- Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887063525
感想・レビュー・書評
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都市の議論のうち、現在進行形で発展している公共空間の実践に纏わる、建築学的アプローチ。
パリのオースマン、ニューヨーク、シカゴの都市構成遷移を参照し、東京の都市成立過程を相対化した上で、現代の都市フィールドで実戦されている新しいアーバニズムを翻訳し、自作と結びつける建築家らしいマニフェスト。
建築側からすると非常に明快なストーリーでわかりやすい。
エージェントというのは単なる役割であり、建築家という職能も単なる制度の表象であって、建築家と都市という概念が融和しつつあると感じた。
そして、都市空間のイニシアティブを取るエージェントは時代によって変化する。80年代までは、そこに空間という単位を持ち込める建築家が握っていて、そこから現在までのデベロッパーの時代があり、また空間、つまり人間のための建築が主導しているとも取れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
都市形成に影響を与えた主体は各時代や地域によって違うが、東京の場合、細分化された土地にそれぞれ多様なエージェントが存在する。
個々の土地所有者は土地を最大限に有効利用しようとするため周辺への配慮が欠け、無秩序な風景ができていると指摘。
そこで、パブリックとプライベートの間の中間領域に注目して建築デザインを行い、人間のための都市を探求している。
その対象として東京の木密リングに注目している。木密には様々な問題がついて回るが、そこから新たな都市像を描いていることが興味深い -
思想、資本と空間の考察
気になるテーマであった。展示会のマテリアルに基づいてということで軽め。
議論の手がかりかなという感じだが、これからの話は建築の小さいスケールにいくので、ちょっとギャップがあるような気はした。