額田王は生きていた

著者 :
  • 市井社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882081630

作品紹介・あらすじ

『万葉集』関連で「令和」最初の新刊本!
原万葉集・近江朝の謎を解く、新発見の作品で、歴史が変わる。
万葉集巻第十三の作者不詳の歌に額田王作品16首が隠れていた!
歴史、万葉集ファンにおくる、新たな視点での解明をご覧あれ!

〇万葉集巻第13は額田ファミリー中心の巻だった
〇額田と天智の恋が日本文化の起点だった
〇吹黄刀自は額田・鏡王女姉妹の母だった
〇母・吹黄のパワフルな作品4首も新発見!
〇最後の絶対君主、天智天皇の顔が見えてくる

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、五行歌を創始した草壁焔太氏が古代歌謡をうたびとの目線で熟読・味読をする中で見つけた額田王(ぬかたのおおきみ)の作とみられる歌を見つけ出し、現代に生き返らせた驚きの一冊である。
    大海人皇子(天武天皇)と中大兄皇子(天智天皇)の二人に愛された才色兼備、初期万葉時代の圧倒的存在感を誇る額田王の作品が、なぜ作者不詳になったのか、その歴史背景と謎に迫る、わくわくとした謎解き本でもある。
    額田王と認めた作品のスケールの大きさ、愛の強さには目をみはるものがある。改めて万葉集を繙いてみたくなる。
    ぜひ、万葉集ファンの方には、額田王の作品に出会ってほしい。この言挙げの勇気が、現代を生きるうたびとの心を揺さぶることは間違いないだろう。

  • 著者は、古代歌謡を読み解く流れで、万葉集に取り組み、大和遷都後の650年から天智天皇崩御670年までの間に詠まれた作者不詳の歌に瞠目する。その中の長歌の多くは作者不詳となっており、恋愛や気持ちを伝える私的な内容だったことから、作者の姿が見えてきた。
    万葉集巻13巻から15首、巻12から1首の作品を、額田王の作品として認識した。
    天智天皇と額田王の恋、天武との関係、額田の姉、鏡王女、母、吹黄刀自の額田ファミリーの歌の紹介、比較、柿本人麻呂編集意図、ベールにつつまれた近江朝の謎にせまる。
    うたびとならではの視点があったからこそ、歌に込められた思いに迫れたと言えよう。
    万葉集ファンにすすめたい一冊!

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著者プロフィール

1938年旧満州大連市生まれ。1947年(9歳)小豆島に引揚げる。
1956年(17歳)前川佐美雄の『日本歌人』に入門。1957年(19歳)五行歌創始。
1961年東京大学文学部西洋哲学科卒。ライター編集などをしながら詩歌の活動に専念。
1982年、詩歌運動の拠点として出版社市井社を創立。
1980年代終り頃から本格的な五行歌運動開始を決意、1994年「五行歌の会」を創設、月刊『五行歌』を刊行、23年間の活動で五行歌は50万人の愛好する詩型となっている。現在150に及ぶ支部歌会が各地での五行歌拠点となっている。
 五行歌の会主宰。著書は「石川啄木─天才の自己形成」など文学評論、翻訳など多数。五行歌集は『穴のあいた麦わら帽子』『心の果て』『川の音がかすかにする』『海山』、五行歌論書は『もの思いの論─五行歌を形作ったもの』、五行歌解説書としては『飛鳥の断崖─五行歌の発見』『五行歌入門』(東京堂出版)『すぐ書ける五行歌』『五行歌 誰の心にも名作がある』がある。※出版社の記載のない書籍はすべて市井社

「2021年 『五行歌秀歌集4 ’16~’20』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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