと理解が深まっていきますが、そこにいたるまでの論点は割愛されているので、まず自治会在りきのQ&Aとなっており、すでに地域の役員になっている人向けの本だと思います。

  • 冒頭にこう書かれています。

    ~本書の目的は「町内会のすばらしさや役割を、より多くの方に知っていただき、町内会を普段の生活にもっと活用していただく」~

    なのでフラットな目線で町内会を語ることはなかった。
    それが残念で★2つ。

    町内会の成り立ちが学べたのは良かったが、インターネットでも調べられる情報である上に、論じる内容に根拠が示されていないため、良書とは言えない。

    ~太平洋戦争期に、政府は全国民を戦争に協力させる組織を作るため、1940年に全国の地域住民組織を、都市では町内会、農村では部落会と位置付けした。
    町内会は、今日では、法律的根拠を持たない任意の地縁組織。戦後占領軍の政策により廃止されて以降、町内会は任意の組織。~

  • 昔ながらの自治会という印象

  • 町内会は何をするところか。メリットはあるのか。行政の下請け機関。災害時の役割。消防団。防犯対策。資源ゴミのリサイクル。町内会費。まちづくるグループ。

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著者プロフィール

名古屋大学名誉教授
1933年愛知県生まれ。1969年から名古屋大学助教授、教授、1997年から愛知学泉大学教授、愛知江南短期大学学長を歴任。専門は社会学。
主要著作 『地域共同管理の社会学』(東信堂、1993年)、『町内会・自治会の新展開』(編著、自治体研究社、1996年)、『地域共同管理の現在』(共編著、東信堂、1998年)、『世界の住民組織――アジアと欧米の国際比較』(編著、自治体研究社、2000年)、『新 自治会・町内会モデル規約――条文と解説』(共著、自治体研究社、2004年)、『改訂新版 新 自治会・町内会モデル規約――条文と解説』(共著、自治体研究社、2016年)

「2017年 『新版 地域分権時代の町内会・自治会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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