ナチズム: 地獄と神々の黄昏

  • 水声社
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891766856

作品紹介・あらすじ

正面の敵、ナチス。ナチズム・ファシズムはいかにして批判可能なのか?「もはや意識されていないもの」と「まだ意識されていないもの」をキーワードに、ヒトラー政権下の日常を同時代の現場から批判し、瞞着者たちの暴力と野蛮をあばきだした稀有な"思想的実践"。名著『この時代の遺産』に続くブロッホの1930年代論集、本邦初訳。

感想・レビュー・書評

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  • 書きかけ。再読の必要あり。

  •  ローマ法王が数年前、ナチスによるユダヤ人大量虐殺を否定する英国人司教の破門解除決め、ユダヤ教徒ばかりか、ドイツの首相やバチカン内部からも批判を招いた。しかし、元々ローマ教皇庁にしても、イギリスにしても、ヒトラーをソ連に対する「反共の防波堤」として位置づけたいう厳然たる事実があることをこの本は述べている。ソ連にチェコをとられるよりはまだましだと思っていたのだ。

     ナチは経済運営の失敗が招いたバター不足をこう説明した。社会政策が成功し、貧困層がバターを買えるようになったために生産が一時的に追いつかないだけだ。何も心配いらない、と。詭弁だ。しかし当時のドイツ国民は、この小さな嘘を見破れなかったため、その後は、大きな嘘へ一直線。

     放送(当時はラジオ)は、教養のない人々にも短時間で分かりやすく物事を伝えるが、その放送は、人々の判断力を何十年か退化させた、と著者は述べている。

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著者プロフィール

1885~1977年。ドイツのマルクス主義哲学者。全業績によりドイツ書籍商組合の「平和賞」を受賞。著書に「ユートピアの精神」など。

「2013年 『希望の原理 第六巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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