なかなおり

  • 童話屋
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784887470798

作品紹介・あらすじ

けんかや仲たがいはどうして起きるの?ほんとうは、仲よしが好きなのに。アーノルド・ローベルの絵本。

感想・レビュー・書評

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  • シャーロット・ゾロトウの凄いところは、当たり前すぎて気付かない、生きていく上で、つい忘れがちな、大切なことを教えてくれる点にあり、しかも、それに説得力がちゃんとあるところが、また凄い。

    本書では、じゃあじゃあ降りの雨の中、仕事に行くことに不機嫌なパパが、ママに、いってきますのキスを忘れて出掛けたことを発端に、今度はママが不機嫌になって、自分の子供に八つ当たりを・・・といった具合に、不機嫌が次々と伝播していく展開を見ているだけで、「ああ、不機嫌になったり、八つ当たりするのは、もうやめよう」と、つい思ってしまうくらい、話の内容が刺々しくて、痛々しい。

    また、その負の連鎖を断ち切るのが、人間では無いところに、また考えさせられるものがあるが、そこからは一転して、読んでいる私の気分まで明るくなる展開に、自分の雰囲気が周りに影響を及ぼすことの重要さを痛感し・・・私も気をつけます。

  • ご機嫌マネジメントの大切さを分かりやすく伝える、秀逸な絵本。ゾロトウさん、人生で大切なことを物語に昇華する能力が本当に高くて感動。

    これを読んで思い出したのが、仕事における影響力の行使の仕方について悩んで(自分には影響力が足りないと思って)、影響力について勉強しようと思って出会った記事のこと。

    冒頭、「影響力なんて聞くと大変難しいことに思われるかもしれないが、一人一人が周囲に与える影響力は自分で思う以上に大きい。考えてみてほしい、朝、出勤するときに電車の乗り降りですれ違った人と笑顔でお礼を言い合えたときと、すれ違いざまに舌打ちされたときの自分の感情の振れ方を。赤の他人の笑顔一つ、舌打ち一つで気持ちのいい朝になるか、最悪な気分の朝になるか変わる。一人の人間が行使できる影響力は意外と大きいのである。」という趣旨の書き出しから始まって、なるほど確かに!と思ったんだった。(でも残念ながら、そのあとの記事の本丸に何が書いてあったかさっぱり忘れてしまった)

  • じゃあじゃあ降りの暗い雨の朝、パパはママに行ってきますのキスを忘れて出かけてしまう。不機嫌になったママは、起きてきたジョナサンに八つ当たりする。ジョナサンも腹を立て、姉さんのサリーに。サリーは友だちのマージョリーに。マージョリーは弟のエディに。エディは犬のパジーに八つ当たりするが、パジーは遊びたいのでへこたれない。エディは意地悪されたことを忘れ、姉さんに親切にする。そして次々と仲直りできる。(32ページ)
    ※イライラして人に不機嫌を伝染させてしまうことがある。また、相手が不機嫌なのは自分のせいと傷つくこともある。エディみたいに連鎖を断ち切れる存在でありたい。

  • 自分がイライラしている時にこの絵本を思い出したい、
    というだけではなく、人に辛くあたられた時に、相手の苛立ちは自分のせいじゃないと気づかせてくれそうです。
    味のある絵が、癒してくれました。

  • そうやってせんそうもへいわもやってくるんじゃないかと

  • 仲直りの連鎖、いいね。

  • だれかの不機嫌は別のだれかの不機嫌へと人から人へと連鎖する。連鎖を断ち切ってくれたのはペットの犬。その天真爛漫な存在に思わず体も心もほぐれてほころんで。トゲトゲした気持ちもほどけ溶けていく。不機嫌の連鎖を断ち切ってくれる存在のありがたさ。わたしもそうありたい。そして次にやってきたのは楽しくやさしい気持ちの連鎖。すてきな気づきをくれる絵本。

  • 福音館書店の『ねえさんといもうと』が良かった。
    シャーロット・ゾロトウ作をもっとよんでみたくて、アーノルド・ローベル絵のこちらを借りた。

    きょうは、じゃあじゃあぶりの あめ。
    パパは ママに いってきますの キスを わすれてしまいました。
    すると、ママは ふきげんに なって、ジョナサンに やつあたり しました。
    ジョナサンも、ねえさんのサリーに よけいな おせっかいをして……。

    悪い連鎖の典型的な例。
    途中まで不穏ですが、犬がターニングポイントになって、折り返し地点になります。
    自分が理不尽に強い態度を取ってしまったときって、心がちくちくします。
    それが、ぽっと謝ることができたときの安心感は、絵本からよく感じられます。
    人間はめんどくさいけれど、ある意味単純な生き物。
    そしてお父さんが無頓着なあたり、女性作家なんだなと感じます。
    前提として、絵本のなかのお母さんには、やつあたりなんてしてほしくないなぁと思いました。
    絵はいい感じです。

  • ほんとはこんなことがしたかったわけじゃないのに……少しの歪みが大きな歪みになる。

  • 機嫌が悪いと伝染していきます。「ごめんね」で伝染を断ち切って今度はいい気持ちが伝染していく。あなたが断ち切りませんか?

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著者プロフィール

1915-2013年。米国ヴァージニア州生まれ。ウィスコンシン大学卒業。出版社で50年以上にわたり児童図書の編集者として活躍するかたわら、絵本作家として60冊以上の作品を出版。主な絵本に『うさぎさんてつだってほしいの』(冨山房)、『かぜはどこへいくの』(偕成社)、『ねえさんといもうと』(福音館書店)、『あらしのひ』『いつかはきっと』(ほるぷ出版)、『はるになったら』(徳間書店)などがある。

「2018年 『かあさん、だいすき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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