橋の形を読み解く (GAIA BOOKS)

  • 産調出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784882828464

作品紹介・あらすじ

人類が世界中に広がる重大な役割を果たしてきた「橋」に焦点を当て、その建築様式や工学技術を紹介するポケットガイド。橋は、川岸や地域を結ぶという当初の用途をはるかに越え、いまや海や国境を結ぶ輸送インフラのネットワークを構築し、現代産業界の発展に不可欠な存在となっている。ここ数十年、驚異的な発展を遂げてきた橋の設計と建築に着目し、古代ローマのアーチ橋や19世紀にアメリカで流行したトラス橋から、現在最新設計の片持ち梁橋や吊橋まで、多種多様な橋を解説する。第1章では主な橋の様式と使用目的、歴史を通じて用いられた材料や技術などの基本情報に触れ、第2章で世界中の橋を様式別に分類し、基礎や構造、デザインなどを細密画とともに紹介する。

■創世記以来、現代までの世界中のあらゆる種類の橋を分析、探求。
■橋のデザイン、主要材料、工学技術の基本概念の探求。
■詳細なイラストや技術的特徴の断面図を用いて専門的に解説したわかりやすいビジュアルガイド。

感想・レビュー・書評

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  • 橋好きなので。
    橋に住めるヴェッキオ橋はめっちゃいいと思うけど、大雨とかで川が増水したときに怖いね。

  • ピタゴラスイッチを見て可動橋に興味を持って。面白かった。なぜこの形態の橋を設置したかという記載がもっとあればよかったか。

  • こんな本を求めていた。橋って、なんて美しいんだろう。いつ崩壊するかわからないだけに。

  • 構造とか利用形態とか設計者別に世界の橋を紹介してくれる本。

    写真がいっぱいあって良い。細かいけど、訳の言葉のチョイスが少しいまいちで残念。そんなこと言うなら原書を読めということなんでしょうか。

  • 書いてあることをちゃんと覚えて、旅行にでも行けば、また違った楽しみもありそう。
    ぼくには覚えられそうにもないけれど。

  • 著者は建築写真家。外国人による橋の本は、撮影方法といい、翻訳文章といい、どこか目線が違う斬新な感じがありました。

    橋の4つの基本様式(桁橋、アーチ橋、片持ち梁橋、吊り橋)について、ざっくり語られます。
    その他の様式は、この4つの基本設計の応用になるとのこと。

    歴史的に見ても橋の存在は大きく、領土紛争は橋の支配にその結果を左右されたことが多かったとのこと。
    人の生活と密接に関わっている建築物という定義がなされます。

    今では建築の技術も進み、ガラスの橋も多く作られているそうな。
    危険そうで、渡るときに怖気づきそうですが、実際には機能的で安全、さらに頑丈で磨損や風化にも耐えられる、長所の多いものだとか。
    そのうち日本でも多く見られるようになるのかもしれません。

    世界中の様々な橋が紹介されます。

    ブルックリン橋は、ジョン.A.ローブリングにより設計され、1883年当時は世界最長の吊橋だったそう。
    ローブリングは、架橋建築調査中に破傷風にかかって死亡したとのこと。その仕事を引き継いだ息子は、基礎から水を除去する作業中に減圧症にかかり、下半身麻痺となったとのこと。そののち、彼の嫁がこの難事業を引き継いだそうです。
    すさまじいドラマが完成までの裏にあったことを知りました。

    気になったものは、
    天然の石造アーチ ユタ州のアーチズ国立公園やロンドンのグランドユニオン運河に架かる歩道橋。
    サンティアゴ・カラトラバの作品もチェックしたいところです。サンダイアル(日時計)橋、ダブリンのサミュエル・ベケット橋、アイルランドのハープ風など。

    日中戦争の引き金となった盧溝橋は、中国以外ではマルコ・ポール橋とされると知りました。
    中国と日本以外では、探検家の名前で知られているんですね。

    スペイン、カタルーニャ地方には、悪魔の橋と呼ばれるローマ時代からの橋があるそうです。
    何故この名前なのかわからないような、古めかしい水道橋です。
    悪魔が作ったとされるという意味でしょうか。

    バースのエイヴォン川にかかるパルトニー橋は、絵画のように美しい景観の橋。 
    南アフリカのブロークランズ橋には、世界最高のバンジージャンプ設備(216m)があるとのこと。
    ルーアンのセーヌ河には、ギュスターヴ・フローベール橋がかかっているとのこと。
    ロマンチックな橋を想像したところ、パイロンで釣られたとてもモダンな橋でした。

    日本にも世界一の橋はありました。
    生月島の生月大橋が世界最長の連続トラス橋で、明石海峡大橋(3.9km)が世界最長の吊橋だとのこと。
    単に、水上にかかった通り道という用途だけではなく、今では美しさも兼ね備えている橋の数々。
    写真を見るとさまざまな形の橋があることに改めて気づき、設計者によるデザインのバリエーションの豊かさを、興味深く見比べました。

  • 成毛さんのブログを読んで買いたくなりました。
    ▼成毛さんブログ
    橋マニアにとっては必携書である。判型は縦165mmX横133mm、文庫本をすこし大きくしたような本だ。ほぼ全ページフルカラーで、左ページに橋の写真、右ページにその構造などを示すイラストが配置されている。

    第1章は導入部で「橋を理解する」。材料、様式、用途、技術者の順に橋の全体像を説明する章だ。第2章が本体で「ケーススタディ」である。桁橋の例として現代米国のチェサピーク・ベイ・ブリッジなど。アーチ橋としてローマ時代の水道橋、ポン・デュ・ガールなど。片持ち梁橋としてスコットランドのフォース鉄道橋など。トラス橋、可動橋、吊橋、斜張橋を加えて、橋を7様式に分類し、67の橋が登場する。

    橋を観賞するには「町と町をつなぐ、人と人をつなぐ、そして心と心をつなぐ」などという陳腐で予定調和的な意味論は不要だ。橋はただただ眺めてその美しさを堪能できる構築物なのだ。おなじ構築物でも建物はオフィスビルや住宅など目的がさまざまだ。時代によっても様式は変わり、観賞のしかたも異なる。

    しかし、橋やダムは目的が単一であるがゆえに、設計者の美意識が表出してしまう。その構造はむき出しであり、力学が可視化されている。橋自体を軽量化するために装飾は最小に限られる。そこに橋を架けなかればならない理由が背後の風景に刻まれている。

    見ているほうが恥ずかしくなるようなケバケバしい建物が林立している現代中国にあっても橋だけは別だ。重慶市の朝天門長江橋はアーチ橋。アーチ部分が例のごとく中国レッドに塗られてはいるものの、その姿は美しい。

    ましてはセーヌ川にかかる可動橋ギュスターヴ・フローベル橋やギリシャの斜張橋リオン・アンティオン橋など素晴らしく美しい。たまにはため息をつきながら世界中の橋を眺めてみるのも良いかもしれない。

  • 20121214

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著者プロフィール

独立コンサルタント、執筆者、建築写真家。持続可能性と建築環境を重視して活躍する。設計・建築関連書籍に多数寄稿し、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで建築史の博士号を取得。

「2012年 『橋の形を読み解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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