【新版】 黎明 下巻

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  • 太陽出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (699ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884699093

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  • 下巻はより我々が今どう生きるかという内容に言及している。
    日常の生活を通して、いかに「普遍意識」(という言葉でこの本では表現されている。いわゆる愛ということだと私は理解した)に近づいていくかというやや実践的な内容も含まれている。
    また、音楽や占星術、教育といった多くの人が関心を持つであろうテーマにも触れられている。精神世界の内容に興味を持つ人や、物質世界だけで説明できないものに興味を持ち始めた方々に非常におすすめしたい。

  • 黎明(下)「葦原瑞穂」

    ヘブル語の原義で、アベルは霊、カインは物質の意味。

    起きている出来事には全て必然的な理由があり、不当に見えるような出来事の奥に、神の公正と正義が行き届いている。

    被害を受けたという結果だけを視野に入れるのではなく、その結果を生じさせた原因になる行為と、その結果を体験する事によって得られる魂の成長まで含めたより大きな視野に跨って観る事。

    物質を創造する過程では、あらゆる波動スペクトルを包含する無限エネルギーの中で特定の波動スペクトルに創造者の意識の焦点を合わせる事によって生じた原因想念が、波動干渉によって次々とバイブレーションを下げていって各波動領域の媒体を形成し、最終的に物質的バイブレーションに物質分子として表現を行う。
    ここで原子を構成する各素粒子自体を表現するものが、無限のエネルギーの水の側面であり、もう一方の火の側面は、随時降下して各波動領域の媒体を形成する力であり、物質レベルでは、各素粒子を纏めて原子を構成する核力や電磁気力、物質の運動を司るさまざまな力となる。この原因と結果の原理を縦方向の調和、すなわち隠の構え(火)と呼ぶ。これに対して横方向の陽の構え(水)とは、物質の中での陰陽の調和を意味しており、具体的には原子核を構成している陽子や中性子と電子の関係を示している。
    この二つの側面において、共にバランスが取れて初めて物質世界は安定して存在できる。

    地球の自転によって生み出される東から入ってくる気の流れと、地磁気によって生じる北から南へ向かう気の流れを効率よく取り込むためには東北に向かって開かれた形状にするのがよい。(*丑寅(東北)は鬼門というのは当時の為政者の意図)

    具体的な問題点を指摘する際に、相手に対する愛ではなく、否定的な感情や想念が針の一点ほどでもあればそれは自我意識で観ている。

    他人の中に「悪」を見ているならば、それは見ている人自身の中にその波動が存在している。
    他の人が犯した誤ちについて、決して非難する事なく、哀れみの念を持つ事。適切な助言は、相手がその誤ちに気づいてそれを受容れる事ができる時のみ行う事。

    どんな不調和な表現をする人に対しても、その人の表現にではなく、その人に内在する神性に意識を合わせる事。

    あらゆる表現の中に宇宙の愛のみを観ることができるようになった時、その人の意識は天に在って真実を観ている。

    音楽は常にその瞬間にその場所の波動で創造された、演奏家自身の内からの表現によらなければ生命の在る真実の演奏には成らない。

    音楽の表現とは、物質レベルの音、すなわち空気の振動自体にあるのではなく、これが聴覚器官を通してアストラルレベル及びメンタルレベルの媒体に、それぞれの個人に特有の、しかも多くの人たちにある程度共通した波動を引き起こすことによって形作られる。

    人間の心を構成する高次媒体は、その人によってその性質、つまり外部からエネルギーが加わった時に生じる波動が異なるので、この差が主観的な違いを生み出す。

    神社等で柏手を打つのは、心を清めると同時に精神階層の存在者の意識をこちらに向けてコミュニケーションできる状態を作る意味がある。

    百人からなるオーケストラであっても、指揮者の力量と楽員の意識次第でそれぞれのメンバーが自分の本当に満足する演奏を自由に表現して、しかも全体としては完璧な調和を持った音楽を構成することは可能。ただ、ほとんどの場合は、自我意識が働いて不必要な自己主張をしようとする為に本来の表現を妨げる。

    演奏家が自分の考えている音楽に執着して自分の主張を通したいとか、自分を良く見せたいという自己顕示欲を持っていると、自分と他者という分離感が生じ、心の迷いに囚われているのでバイブレーションは上がらない。

    宇宙の完全な調和の反映である音楽は、極めて有効な進化の手助けになる。

    五官によって生じる表象は、普遍意識と対立するものではなく、五官で知覚している粗雑な波動が洗練されて研ぎ澄まされていった時に、その究極のところで普遍意識の精妙なバイブレーションを観出す。

