「ピカソ」のキャリア「ゆでガエル」のキャリア

著者 :
  • すばる舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883993154

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  • ゆでガエルにならないキャリア形成とは?

  • 【MM097 mylibrary 2005/10/05】

     以前、【MM064】「マイライブラリ」で「仕事で『一皮むける』」という本を紹介し、その際に「キャリア」というお話をしました。今後
    組織に働く個人が、充実した仕事を行う上で考えておきたい概念の1つです。
    今日はその続編、というわけではありませんが、もう少し例えを多く用いて、おもしろく「キャリア」を学習できる本を紹介します。


          村山昇著「『ピカソ』のキャリア 『ゆでガエル』のキャリア」(すばる舎、2003年)


      この本を知るきっかけは、千葉県職員戸崎さんの紹介からでした。
      http://www.pm-forum.org/100satsu/archives/2005/07/post_163.html 
      ちなみにメルマガ&ブログを連載中
      http://www.pm-forum.org/100satsu/


     まず、ここでの「キャリア」とは決して難しく考えるものではなく、広く、「働いていくこと」や「仕事の軌跡・仕事の未来」や「職
    人生」のようなニュアンスで用いています。
     その「キャリア」を、「ピカソ」「ゆでガエル」「耕一さん」「タンポポの種」の4つのタイプに分類し、人々は多様な職種に就いて
    いますが、すべての職業人は、必ずこのうちどれかのタイプに当てはまると言っています。

     読者のみなさんに「どのような働き方、生き方が自分にとって最適なのだろう?」という問いかけの意味を含んでおり、本文には、その
    ための思索のヒント、行動のヒントを随所に織り込まれています。



     「変化は世の常です。雇用を取り巻く環境はどんどん変化しています。キャリアづくりにはいろいろな能力が必要ですが、これからの
     時代は、変化する状況とともにいかに自分を変化・更新させていくかが、もっとも大事な要素になるのではないでしょうか。この本は、
     変化を楽しむための本です。変化という波乗りを楽しむがごとく。そして、あえて自分で変化を作り出すための本です。」



    4つのキャリア形成タイプを見てみましょう。

    ①『ピカソ』のキャリア

     ・偉大な芸術家パブロ・ピカソ。彼は生涯にわたり何度も創作環境を変え、交友人脈を変え、表現技術を変えていた。
     ・人が成長するとき、自分自身を流動させることが必要になる。そのスタイルがピカソの生き様のエッセンスだった。
     ・そんな創造的に変化を仕掛け、多彩にキャリアづくりを推し進めていくタイプのこと。

    ②『耕一さん』のキャリア

     ・時代がいかに変化をしようと1つの分野に腰を下ろし、「深み」を極めていく人。
     ・ノーベル科学賞を受賞した田中耕一さんのような。
     ・頑として職人的に仕事をしていく人、瀬尾の道の専門家として信頼を得ている人。

    ③『タンポポの種』のキャリア

     ・タンポポの種の行き先は風任せ、環境任せ。
     ・意志のない状態で漂流するタイプのこと。

    ④『ゆでガエル』のキャリア

     ・保身、安穏、臆病の心から、変化の対応を怠ることになり、後でそのツケがどんと回ってくるタイプ
     ・ゆでガエルとは・・・
      カエルを熱い湯の入った器の中に入れると、カエルはびっくして器から飛び出る。しかし、最初から器にカエルを入れておき、その器
     をゆっくり熱していくと、カエルは器から出ることなく、お湯と一緒にゆだってやがて死んでいく。
      人は急激な環境の変化に対しては、びっくりして何か反応しようとするが、長い時間をかけてやってくる変化に対しては鈍感になり、
     やがてその変化の中で押し流され、埋没していくという、意識改革などでよく使われるたとえ話。


      変化への好奇心は発展につながり、
      技能への探究心は深みに通じていきます。
      また、無目的は漂流を誘い、
      臆病は停滞を生みます。


     この本の大半は、「加藤さん」という主人公が登場し、この4つのタイプをそれぞれ演じていきます。
     どのタイプのキャリアが、「加藤さん」にとって幸せなのか、その対処法はどうするべきなのか。ストーリー形式になっており、非常に
    分かりやすく解説されています。

