あいの、うた (Holly NOVELS)

著者 :
  • スコラマガジン(蒼竜社)
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883862801

作品紹介・あらすじ

田頭は一時アイドルとして成功した。一枚目のシングルは大ヒットしたが、その後のCDは鳴かず飛ばず。ミュージシャンとしての才能は皆無だった。スタジオミュージシャンとして日々を送る田頭は昔の栄光を忘れられず、仕事がほとんどない現在も音楽の世界から足を洗えずにいた。そんな時、高校時代のバンド仲間・小日向に再会し…。

感想・レビュー・書評

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  • 2篇。
    1編目は音楽雑誌編集者の小菅と売れないバンドのボーカル久保山との出会いから付き合いが始まるまで。
    2篇目は音楽雑誌の編集長田頭の過去話。

    1篇目の久保山のマイペースさが凄くて、それを嫌っていた小菅がある時から久保山を好きになり久我山の為にと奔走する姿に驚きました。
    すぐ手の出る久保山はどうあっても久保山であるのにホッとしたり。

    2篇目の田頭を必死に追いかける力の言動が読んでいて凄かった。
    逃げる田頭。
    再会。
    拒絶する力。
    しかし…。

    強烈な印象の残る作品でした。

  • 面白くて、一気に読んでしまった。
    心臓に負担がかかる執着心に、毎度の事
    コレだよ、コレ。となってしまう。
    低燃費で生きているのに寿命が縮みそう。

    ひたむきな、真っ直ぐな思いと
    夢と人生が痛くて辛い。
    けど夢中になってしまうのは先生の為せる技なのか。

    続きが読みたいです。
    続きが!読みたい!!

  • ■あいの、うた

    音楽エディター×売れないバンドのボーカル。
    攻めはゲイで受けはノンケ。
    受けの音楽の良さを全く分からない攻めと
    攻めの態度が許せない受け。

    最初は相性最悪だと思ったのに
    ひょんなきっかけから攻めのアパートに
    受けが入りびたるようになります。

    恋愛感情を持っていなかったのに
    受けの作ったバラードを聞いて涙してしまい
    あっという間に恋に落ちてしまうところに
    思わず引き込まれました。

    攻めの存在があったから受けの音楽も
    変わったのだと思うのですよね。
    そういうエピソード好き。

    攻めの雑誌は廃刊、受けは事務所に契約を切られ


    最後はなし崩しに恋人同士になったのかな?
    というところで話が終わり、
    え~~!!となりました。朝チュンは悲しいよ。


    ■The end of youth

    てっきり冒頭の小菅×久保山かと思ったら
    田頭の過去の話…!
    裏表紙のあらすじもこれだからメインはこっちだった…。

    もうちょっと冒頭のカップルが読みたかったので
    がっかりして読み始めたけど、いやいや、
    こっちの方が面白かったです。
    (手のひらすぐ返すタイプ)

    高校時代のバンド仲間の弟・力に
    執着されていた田頭は、
    彼を捨てて上京し、アイドルデビューを果たす。
    が、それは一時のことでその後は鳴かず飛ばず。

    その状態の時に力の兄で友人の優に再会し、
    力とも再会を果たすが…。

    仕事もどん底、力もものすごく冷たくて
    これからどうなるんだろうと思ったら
    無事によりを戻せてよかったです。
    再会後のエロは痛そうで悲鳴が出たけど。

    木原作品としてはかなり甘い方じゃないかな。

    後日談で小菅×久保山も上手く行ってる様子が
    垣間見れてよかったです。
    小菅の新しい仕事も久保山のバンドも
    上手く行ってそうでよかったですね。

    でもそういう景気のいい時の話もちゃんと読みたかった。
    どちらの話も終始しみったれてて悲しかったので。

  • 田頭の話が好き。
    力の粘着質なところは、ビックリするくらい群を抜いていて、ほんと極端。
    でも、その粘着質なところが田頭はいいんだろうね。

  • 力(攻め)が好きです。
    直感・直情・主観しかなくて
    常識?何それ美味しいんか?って感じで自由じゃないけど自由でありたくて仕方ない子で可愛いかっこいい。
    生きてる限り自分自身のために受けを守ってくれそうな子。
    こういうタイプ好きだなー!箱の中の喜多川っぽい感じの子です!

  • 木原作品を読んでると良い人である事の方が難しい現実を肯定していいんだと毎回思う。善良でありたいと願いながら、現実は良いも悪いも時と場所で移ろっている。その中で「独りよがり」ではなく「自分勝手」である登場人物(小菅)のリアル感よ…
    秘密の友達の関係性から、特別な何者かになれる自分と、なれなかった自分との折り合いが付けられない自分と、それを善良な素晴らしい愛ではなく、最後の最後まで身勝手な愛情で絡め取る感じ、田頭と力の関係性は木原作品特徴の一つ。隠れた佳作っぽい作品。

  • 1話目は表題作。裏表紙のあらすじは2話目。
    すごく痛くはなかったが木原さんの世界は甘くない。

  • 好きくない本。。。

  • テーマはシビアな感じ。夢は叶わない特集みたいな…話としては後半の方が好きです。多分ergoで先に読んだせいかな?
    物凄く直情的な攻めが印象的。

  • 物語は始終淡々としていて、夢に破れた男達の話が延々続きます。
    そんなに痛い描写があるわけではないんですが、随所に出てくるセリフに、胸がクサっと突き刺されるような気持ちになります。
    傷つくとかそういった感情ではなくて、せつなく優しい、そして歯がゆい。
    どうしようもない感情からこぼれでた言葉が自然で、不意に涙が零れます。
    自分でもそろそろ泣くかも…と自覚して泣くのじゃなくて、ホントに
    その文章読んだ瞬間、急にこみ上げてきてぽろっと涙が落ちるような。

    『なに泣いてんだよ』
    『俺、ゲイだから』

    ここの台詞で参ったってなる。

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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