- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887061705
作品紹介・あらすじ
いま、建築という壮大な冒険がはじまる。ポンピドー・センター(1978)からティバウー文化センター(1998)まで20世紀最後の巨人、ピアノ自身が綴る全軌跡。
感想・レビュー・書評
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個人的には、やっぱりRenzo Pianoといえばポンピドゥーセンターではなくて関西国際空港なのです。関空といえば「環境破壊の人工島」だとか、「アジアのハブになりきれない中途半端な存在」とかいろいろと批判されるのだが、幼年期にはじめて見た流線型の覆い屋根の骨格に新宮晋のフライングモビールがはためいている光景を今も強烈に覚えている。
海外に連れらていくことの意味すらよく理解していなかったはずなのに建築体験を覚えているというのは、あの非日常的な構造物に、内心さぞときめいていたのだろう。20年経って手垢がついた感じも否めないが、昨年訪れた際も初見時の鮮烈な建築体験は失われていなかったように思う。
Renzo Pianoは建築家というより、イタリアの昔気質の職人という感じだ。彼のオフィスはその名も「Renzo Piano Building Workshop」つまり「建築工房」。頭よりも手、膨大な量のスタディによって培った経験値でくみ上げていく棟梁といった風情。リチャード・ロジャース、ノーマン・フォスターと並んでハイテク御三家と称されるそのスタイルは、鈍重なコンクリートのインターナショナルモダンを脱し、明るく軽い(ように見える)。
なにより晩年の柔和なポートレートがすごい好きで、「ああ、この人は本当に自分作りたいものを作ってこれたんだな」と感じさせる。本書の前書きは、またこれから何度でも読むことになると思う。こんな爺さんに、僕はなりたい。
https://www.google.co.jp/search?q=renzo+piano&hl=ja&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwiAnILelaDMAhXMnJQKHQhwBGkQ_AUIBygB&biw=1366&bih=645詳細をみるコメント0件をすべて表示