      4つのタイプの詳細を見たい場合 → 「キャリア形成の4タイプ」をご覧ください。
      自分がどのタイプか知りたい場合 → 「セルフチェックシート」をご覧いただき、解答を送っていただければ、ご紹介します。


     公務員は、一部の専門職を除き、『ピカソ』や『耕一さん』は少なく、『ゆでガエル』や『タンポポの種』になりがちです。
     今後、公務員制度改革を迎えると、今までのようにはいかなくなるでしょう。そのときになって慌てることのないようにしたいものです。


    序章  四つの職人生模様
    第1章 「ゆでガエル」人のための停滞を打ち破る扉
    第2章 「タンポポの種」人のための漂流から抜け出す扉
    第3章 「耕一さん」人のための深化をより実り大きくする扉
    第4章 「ピカソ」人のための発展が発展を呼ぶ扉
    終章  四人の加藤さん、四つの履歴書物語を終えて


    【MM111 mylibrary マイライブラリ・アウォード!2005 2006/2/1】

    【第4位】『ピカソのキャリア ゆでガエルのキャリア』(村山昇著、すばる舎、2003年)
         http://tinyurl.com/bns53
         【MM097】マイライブラリで紹介。【MM100】【MM109】で関連記事を紹介。

     (コメント)仕事をする上で、どのようなスタイルで臨むべきか、今後どのような人材が必要とされるか考えさせられます。特徴的なキャラクターを用いて4分類しながら、小説風にまとめられており、非常に分かりやすい。

  • やばい。私、いま、ゆでガエル真っ最中かも・・・。

  • |序章 四つの職人生模様―あなたは何型?悲喜こもごものキャリア形成タイプ
    |第1章 「ゆでガエル」人のための停滞を打ち破る扉
    |第2章 「タンポポの種」人のための漂流から抜け出す扉
    |第3章 「耕一さん」人のための深化をより実り大きくする扉
    |第4章 「ピカソ」人のための発展が発展を呼ぶ扉
    |終章 四人の加藤さん、四つの履歴書物語を終えて
    |付録 セルフチェックシート―34の質問であなたのキャリアタイプがずばり分かる!

    マインドマップを始めた頃、可能性は無限だ!とか思っていて(笑)
    転職したくてたまらない時期がありました(恥)
    その頃に買った本です。

    キャリア形成の意思の強弱と、
    キャリア形成環境(流動的か、固定的か)で、4分類されます。

  • 【目的】

    【引用】

    【感じたこと】

    【学んだこと】
    「自律」の人は「何を」「どう」「何故」やるかを必死で見出している。
    目的と動機を持てば、過去がすべて繋がっている。

  • 本の企画はいいのだがサンプルストーリーが良くない。しかし言いたいことはわかるし、参考にはなる。

  • どんな仕事であれ、仕事または「キャリア」に対する本人の取り組み方によって4つに大別できる、という考えに基づいてキャリアコンサル(?)の村山昇さんが書かれた本。ちょっと悩んだりしていた最近、キャリアを作っていくことに対してすこし「引っ込み思案」になっていた私にとっては、すごく分かりやすく、心に響くメッセージと一緒にもう一度キャリアに「正面から向かってく」気持ちを思い起こさせてくれた。どのパターンの加藤さんも、最後にはきちんと起死回生を果たしていたところが、隠れた名ポイントだなぁ、なんて思う今日この頃。

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著者プロフィール

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。
「プロフェッショナルシップ研修」(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)をはじめ、管理職研修、キャリア開発研修、思考技術研修などの分野で企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。
GCC(グロービス・キャリア・クラブ)主催セミナーにて登壇も多数。
1986年慶應義塾大学・経済学部卒業。プラス、日経BP社、ベネッセコーポレーション、NTTデータを経て、03年独立。94-95年イリノイ工科大学大学院「Institute of Design」(米・シカゴ)研究員、07年一橋大学大学院・商学研究科にて経営学修士(MBA)取得。
著書に、『キレの思考・コクの思考』(東洋経済新報社)、『個と組織を強くする部課長の対話力』『いい仕事ができる人の考え方』『働き方の哲学』(7万部超)(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

「2021年 『キャリア・ウェルネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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