愛の世紀

  • 水声社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891769130

作品紹介・あらすじ

出会い系サイトやプラトンにはじまり、芸術、宗教、政治など、フランス現代思想の領袖が"愛"の諸相を語り尽くす話題の書。難解なバディウ哲学を知るには最適な入門編。

感想・レビュー・書評

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  • 我々は知っている、愛は新たに創造されなければならない。

    ランボーの詩からこの壮大な愛の語りは始まる。ランボーがどのような意図でこの言葉を紡いだのかはさておき、とにかく愛は新たに創造されなければならない。

    バディウは愛を未知の持続に対する欲望とし、美のイデアへむかうものとした。そして愛への諦めは主観性の喪失であると。

    愛を構築するため必要なのは差異だろう。まるでサーカスの空中ブランコのように二人は近付き、離れることを繰り返して抱き締めあうことはできない。二人が「愛している」と伝えあう時、その言葉は全く同じ意味ではないはずだ。

    ペソアが愛をひとつの思考としたのは、愛はあまりに厄介だからだ。言語のために身体で補足し、身体のために言語で補う。愛する者の身体というこの物質的存在を還元できないなにか、彼を越えていて絶対に彼のなかにある何かに向かって思考し、語り続けねばならないのだ。

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著者プロフィール

(Alain Badiou)
1937年、モロッコの首都ラバトで生まれる。1956年にパリ高等師範学校に入学。1960年に哲学の高等教授資格試験に首席で合格。ランスの高校の哲学教師を経て、1966年秋には同じくランスで大学への予備教育のために新設された大学コレージュの哲学の教員に任命される。その後、パリ第八大学教授、高等師範学校哲学科教授などを経て、現在は高等師範学校の名誉教授。1966–1967年度に始まった公開セミネールは、ランス、ヴァンセンヌ実験大学、パリ第八大学、国際哲学コレージュ、パリ高等師範学校、オーベルヴィリエのコミューヌ劇場と場所を変えながら、2017年まで続けられてきた。邦訳された主な著書に、『推移的存在論』(近藤和敬、松井久訳、水声社、2018年)、『哲学宣言』(黒田昭信、遠藤健太訳、藤原書店、2004年)、『聖パウロ――普遍主義の基礎』(長原豊、松本潤一郎訳、河出書房新社、2004年)、『ドゥルーズ――存在の喧騒』(鈴木創士訳、河出書房新社、1998年)などがある。

「2019年 『ラカン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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