- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784891941246
作品紹介・あらすじ
「見ること」とは何か。「見られること」とは何か。英国BBC-TV放送番組「Ways of Seeing」を出版化した本書は、欧米各国で名著として高い評価を受け、1972年の初版から今日までベストセラーを続けています。著者のジョン・バージャーはケネス・クラークに次ぐ評論家として、美術批評の新しい地平を拓く唯一のパイオニアでもあります。神秘化された美術史的視点を解体し、やさしく美術の見方を解説した本書は、私たちのための拓かれた新しい美術入門書といえましょう。
感想・レビュー・書評
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素晴らしい
なんでこれを今日まで読んでなかったのか!
悔やまれる
サーって視野が開ける!
翻訳者の足したテキストが蛇足
バージャーの新しさやユニークさにくらべて、極めてオーソドックスな内容
最後のところ、まとめでバージャーに追いつこうとしてやたら気負ってる
大声にしても中身は変わらないよ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かつて受けた講義のネタ本と思われる。知るものを見るとかそのまんまじゃんっておもったけど、見ることはそれ以上にたくさんのことを見ている。
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人は意識的に排除しないと、与えられたイメージのとおり事物をみてしまう、という点は奇しくも、先の一冊、驚異の仮説と主張を同じくする(Facebookから来てくれた方は、白いケープの大男を見ませんでしたか?)。
過去の芸術に対する批判は、それだけで見るものに屈折した神格化を与えてしまい、その背景や作者の主張を奪ってしまい得る。
セザンヌという画家の立場をして「世界の生命の一瞬が過ぎ去る!その現実性の中で絵を描くこと、そしてそのためにすべてを忘れること!その一瞬そのものになること!我われの今見ているイメージを与えたまえ!」という祈りは、これを裏付けるだろう。
そして十九世紀前半に写真があらわれ、イメージは物質的な所有の代替へと変化していく。 -
今日の表象文化論におけいてなお最大の主題である「イメージ」、そしてこの「イメージ」に対する「見ること(ways of seeing)」との持つ「政治性」を扱っている。
「見ること」とは選択的であり、見られたものとの関係性を規定する行為であるということが、バージャーの掲げるテーゼである。
そして、デカルト的自己同一性に規定された個人の行う「見ること」の、「見られたもの」に対して持つ関係性とはつまり、「イメージ」の専有の欲望、「所有する」ことへの欲望の表出に他ならない。
本書が鋭く告発するものは多岐にわたる。
あらゆる「オブジェ」で満たされた静物画はその溢れんばかりの対象への所有欲の表れであり、「「男性」という「主体」により欲望される「オブジェ」としての「女性」の「客体化」という視線の政治性であり、現代高度消費社会における原動力である、底なしの欲望増幅装置としての「イメージ」の営為、つまり「広告」というのもたらす疎外である。
この著作の文章は平明、かつ論点もラディカルで非常に理解しやすい、また伊藤俊治氏の解説も歴史的記述/分析を含み、理解を深めるための大きな助けとなっている。 -
広告なくしては資本主義は生きのびることができない、という意味で、広告は資本主義文化の生命である。