    外の世界に表現されているものの中からいかに精妙で美しいものを感じ取れるようになるかという訓練は、その人の感受性の自然な進歩に合わせられるので、意識の進化に極めて有効な手段。


    北枕は地球上の気の流れに合わせる配慮からきており、一番体が休まる方向。

    地球のエネルギースポット
    ・アラスカのフェアパンクス
    ・セントヘレンズ山
    ・シャスタ山
    ・マンハッタン島
    ・ボリビアのサマイパタ
    ・マチュピチュ
    ・マウントオルガとエアーズロック
    ・バリ島
    ・マウイ島
    ・マン島
    ・ギゼーのピラミッド
    ・カイラス山
    ・立山
    ・白山
    ・礼文島
    ・利尻島
    ・旭岳
    ・雌阿寒岳
    ・高千穂峰
    ・屋久島
    ・種子島
    ・沖縄中部の鍾乳洞
    ・八ヶ岳から北信五岳に至る地域
    ・瑞牆山
    ・諏訪郡原村

    日本列島は存在そのものが東西、つまり陰陽の調和を表している。

    普遍意識を顕現する方法は、厳しい修行に行く事ではなく、日常の生活の一つ一つに正しく関わっていく事。これが最も大きな効果があり、かつ最短の進歩を与えてくれる。

    厳しい修行に行く行為は、得てして努力をする事で他人との差別化が図れるというような自我意識の造り出した迷妄に囚われやすい。

    霊的な関心を持ち始めた人は、聖地と呼ばれる場所に行ったり、世間から離れて山にこもったり、グルに入門する事が多いが、大切な事は、その人の進化にとって必要かつ十分な状況は既に目の前に与えられている事に気づく事。

    この世界におけるあらゆる出来事の中で、大いなる愛の表現の機会でないものは何一つとして存在していない。

    心や身体の素材となる食品は、どのような意識状態の人によって、どのように取り扱われてきたのかろいう事に可能な範囲で注意を払う事。

    食事のバイブレーションを高く保つ事は、私たちの想像よりも遥かに大きく世の中に調和をもたらす奉仕になる。

    食べ物がそれを食べる人と共通のバイブレーションを多く持っていて、しかもその人の各波動領域の媒体に、全体と調和する波動を励起させる事が非常に大切。このような食べ物と食べる人との理想的な関係が成立した時、主観的な「美味しい」という感覚が生じる。

    自分の内側の実相のみならず、五官から入ってくる情報に対してもチャンネルを開いておき、徐々に感受性を高めてより精妙な波動に感応させていく。その時点で自分の知覚できる最も高いバイブレーションに意識を合わせてそこから可能な限りの情報を得るようにする事で、次第に外界のより高い波動領域に表現されているものが感じ取れるようになる。

    味覚を洗練させていくにも訓練は不可欠で、生の野菜等が本来持っている精妙なバイブレーションの領域に感応できるようになると、これまでは知覚できなかった微妙な味わいにも気づくようになる。(*生産者の愛が欠落した作物には本来の波動がない)

    外界のより精妙なバイブレーションに感応し、同時に外の世界に対してより調和した表現を行う事を通して意識が研ぎ澄まされ、進化していく。

    日常生活の質を高める事は大変重要なこと。大宇宙が何のために物質世界を創造されたのかという事を考えれば、我々がそこでどのように生きるべきかという事も自明の理。

    精神的、霊的に関心を持つ人の多くは世の中の傾向への反動から物質を低く見がちだが、物質もまた地上における大宇宙の表現であるから、物を愛し、大切に扱う事は大宇宙を愛する事。

    他人の欠点を指摘する事は大変責任の大きな行為であり、普遍意識のグルと互いに合意した弟子との関係においてのみ、慎重な配慮の下で行う事が許される程度のもの。

    やらなければならない日課が、内なる衝動から生じる喜びに満ちた行為と成った時、仕事は大いなる愛そのものの表現と成る。

    大宇宙の生命の創造の過程として、仕事に貴賤や大小の区別はない。釘一本足りなくても家全体の強度に支障が出るように、一人一人のどのような些細に見える行為も、宇宙全体を成立させる上で必要不可欠な大宇宙の表現である。

    化学肥料は人間のビタミン剤と同じで、物質レベルの組成、すなわち分子構造としては必要な栄養素が揃っているように見えるが、生体にとって本当に必要な生命エネルギー(現象的には高次媒体に生じている波動スペクトル)がほとんどない。

