- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784882933311
感想・レビュー・書評
-
サッカーの実況における有名な二人による対談集。どの様に言葉等を選んでいるか、如何に視聴者と共にフットボールを楽しむかを考えているんだなと実感。同時に、まだまだ商品として見ている状況があったり、観る側、スタジアムに足を運ぶ人たちも是から成長して行かなくてはならないんだと実感。家で観る場合、目の前の試合だけでなく、実況、解説様々な物が合わさって一つなんじゃないかなと思う。最後に、ジーコが2000年前半ドイツの育成に対し、オオカミが減ったと発言したが、最近テクニックのある選手は増えてきたが、最後の部分で勝てない所を見て、ジーコの言葉が正しいのか、14年リオで此処最近批判があるドイツ代表が24年ぶりに優勝するのか楽しみの1つでもあるかなと思う
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
倉敷さんの声は生で聞いた方がいいなぁ。
『不穏当な発言集』という章が面白い。倉敷さんの言葉を選ぶセンスには脱帽です。 -
トラさん(山本浩)とクラッキー(倉敷保雄)の対談本。
山本さんはNHKでライブでの実況、倉敷さんはフリーで海外からの映像が中心。
それぞれの視点が新鮮でした。サッカー愛も溢れてますね。
第2弾も読んでみます。
山本さんの実況を楽しんでたかたは30歳代後半以上でしょうか?
トラさんの全盛期を知らない若い世代だと少しイメージが湧きにくいかも。 -
山本さんとくらっきーの豪華?対談。
実況という立場からみたサッカーの視点がおもしろい。
続編も楽しみです。 -
日本のサッカーが、Jリーグ設立からいかに急激に発展していったのかがよくわかる。そのために「サッカーを見る文化」は中途半端だということも。
-
[2012.その25]サッカー実況で有名な山本浩アナと倉敷保雄アナの対談。
アナウンサーという立場からサッカーを語る。
解説者とのやりとりで注意していること、試合の状況に応じた流れの伝え方など実況の奥深さを実感した。 -
テレビで行われているサッカーの中継を見て、
「このアナウンサー下手だな、」とか「俺のほうがうまいんじゃないかww」
と思うことがあるのだが、決してそんなことはないんだな、とこの本を読んで再確認させられた。 -
サッカー実況の山本浩とスカパーでお馴染み倉敷保雄の対談集。
二人がサッカー中継や実況について語ります。あの明言の背景なども書いているので楽しめました。 -
トラさんとクラッキー。
サッカーファンにとってカリスマ的な実況アナウンサーお二人による対談スタイルのサッカー論。
数々の伝説的な言葉を残す名アナウンサーに対して、新しいカリスマ・倉敷さんが質問する形になるのだが、クラッキーはトラさんが大好きというのが見え隠れして、ほのぼのとした空気感が全体を包んでいるが、語られていることは今のメディアや日本サッカーの問題点をきちんとあぶりだしていて納得の一冊になっている。
プレーヤーや解説者や評論家ではない視点からみる彼らのサッカーの見かたは、極端な贔屓クラブを持たないがサッカー自体を愛してやまないサッカーファンにもっとも近いのかもしれない。そんな彼らの実況のテクニックが実に興味深い。
たとえばトラさん、中村俊輔のフリーキックの場面では、ずっとキーパーの動きを見るという。カメラが俊輔のボールセットからの一部始終を追うので、それを言葉で追う必要はない、それよりキーパーを追うことで、TVの向こう側に、その臨場感が伝わるという。
また、事前にたくさんの取材を重ねそれをそのまま使うのではなく、ベースしてに短い質問を作り解説者になげる、すると解説者が答えてくれる。その短いやり取りを組み立ててゲームを実況していくのだという。そのやりとりの積み重ねのためにも、取材、特に「見る,観察する」ことが大切な要素になっていると言う。トラさん、井伏鱒二が好きだと言うのも納得。
高校サッカー選手権のTV放映などでよくあるのだが、放送する側がすでに感動ドラマの筋書きを仕立てていて、ゲームと関係なくアナウンサーがそのドラマを延々としゃべるという安っぽい感動作りがスポーツ放送に万延している。
スポーツは感動を与える。それは選手たちのプレーであって、アナウンサーの技ではないのだが、放送関係者側がやたらと感動の盛り上げを競うような風潮が民放業界に蔓延している。それがいかに興ざめで醜いものかは純粋なスポーツファンが一番知っている。山本トラさんの実況が心に残るのは、実況や解説はすばらしいゲームの額縁だというスタンスをきちんと守っているからだろう。
スカパーの倉敷さんは、オフチューブの解説が多いそうだが、オフチューブ解説の大変さと倉敷さんの独特の実況の舞台裏がわかって、これも興味深かった。倉敷さんのように、日本中心でない世界標準のサッカー世界地図に軸足を置きながら、Jリーグのゲームも馬鹿にしないで楽しんでくれるパーソナリティは大切だと思う。
ドイツワールドカップ日本代表についても興味深い話がでていた。
ドイツワールドカップ時、日本のゲームが2ゲームも昼間に行われたことについては、ヨーロッパに人たちが、向こうのゴールデンタイムに日本よりブラジルが見たかったからだと言う。サッカー世界地図において辺境の日本と前回王者のブラジルなら誰もがブラジルのゲームを見たいはずだ。日本の広告代理店の圧力より、欧州サッカーファンたちの要望にそった形と取ったといわれるほうが自然だ。
また、ワールドカップがらみで最も興味深かったのは、50人の代表チームの構成メンバーについてだ。代表には1チームに50枚のIDカードが配られるそうだが、ドイツチームはカトリックとプロテスタント聖職者2人にIDカードを渡していたという。カウンセラーにIDを渡しているチームもあったそうだ。どちらも選手の精神面のケアのためという。日本は、選手のメンタル面のケアをする人はなく、その代わりスポンサーの看板がちゃんと出ているかチェックする広告代理店の人にIDが配られていたと言う。
日本サッカー協会や日本人たちの多くが惨敗は選手の闘う気持ちがたりなかったと監督・選手を批判したが、このように他国の選手の精神面へのサポートを知ると、メンタルなケアもなく日本代表を背負った選手たちが気の毒に思えるほどだ。この問題は現在も解決していないと思う。いまだに日本サッカー協会のチェアマンは、選手の気持ちが足りないと代表選手のモチベーションを問題視するが、選手のモチベーションに対するケアを手厚くすると言う話は聞かない。
このような問題点が見えてくるのも、山本さんや倉敷さんが単に話術を競うアナウンサーではなく、スポーツジャーナリストとしてサッカー実況に取り組んでいるからだろう。
山本さんと倉敷さんの少年っぽい人柄とサッカー愛が伝わってくる軽やかだが中身の濃い本だ。 -
サッカーで有名な実況の山本浩さんのサッカー論です。