カラダ探し (第3夜 上) (ケータイ小説文庫 Hう 1-5)

  • スターツ出版
3.42
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本棚登録 : 55
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883818761

作品紹介・あらすじ

謎の転校生、美紗に死を告げられた留美子。そして、夜の校舎に隠された、美子のカラダを探せと命じられる。失敗すれば死を繰り返す。留美子達は、すべてのカラダをそろえ、「元の世界」に戻れるのか。5人×6個の大量のカラダ探し!壁も天井も関係なく歩き、走り、そしてしゃべる、赤い人にさらに恐怖は倍増!『カラダ探し』待望の第三弾!

感想・レビュー・書評

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  • 2.5

  • カラダ探しシリーズの完結編のその1。
    第二夜の呪いが(ひとまず)解けた後のパラレル世界という設定で、ここまでの登場人物&新キャラで進められた話なのだけれど、残念ながらクオリティはここまでの作品の中で一番低いかな。第二夜でも主人公のキャラ設定画ブレブレだと思ったのだけれど、第三夜はさらに酷い。1、2作目では根性を見せて皆のムードメーカーの留美子は好感度かなり高かったのだけれど、この第三夜で主人公の一人称となった彼女はとにかくバカ。ホラーにはトラブルメーカーの役どころは必要ではあると思うけれど、主人公がバカではまったく感情移入できない。物語の核心に迫るような事実が出てきても「あたしにはよくわからないしぃ〜」みたいなモノローグ読まされても、イラッとするだけ。率直に言って、バカを主人公にしたために、怖さも半減。失敗だったと思います。
    ついにでに言うと、主人公意外のメンバーもバカばっかりで、自分たちが調べた部屋さえもちゃんと把握していないような行き当たりばったり。カラダ探しの期限が切られているのに、まあ明日もあるし大丈夫っしょ、みたいな気楽さで、緊迫感がまったくない。赤い人は音に反応するって知っているはずなのに、大声でケンカを始めちゃったりして、実写版進撃の巨人を見た時のような脱力感を覚えました。

    設定についても何かしら3話目で変えなくちゃいけないと思ったのでしょう、1、2話は美紀のルールでガチガチに縛られていた赤い人が、けっこう自由に動き、発言しはじめます。天井や壁を走る、匂いで相手を感知する、人格があるような喋りをする…。これも率直に言って、つまらない方向にいったと思う。相手が絶対的な力を持っていながらも、ルールに従った動きしかしないことで、智恵を絞って出し抜く可能性も生まれ、それでもあと一歩及ばずに殺されてしまう、、というバランスに緊張感も生まれてくるのに、たいしたルールもなしに猛獣が自由に動き回っている感じだと、これ勝てるわけないじゃん…という感想しかなく、逆にそんな中なのに全員が大した苦労もなくカラダを集めきり、無事に行きたまま最後の瞬間を迎えられていることに、都合の良い展開だなぁ、という不自然さが気になってしまう。
    1,2作目で上手く作っていた制約と舞台を崩したために、中途半端な作品になってしまった感じがする。

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著者プロフィール

福井県大飯郡高浜町在住。11月2日生まれ。代表作は『カラダ探し』(スターツ出版)。生まれ育った町で、作家活動以外にも創作活動を行っている。

「2023年 『絶命教室 怪人ミラーとの恐怖のゲーム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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