天下御免の極落語;平成の爆笑王による“ガーゴン”的自叙伝

著者 :
  • 彩流社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882028949

作品紹介・あらすじ

家元・談志が畏れ、名人・圓生が呆れた〈破滅型芸人〉から、いまでは〈老年の星〉と言い放つ川柳師。「平成の爆笑王」の異名をとり、まさに寄席になくてはならない噺家だ。なぜ川柳師の自伝がなかったのか不思議で仕方がないと囁かれていたのだった。昭和6年、埼玉・秩父生まれ。六代目・三遊亭圓生に入門、「さん生」と命名さる。その後、落語協会分裂騒動のゴタゴタもあって圓生門下を破門。昭和53年、柳家小さんによって「川柳川柳」を拝名。趣味は多種多様な書籍のなぐり読みと弦楽器いじりと豪語。もはや落語界では怖い者ナシ。珍談奇談が山積み。川柳とともに振返る昭和・平成の落語界。これまで門外不出とされていた自作艶笑噺も、この際だから思い切って四本収録、「あんまりスケベでゴメンナサイ」。ご用とお急ぎでない方はぜひ本書を紐解くべし。読まないと絶対ソンしますよ。

感想・レビュー・書評

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  • 数年前に川柳師匠にお仕事をお願いして、その依頼をする前に読ませていただいた。噺家が書いた本だから…と思っていたが、仕事の打ち上げで一緒にお酒を飲んだら、こりゃ書いてあることは全部マジかもしれないと思った。以後、出来るだけ高座を聞かせていただくようにしているが、『ガーコン』以外のネタを聞いたことはない。

  • 寄席で川柳川柳師匠を見た。まだまだかくしゃくとしていて、声にも元気があった。すごく一時期は三平と並ぶほど売れていた芸人さんだというが、なんというかツヤみたいなんがありますね。本書は生まれから修業時代、師匠との思い出、協会分裂騒動のときのあれこれなど、川柳師匠の思い出話+艶笑小話をまとめたもの。また寄席でお会いできるのが、さらに楽しみになりました。

  • ガーコンで有名な川柳川柳による自叙伝。

    破天荒ぶりがすごいが、この人が圓生の弟子だったというから面白い。

  • 残念ながら
    上方に暮らしているせいもあって
    「川柳」さんの高座には接していない。
    ただ
    「解題」で塚越さんが書いておられる
    落語家としての釣瓶さんの評を読んで
    なんとなく
    想像することができる

    ぜひ
    一度 お目にかかりたい
    できれば
    繁昌亭で聴きたいものだ

  • 名物寄席芸人 川柳川柳による自叙伝 + ネタ書き下ろし。

    戦下で過ごした少年時代の叙述が印象的。川柳は、ガーコンの枕で「今の若い人はいい。世界中の好きな音楽が聞けるのだから」としみじみと語ったことがある。その他、遅い入門と内弟子生活、数知れない酒の上の失敗、若手勉強会からの脱落、ソンブレロをかぶってラテンを歌った高座、右朝との死別など、エピソードはどれも話題にことかかないが、何と言っても秀眉は落語協会分裂騒動を圓生の弟子の視点から描いた一幕。数ある落語家本の中でも、傑作と言ってよい一冊だろう。

    しかし、圓生というガチガチの古典原理主義者から、こういう破天荒な弟子が生まれるのだから、寄席芸人の世界は判らないものだ。いや、それだけ圓生の懐が広かったということか。

    ちなみに、「ガーコン落語一代」という題名で河出文庫に入っているのを知らずに単行本を買ってしまった。この内容なら値段はまったく気にしないからいいんだけど、文庫の方がかさばらないから、良かったなぁ。

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著者プロフィール

「寄席の爆笑王」と呼ばれる落語家  趣味 多種多様な書籍のなぐり読みと弦楽器いじり。
本名・加藤 利男
略歴
昭和7年3月3日、埼玉・秩父生まれ。
     横瀬村尋常高等小学校卒業。
昭和30年8月、六代目・三遊亭圓生に入門、「さん生」に。
昭和33年3月、二つ目昇進。
昭和49年3月、真打昇進。
昭和53年、圓生門下を離れ、柳家小さんによって、「川柳川柳」(かわやなぎ・せんりゅう)      と命名さる。出囃子は「やっとん節」。
CDシリーズ「川柳百席」(池袋秘密倶楽部)発売中。

「2004年 『天下御免の極落語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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