- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784880531892
感想・レビュー・書評
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廃棄プラスチック問題に最近興味があり手に取った一冊。
ゴミ問題をめぐる行政の対応や、日本のごみ問題歴史、自他国の政治的部分に多く触れており、専門家たちがそれぞれどこに興味関心を持ち、海洋プラ問題に対する解決策を持っているかがわかる、とても良い本だと思う。
世間では日本のリサイクル率は熱回収を含むため、欧州に比べてもまだまだだとか、廃プラに関する意識が低いとか、いろいろ言われているが、果たして熱回収は悪いのか?欧州での大胆な法規制は本当に実現可能なのか?経済発展の一つとして捉えているのではないか?など、webの記事を読むだけでは出てこないテーマがたくさんちりばめられている。
私が気になった問題点は下記。
・海洋にプラが流れることは問題だが、プラ自体が悪なのか?
・ごみをそもそも発生させないことが最も根本的な解決策だが、実現不可能である以上、どうすれば減らせるか?(日本の場合は、きわめて優秀なごみ廃棄システムがある。しかし特に海洋ゴミを多く輩出する途上国が日本の仕組みをマネするのは難しい)
・マイクロプラスチックは本当に人体にまで影響を与えるほどなのか?
・マイクロプラスチックは本当に半永久的に海洋を漂っているのか?
・バイオマスプラスチックは本当に最適解なのか?
(海洋においては、分解速度が非常に遅くなるため、最適な廃棄をすることのほうが望ましい)
・日本では、最も海洋プラが発生する要因が災害であり、防ぐのは非常に困難だが、少なからずとも海洋ゴミは発生しているので、どうすれば減らせるのか?
プラスチックを使わなければ海洋プラ問題は解決できる、と問題を単純化する怖さも感じた。
(マーケット的にはわかりやすいが)
この分野は、株式も上昇が続いているし、世界各国で次の巨大なビジネスと捉えている節もある。
最初の導入書として最適だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00549628 -
いま話題の海洋プラスチックごみ問題についてイチから学べる一冊です。