    りんごの無農薬栽培を始めたあるグループで、害虫についての専門書を読んでその知識を得た後、その年から彼の知っている虫の殆どが彼らのりんこ園に登場するようになった。

    専門知識を持っているばかりに様々な固定観念によって心を制約され、自分の信じている事以外の可能性の発現を閉ざしてしまう。

    会社経営は自然の摂理を深く理解した上で、それと調和した経営を行う事。

    何が社会や地球全体に貢献するのかという判断は普遍意識でなければできない。

    作り手の魂を打ち込めない大量生産型はそれを使う人に光を与えるという使命を失わせ、世の中のバイブレーションを下げる。

    たった一言の「ありがとう」でさえ、言われた人の自我意識を増長させる。あなたが人を助けたいなら素晴らしい事だが、それによって感謝や賞賛を求めない事。

    水の分子は一つの中でプラスとマイナスの電荷の中心がわずかにずれているため、プラスの側には他の水分子のマイナス側を、マイナス側には油の分子をそれぞれ引き付ける作用があり、水の分子が油の粒子をぐるりと取り囲んで周囲の水と馴染ませる、洗剤と同じような海面活性の性質がある。

    普通の水(バイブレーションが低い)はたくさんの水分子が集まってクラスターと呼ばれる塊を構成している為、水の単分子が持っているような界面活性の性質が現れてこないので水に油が溶けないが、バイブレーションをあげた水はクラスターが細かくなり、水で油が洗い流せるようになる。

    自分に対して否定的な対応をする人に対しても、愛を表現する事ができるかが進化のカギ。

    その人がどれだけ深い喜びに満ち溢れているかという事で、普遍意識を表現しているかどうかの判断ができる。

    コンクリートや化学合成建材は最もエネルギーが低く、金属、天然石、木材の順に高くなる。金属の中では貴金属が、天然石の中では宝石や貴石が一番進化しており、高いエネルギーを持っている。だが、組み合わせによっては不調和になったり、個々の人間の持つ波動との相性もあるので注意が必要。

    魂が成長していく過程は、自我意識では把握する事ができない。把握しようと思えばそれが自我意識を働かせるので成長が止まる。ただ自分を取り巻く周囲の風景が美しく見えるようになったり、自分の周囲の人達が調和してきて、彼らの意識が高まったように感じられれば、それは自分のバイブレーションが上がった証左。この時に注意する事は、自分の意識の進歩が高慢や自惚れに繋がる事で、すぐにバイブレーションを下げ、自我を増長させる事。

    他人の進歩を羨ましく思ったり、自分の進歩が遅々としている事に対して焦ったり自己嫌悪に陥る事は迷妄そのもの。自分と他者との比較対照をする事はそれ自体が分離感であり、正しくものを見ていない意識状態にある。他者が進歩すれば自分の進歩である事を喜び、遅れている人がいれば自分の進歩の為にその人に仕える事。個人の意識状態を気にすることは自我の動きであり、普遍意識は全体の進歩の為にただ愛を表現するだけ。

    学習の価値はあくまで個々が現時点からどれだけ進歩したかに置くこと。他人との比較は何の意味もない。

    子供に接する際、まず大人自身が愛によって生きること。

    悟った人は殆どの場合、教義や組織を造ろうとはしない。

    地上での役割を遂行する上で本当に必要な物は自然に供給される。

    知る者は言わず、言う者は知らず。

    自分の信じていることを相手に認めさせたいという欲望が自我意識に働くと、バイブレーションが下がって論理的な話をしているのに実際は感情レベルの対立になり、議論は不毛になる。

    普遍意識をどれだけ顕現したかということがそのまま仕事の大きさに繋がるが、普遍意識では個々の魂の役割分担を明確に自覚しており、総てが自分であれば自慢する相手はいないので、自分の仕事を他人に公言しない為、より実相レベルで大きな仕事をしている人ほど世の中の表には出ない。

    何かに抵抗しているということは、まだ自分の心の中に囚われているものや許していないものがあるからであり、自由ではない未熟な心の状態を現している。

    成仏というのは普遍意識が自覚に至るという意味であり、それはみずから為すものであり、他者が人を解脱させることはできない。

    喜びの湧き出る泉で在ろう。

  • 構想2年、執筆13年余り、さらに二度目となる増補改訂を経て完成された大作です。
    上巻から続く更に深い内容が‥読み応えバッチリです♪

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