ゴッホ風がはこんだ色彩

  • 西村書店
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  • / ISBN・EAN: 9784890139217

作品紹介・あらすじ

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890年)は、オランダに生まれ、フランスで活躍した画家です。フィンセントが画家を志してオランダからパリにやってきたのは、印象派という新しい絵画の試みがひろがりつつあるころでした。フィンセントの作品は、まぶしい色彩とぐいぐいと力のこもったはげしいタッチが特徴です。今では世界じゅうの人びとに愛されているフィンセントですが、生きているあいだにはまったくみとめられることなく、37才という若さで自らの人生の幕を閉じてしまいました。フィンセントには、テオというなかのよい弟がいて、短い生涯のあいだに、ふたりはたくさんの手紙をやりとりしました。この本は、残された手紙をもとに書かれた物語です。フィンセントの狂おしいまでの絵画に対する情熱がつたわってくるようです。物語に登場する「風」は、フィンセントの内面の声かもしれませんし、芸術の神さまの声かもしれません。

感想・レビュー・書評

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  • キアーラ・ロッサーニ文、オクタヴィア・モナコ絵、結城昌子監訳『ゴッホ:風がはこんだ色彩』(西村書店)
    2010.10.20初版第一刷

    2020.1.26読了
     今では世界中の人々から愛されているが、生きている間はほとんど世間に認められることなく、37歳という若さで自らの人生の幕を閉じてしまったゴッホ。1880年、4歳下の弟テオの支援を受けながら、故郷のオランダで絵を描き始めるが、当初は人々の貧しさや苦しみに塗り潰された土色の絵ばかり描いていた。しかし、1886年、テオのいるパリに出たゴッホは、そこで光と色彩に溢れた絵と出会う。ゴーギャンら若い印象派の画家たちと日々切磋琢磨し合うが、やがて、ささいな口喧嘩が暴力沙汰になることが増え、仲間が集まると決まって騒ぎになるようになった。比例的に増える酒量。1888年2月、ゴッホは、明るい空が広がる、より静かな南仏アルルの村へ旅立つことになる。アルルは明るい太陽が光り輝く黄金の村だった。と同時に、ミストラルと呼ばれる強風が吹き荒れる過酷な自然環境でもあった。彼は新しい色彩を追い求めて、麦畑を歩き回った。
     1888年10月、ゴッホの絵を見て心動かされたゴーギャンは、ゴッホがいる黄色い家で共同生活を始める。しかしながら、絵への情熱に溢れた二人がずっとそばにいられるわけはなく、ゴッホは狂気の沙汰に走る。ゴーギャンが去った後、ゴッホは本と蝋燭が置かれたゴーギャンの肘掛け椅子と、パイプと煙草の乗った自分の質素な椅子を描くが、椅子の主の姿は描かれなかった。1889年5月、サン・レミの療養所に入院しても筆を置かなかったゴッホは、相変わらず吹き続けるミストラルに悩まされ続けた。次第に、彼の眼には、ミストラルはらせんに映るようになった。彼のカンバスは渦だらけになっていった。彼は孤独と苦悩の渦の中枢にいた。1890年5月、ゴッホはテオが住むパリ近くの安旅館に居を構える。そこで、ようやくゴッホの描いた絵が一枚売れるが、もはや何もかも遅すぎた。この頃に描いたガシェ先生の肖像画は、やつれて疲れ果てたゴッホ自身の自画像のようにも見える。1890年7月、ゴッホは「カラスのいる麦畑」を描いて、拳銃自殺を図り、その6か月後、兄を追うように弟テオも亡くなった。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000011015458

  •  ゴッホの伝記絵本。
     ゴッホが4歳下の弟テオにあてた手紙が大量に残っています。本書は,それをもとに構成した伝記です。
     この手紙自体は,別の本で読んでみたいと思います。

     絵本のタッチもなかなかステキです。絵本には「風」が吹いています。文字(絵)通り「風」です。

     訳者の結城昌子さんの言葉を紹介します。

    「この本は,残された手紙をもとに書かれた物語です。フィンセントの狂おしいまでの絵画に対する情熱が伝わってくるようです。物語に登場する「風」は,フィンセントの内面の声かもしれませんし,芸術の神さまの声かもしれません。」
     

  • (2013-05-11)

  • 2011年4月22日

    <VAN GOGH E I COLORI DEL VENTO>

  • 名画をやさしく鑑賞できるかな、と思って購入しました。パラパラ見るだけでも楽しいです。

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著者プロフィール

文*キアーラ・ロッサーニ(Chiara Lossani)
1954年生まれ。長年、子どもや若い読者のための物語や絵本を書き、イタリアの大手出版社から刊行している。なかには外国語に訳され、大きな評判となったものもある。子どもや、子どもの権利を中心に、歴史・社会的テーマをとりあつかった作品も多い。著書に『ゴッホ 風がはこんだ色彩』『イクバル-命をかけて闘った少年の夢』(いずれも西村書店)など。ミラノ近郊のトレッツァーノ・スル・ナヴィーリオ在住。

「2018年 『フェルメール この一瞬の光を永遠に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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