- Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
- / ISBN・EAN: 9784884749309
感想・レビュー・書評
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「死は怖い、だけどタブーにしてはいけない。だからボクたちは生きる」
終末期医療の現場で死と向き合う著者が語る「生きる意味」
実際のエピソードにリアリティを感じて、自己投影してみたり、心情に思いを馳せたりと、心に深くしみる。
美談では終わらせていない、死生観。
ふさぎ込んだ時、つらい現実にぶつかった時、
何より、「生きている意味は?」とか「死ぬのが怖い」と思ったら、手に取って読んでみるといい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
実は
昨日、じーちゃんが息を引き取りました。
その前からこれを読んでいて、死にゆく人と、これから生きていく人。
生きていくには、何が必要なのか。
死にゆく人にしてあげられることはないのか。
と、読みながら考えてました。
本の中で、死にゆく人を必死に生に縛り付けてはいかん。苦しむだけだし、身体がすでに抵抗しているのだから、いつまでも無理やり生かすのではなく、心と身体を添わせて、そーっと見送る。
そして、死にゆく人のバトンをしっかり受け止めてあげることが、これからも生きていく人の役目。
と、読んで。
じーちゃんからもらったバトン、ずーっと受け取りたくないって思ってたけど。亡くなる数日前からしっかり受け止めてあげられたのかな。と、思いました。 -
「ありがとう」
本当に良い言葉です。
<以下、備忘録>
人生において遭遇するそれぞれの状況は、人に与えられた試練であり、解決すべき問題を提起しているのだ。そう考えると、人生の意味な何かという問いかけは、実は逆なのではないだろうか。結局のところ、人生の意味など問うべきではなく、自分自身がそれを問われているのだということに気がつくべきでだ。つまり一人ひとりが、人生からその意味を問われているのであり、自分自身の人生のすべてを引き受ける、つまり責任なる生き方をすることによってのみ、それに答えることができるのだ。
死はバトンタッチの時
自らの終わりを悟らなければ、バトンを渡そうとすることはできません。また見送る側も「逝ってしまう」「いなくなってしまう」と自ら離れていってしまうというふうに捉え、「私に思いを託していった」「心の中にいつまでも生き続ける」、そう捉えにくくなっています。そうすると、やりきれない感じも強く残るでしょう。
残り週単位における終末期医療
人はなにもしないで待つということが苦手です。座して死を待つよりは...と行動に出ます。そこで何らかの医療行為をするのは理解を得やすいです。しかし人の体は厳しい状況にあっても、それをやりくりしようと限界まで頑張っています。そこのバランスを医療行為をすることで崩してしまいます。何もしないで待つことが苦手なことの弊害が、こういうところに出てしまうのです。 -
◆内容
死を通して生きることについて考える一冊です。
<目次>
第一章 自分が死ぬと思ったことはありますか?
第二章 こんな時はまだ死ぬ時ではない
第三章 どうやって死を学ぶべきなのか
第四章 死ぬことから生きることを考える
◆著者
大津秀一 (東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンター)
◆東邦所蔵
https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB00261024 -
緩和医療医である著者が千人以上の死を通じて感じたこと、生きることのありがたさ、命を全うすることの大切さを説く。読者として生きることに疲れている人、希望を持てない人を対象にしている節があるが、万人うけする内容。
所々本を閉じて考えさせられる点もあり、内容は簡単だが奥が深い。
以下、個人的なメモ。
・幼い子供を残した死んだサラリーマンの話。
・その果てにたどり着いたのは、自分が生かされているという思いだったのでしょう。
・浅はかだなと思うのは、いつか、人は死ぬということです。いがみ合っている余裕はない。
・人生の意味を問うのではなく、人生に問われている。
・「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか?」
「家に帰って家族を愛してるあげてください。」by マザーテレサ
・山岡鉄舟と勝海舟。
勝「いよいよご臨終と聞き及んだが、ご感慨はいかがかな。」
山「現世での用事が済んだので、お先に参ることにいたす。」
勝「さようか、ならば心静かに参られよ。」 -
なんかイマイチ。中途半端な気がする。
観念的、概念的な部分が多く、もっと具体的な部分が欲しかった。
シリーズ化しているようなので、もしかしたら他の著作は、もっと具体的であるのかもしれない。
帯には10代を対象にしているかのように書かれているし、実際に文字は大きく、行間は広く(笑)、文体も平易だ。
だが、書かれている内容は、抽象的だし、ノンフィクションというよりも宗教・哲学の域に到達している。せっかくなので、もっと噛み砕いて述べて欲しかった。
「ブックトーク用に」と購入したが、使えない。
というのが率直な感想。