ワケありな本

著者 :
  • 彩図社
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本棚登録 : 74
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883928804

感想・レビュー・書評

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  • 本が読者に与える影響は、確かに少ないとは言い難い。

    猥雑すぎる表現が、
    過激すぎる思想が、
    他国に対する挑戦的な失言が、

    何かの火種になってはいけない!
    と、
    世に流通する前に発禁になってしまう本、
    が、昔はわりと、あったそう。

    今では
    ほとんどの本を読む事が出来るが、
    (これは、情報過多によって、たった一冊の本が人に及ぼす影響力も減少した為か?)
    その昔、
    ワケありで、発刊禁止された類の本の紹介は、
    なかなか興味深かった。

    なかでも、特に面白く読めたのは、
    正しい『地動説』を唱えながらも、
    当時、幅を利かせていたキリスト教が唱えていた、『天動説』を覆す事が出来なかった『ガリレオ』の章。
    彼の著書である『天文対話』は結局、禁書とされてしまった。

    何が正しくて、何が間違っているか?
    なんて、所詮人にはわかりっこない。
    ただ、多勢に無勢。
    強い者が、弱い者の意見を封印し、
    流通するのは、
    当たり障りの無い、平和を愛する言葉、を綴った本のみ。
    …だったらしい、その昔。

    それでいいのかも知れないが、
    それでも、

    『地球はまわっている…』

    さぞや、悔しい思いをしつつ、心の中ではつぶやいていたであろう、
    そんな真実こそ、
    人々が本当に知りたい事ではないのか?
    (実際、この発言をしたかどうかは定かじゃないそうだが。)

    此の世で一番恐ろしい言葉は、
    私の場合『焚書』かも知れないなぁ~、なんて思ってしまった。

    • 円軌道の外さん

      いやぁ〜
      レビュー読ませてもらって
      スゴく
      考えさせられたし
      よく分かります。


      「ちびくろサンボ」や
      漫画「ブラッ...

      いやぁ〜
      レビュー読ませてもらって
      スゴく
      考えさせられたし
      よく分かります。


      「ちびくろサンボ」や
      漫画「ブラックジャック」や
      「パーマン」「ジャングル黒べえ」なども
      最近まで
      日本でも見れなかった時代があったし。

      アメリカの田舎町では
      いまだにヘヴィメタルという音楽のCDや
      (悪魔の音楽という言い分で)

      キリスト教に反すると烙印を押された書物が
      書店やCDショップからなくなり
      燃やされるといったことが
      普通に行われてるようです(>_<)


      大事なのは
      何が悪いのかをそれぞれが考え話し合うことだと思うし、

      言葉や表現を悪者にして
      それを隠したり
      なきものにしてもなんの解決にもならへんのとちゃうかな〜(^_^;)


      個人的には
      映画「パッチギ!」に出ていた元ハウンドドッグの大友康平の言葉、
      「歌ってはいけない歌なんてないんだ!」で
      対抗したい気持ちです(>_<)


      2013/05/08
    • MOTOさん
      円軌道の外さんへ

      こんばんわ。コメントありがとうございます♪

      いやぁ~。
      分かってもらえてすごく嬉しいです!
      思いが伝わる、って事は、や...
      円軌道の外さんへ

      こんばんわ。コメントありがとうございます♪

      いやぁ~。
      分かってもらえてすごく嬉しいです!
      思いが伝わる、って事は、やはり素晴しい事だと改めて、今実感致しました!(^^♪

      誰にだって、
      熱い思いはあるのに。
      それを誰かに伝えたくって、書物に書き記しているって言うのに。
      それを、
      歪んだ思想は人を惑わす、とか何とか理由をつけて、
      火のなかにぽいっ、ぽいっとくべて、燃やしてしまうなんて!
      もう~考えただけで、悲しくなってしまいます。

      臭いものに蓋、みたいな考えが一番嫌い…
      私は、
      人はみな、良い書物を選ぶ目を持っている、と思います。
      もし、それが受け入れられない本なら、
      きっと世間が流通させる事を自然に拒むはず。

      「歌ってはいけない歌、を是非聞かせてくれよ!」
      なんて、私はそんな気持ですね♪






      2013/05/08
  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB10220434

  • (2020-03-21)

  • 発禁になる位の影響力を与える書物たちを紹介した本。
    悪魔の詩とかは当時も話題になったと記憶している。

  • 様々な理由で発禁などになった本。思想弾圧で日本でも人が死んでいた。小林多喜二は拷問死だ。またこのような社会になりつつある。
    よく言えばわかりやすく、浅く広くつまんでいる。

  • 本書自体が怪しげで、凡そ信憑性があるとは言いがたいが、読書意欲は少しだけ高まった。

  • 古今東西のワケありな本を紹介してます。
    本の影響で殺人がおきたり社会に与える影響から発禁となったものがでております。
    というか「これも発禁だったのか」ってな本多数。
    でも現在はほとんど読めるようです。
    「歌は世に連れ、世は歌に連れ」(古いね俺も^^;)なんて言葉もありますが本もまた然りね。
    とりあえず蟹工船読もうと思います。

  • 事件の引き金になったり、発禁になったり、捏造だったりと、「ワケあり」な本の解説集です。有名なワケから、ホントかいなそれ、というものまで。背景には諸説ありそうなものもあって、丸呑みするのはちょっと大変な本だけど、考える肥料になるものでした。

    最後のエピソードからあとがきに続く「華氏451度」。焚書の話題ではなく、この作品自体が、実は無断改編・削除を受けて出版されていたという皮肉と、電子書籍化によって、本が失われていって、事実上、華氏451度の世界がやってくるのではないか、と…。飛躍してるな、と思う反面、自分もゆでガエルになりつつあるかもなと感じる。

    現代日本では普通に流通できる、とされている。でも。「ブラックジャックによろしく」や、非実在青少年の話なんかも、レベルが違うのかもしれないけど、触れて欲しかったなあ。

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著者プロフィール

フリーライター。横浜国立大学教育学部総合芸術学科卒業。
在学中、アート・映画への哲学・思想的なアプローチを学ぶ。編集プロダクション勤務を経て渡仏。パリで思索に耽る一方、アート、旅、歴史、語学を中心に書籍、雑誌の執筆・編集に携わる。現在、東京都在住。
パリのカルチエ散歩マガジン『piéton(ぴえとん)』主宰。
著書に『図解 いちばんやさしい哲学の本』『図解 いちばんやさしい三大宗教の本』『図解 いちばんやさしい地政学の本』『図解 いちばんやさしい地経学の本』『図解 いちばんやさしい世界神話の本』『地政学から見る日本の領土』『ワケありな映画』『ワケありな名画』『封印された問題作品』『吉田松陰に学ぶ リーダーになる100のルール』『本当は怖い 仏教の話』『要点だけで超わかる日本史』『教養として知っておきたい33の哲学』(いずれも彩図社)、『はじめるフランス語』(学研プラス)、『地政学ボーイズ』(原案・監修/ヤングチャンピオン)などがある。

「2024年 『図解いちばんやさしい地政学の本 激動の世界最新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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