- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784885880889
作品紹介・あらすじ
「わたしの本職は画家です」——現代イタリア文学の鬼才ブッツァーティが、ペンと絵筆で紡ぎ出す、奇妙で妖しい物語世界。——絵画にテクストを添えた「絵物語」54作品に、掌編「身分証明書」とエッセイ「ある誤解」を収録した絵画作品集。解説・年譜も掲載。
わたしにとって絵を描くことは、趣味ではなく、本職である。書くことのほうが、わたしにとっては趣味なのである。だが、描くことと書くことは、詰まるところ、わたしには同じことだ。絵を描くのも、文章を書くのも、同じ目的を追求しているのだから。それは物語を語るということだ。——本書「ある誤解」より
感想・レビュー・書評
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作家として知られるブッツァーティの画集。空想、恐怖などがテーマなので不思議な絵がたくさん掲載されていて面白い。ブッツァーティにとって、文章も絵画もどちらも重要な表現と考え取り組んできたにも関わらず、絵画のほうは趣味としてとらえられていたのが、あまり納得できていなかったよう。
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大好きな小説家のひとりディーノ・ブッツァーティが画家としての側面を持っていたのは知らなかった。ピカソがブッツァーティに語ったという言葉が印象的だ。
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ブッツァーティの絵画作品集。前回読んだ「モレルの谷の奇跡」同様にブッツァーティの独創的な絵に添書きとしてテクストが載っている。これが単なる絵の説明ではなく、この絵の謎解きの鍵になっていたりもするから、何度も絵を見返して自分なりに答えを探してみたりもしながら楽しめました。世間では小説家としての評価の方が高いらしいが「わたしの本職は画家です」と主張するブッツァーティ。実はまだ小説は短編でいくつかしか読んでないので、これを機会に手にとってみたいと思えるほど魅力的なアーティストです。