- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784886224132
感想・レビュー・書評
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中津川の上流にある民営国民宿舎「丹沢ホーム」の創始者による自伝。…といって想像されるものとは全然違う。
戦災孤児や行き場のない引揚者、そのほか寄る辺なき人々の面倒を見て集団生活を行っていたのが「丹沢ホーム」の源流である。
はじめは土浦あたりで開墾をしていたが、地元の顔役に騙されて逃げ出して丹沢山中に居場所を見つけたという。
そういった経緯をはじめ、ホームにいた人々の苦難に満ちた人生を書き記している。いや、その前段階に戦時中に暮らしていた岩手の人々のこともか。その時代の困った境遇に置かれた人々のことがたくさん出てくる。
後半は丹沢から始まって自然保護活動に関わることを書いているが、そちらは比べるとパンチが足りない印象。
いろいろな与党議員が非協力的だったり邪魔されたりしたことを書いていて、そこはちょっと興味深い。名指しされたのは岩本信行とか。環境大臣だった石原慎太郎については暗に非難している(ように読めた)。
なお、私が読んだのは1980年刊行版だが、それはAmazonに書誌がないため(版元がもうないし)、1989年の新版にこのコメントを書いている。
1980年版は前文として城山三郎が書いた「著者の人生ダイジェスト版」が載っていて、読みやすいし要領よくまとまっている。しかし、著者自身が書いた部分のほうが無骨だけどエモーショナルでよいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
故中村牧師の作った丹沢ホームは、今では国民宿舎、マス釣場となっていますが当時の雰囲気を残しています。戦後の混乱を孤児とともに生き、自然保護を提唱したキリスト者の記録。
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