つぐない (ビーボーイノベルズ 102 門の中の楽園 2)

著者 :
  • ビブロス
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 9
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882716808

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • SMから普通の恋愛に。
    生島、前田をいじめることで前田を縛ろうとする。

  •  シリーズ2作目。

     前作で、生徒会長と寮長であった二人が今回のメインカップル。
     ただ、少し前作で感じた寮長の性格が大分違いました。

     主人公は、前田恭。
     優しい父と仕事のできる母とに育てられたまっすぐな少年。
     今までは、仕事ができ、引っ張りだこな母に連れられ、日本中をあちこちと転校を繰り返してきた恭だったが、今回の母の異動先は、日本を遠く離れた海外。
     英語の苦手な恭は、さすがに海外へは行けないと思い、また、かつて父が在籍して、思い出話をしてくれていた全寮制男子校・愛敬学院へと進学を決める。

     そんな恭が同室になったのは、生島裕也という頭よしルックスよしの超完璧人間。
     ところが、そんな生島が恭だけには態度が違う。
     どうやら、二人には過去に接点があり、恭はその時に生島に対して何かをしてしまったらしい。
     しかもそれは恭がよく見る夢と関係があるようで。
    「復讐だ」と繰り返し、恭に嫌がらせをしてくる生島はどんどんエスカレートし、ついには恭を「無理やり抱く」と言う。

     そんな感じの話でした。

     訳のわからない逆恨み(?)を買い、体を言いようにされる恭と、その苛立ちをどこにも見つけられなくて、恭にひどい執着をみせる生島の話でした。
     途中で、恭が倒れて、ネタばらしがされるんですが、その内容はかなり生島の身勝手さがわかる内容。
     そして、実は変質的ともいえる執着心を生島は恭に抱いている、と。

     個人的には、生島のような粘着攻めは割と嫌いじゃないんですが、実は自分で自分のことを刺したのに、恭が生島を刺したって嘘ついちゃったところは好きじゃない。
     そこはもうちょっと頭を使って、「この傷の原因はお前だ」程度にぼかしておいて、勝手に恭が勘違いをするように仕向けるぐらいの知恵がほしかったなー……とその方が萌える。
     まぁ、それだけ生島に余裕がなかったってことなんだとは思うんですが、個人的にそういう人を傷つける系の嘘をつく男はそんなに好きじゃない。

     そういう意味でちょっと減点でした。

  • 「裕也……世間体しか気にしない父親と、自ら思う方にはまった息子しか認めない母親に育てられた、不幸な子供だ。
     初めて裕也に会った時、裕也は、両親の勝手な希望を押し付けられて苦しみながらア、それでもけなげに答えようと、ずっと自分を殺し続けていた。
     かなえられない希望を心の奥底に静めて、裕也は我慢しながら生きていた。
     裕也の望みは、唯一つだった。本当の自分を見て、本当の自分を愛して欲しいと、そんな子どもなら当たり前に与えられるものを、ずっと望んできた。……俺は渇望している裕也の心に、望みのものを与えて、裕也を本来の裕也に生き返らせたんだ。…なのに俺は、ようやく傷口が薄い膜に覆われたばかりの裕也の心に、前以上の傷をつけたんだ。いや、殺してしまったんだ、裕也の心を」

    親の都合で引っ越す主人公を前に裕也は割腹自殺しようとします。
    主人公はその記憶を忘れます。

    典型的なAC小説です。

全3件中 1 - 3件を表示

生野稜の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×