藤森照信の原・現代住宅再見〈3〉

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  • TOTO出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887062726

作品紹介・あらすじ

分析、解析、はたまた饒舌 新旧横断の14戸。現代住宅の源流を見極めるこれぞ、フジモリ流究極の建築・鑑定眼。

感想・レビュー・書評

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    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/48333

  • シリーズ3巻目、は藤森さんの苦手な、でも建築史に残る住宅の紹介。
    正直のところ、珍しいとは思っても、素人目に美しいとは思えない住居が大半。
    フジモリ氏の語りを読み楽しむ本というところです。

  • TOTO通信の連載おまとめ本の第三巻。

    いよいよ最近の住宅が登場して、この連載の全体像がくっきりと現れてくる。やはり三巻イッキ読みするのがお薦め。

    坂本一成の「水無瀬の町屋」、「HOUSE SA」、妹島和世の「梅林の家」、藤本壮介の「T HOUSE」、西沢立衛の「森山邸」がこの1冊にまとまっているところが秀逸。戦後の住宅が現在に至って住まいの原初的なところに届いてきたところが、建築史的な視点からの面白さだ。

  • 1960年代後半以降の若い世代の自閉性小住宅。モダニズム住宅の後にはアナーキーな住宅たちが現れる。

    ○前川國男自邸|前川國男|1942
    ○内田祥哉自宅|内田祥哉|1961
    ◎水無瀬の町家|坂本一成|1970
    道路側の窓をもたない、静かに自閉する住宅。坂本一成に始まり、住吉の長屋、中野本町の家をピークとする自閉化傾向。

    ○アルミの家|伊東豊雄|1971
    ○原広司自邸|原広司|1974
    ◎大和町の家|室伏次郎|1974
    コンクリートの壁による三枚おろしの住宅。階段、居住スペース、ユーティリティ部分と明快につくられている。ロマネスクの身廊、側廊に通じるつくり。一方で、バルサ模型を思わせる壁の開口。「バルサにカッターで穴をあけ、三枚並べて立てるとこの家になる」

    ○坂出市人口土地|大高正人|1986
    ○日本橋の家|岸和郎|1992
    ○箱の家-7|難波和彦|1997
    ○HOUSE SA|坂本一成|1999
    物を主役とした空間。大英博物館、ストックホルム市立図書館は、円形平面をとることで書架が視覚的に無限連続するようになっているが、この住宅のスパイラルの構成も、原型は円。円に垂直方向の動線を加えるとスパイラルとなり、棚は本当に無限に続くことが可能となる。

    ○梅林の家|妹島和世|2003
    壁の視覚遮断効果は開口部面積の大小とは別に壁の厚さにも左右され、実面積が小さい割に狭くは感じられない。茶室の秘密。

    ○ヒアシンスハウス|立原道造|2004
    ◎T house|藤本壮介|2005
    放射状の住空間。バロック的錯視効果。実態から目が認識する空間と、脳がこれまでの経験からつくりあげる奥行きや広がりとのズレ。バロック協会においてこのねじれと動きを強調するのが差し込む光である。

    ○森山邸|西沢立衛|2005

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著者プロフィール

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。現在、工学院大学教授。全国各地で近代建築の調査、研究にあたっている。86年、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足。91年〈神長官守矢史料館〉で建築家としてデビュー。97年には、〈赤瀬川原平邸(ニラ・ハウス)〉で日本芸術大賞、2001年〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会賞を受賞。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『建築探偵の冒険・東京篇』『アール・デコの館』(以上、ちくま文庫)、『天下無双の建築入門』『建築史的モンダイ』(以上、ちくま新書)、『人類と建築の歴史』(ちくまプリマー新書)、『藤森照信建築』(TOTO出版)などがある。

「2019年 『増補版 天下無双の建築学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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