大学改革その先を読む: 立教大学「大学教育開発・支援センター」連続セミナー講演記録
- 東信堂 (2007年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887137882
作品紹介・あらすじ
大学は何に適応し、どのような価値にこだわるべきか?大学教員・職員、関係者の現場発のメッセージ。
感想・レビュー・書評
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明治以来の大学の歴史を鳥瞰しているようなところがります。明治7年に出来た立教大学で働き、「立教学」
という授業があるからでしょう。聖公会が「学識ある真摯な信徒を持つ」ために開学したという経緯は面白いです。
一方、大学の歴史の中で、帝国大学の開学の目的に「国家の須要ニ応スル学術技芸ヲ教授しその「蘊奥ヲ攻究スル」という表現には改めて、日本の富国強兵のために設置されたことを痛感します。大学職員論があるのに、大学教員論がないのはなぜか?説明には思わずにっこりするくらい、説得力があります。今では大学教員も掃いて捨てるほどおられるからです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学は学生の頃って、どういう経営で大学自体の歴史なんて知ろうとも思わなかった。でも、この書籍によって、学生の立場・教員の立場・職員の立場などの観点から読み解くことができた。まだ読み解くまでいってないと思うが、。大学というより教育に関係する人向けだけど、とても勉強になった。
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編集でかかわっている翻訳本が次回、この出版社(東信堂)から出るため、社長とお話しに行った際、私が高等教育マフィアだということでいただいた本。
立教大学の先生で、立教の取り組みをところどころに含めて書いていて、
著者が「東大を頂点とする知の序列」に対極する位置に、日本における「立教」という私学の位置付けているのが興味深かった。
現在の大学問題の重要テーマを考えるための導入としては、読みやすくていい本だと思う。
私が面白いと思ったのは、日本中の多くの学生が「不本意入学者」であるという指摘。
そして、あるテーマをかんがえるとき、名詞で考えるな、動詞で考えろ、というエピソード。動詞で考えることこそで、オリジナリティを追求することができると。
これは研究を行う上でも重要な視点なのではないかと思いました。