戦国ぼっち attack of the Hojo army(桜ノ杜ぶんこ)

著者 :
制作 : 一二三書房 
  • 一二三書房
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本棚登録 : 27
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891991487

作品紹介・あらすじ

戦国時代をこよなく愛する高校生・高杉一郎太。周りから「歴ヲタ」と呼ばれる彼は正しく"ぼっち"であった!休日"ぼっち"な彼がただ一人、群馬県北部の城趾を散策していると突然光に包まれてしまう。気がつくとそこは戦国時代-それも北条の大軍が押し寄せる"チンケな山城"だった。困難な篭城戦に加え、味方軍師の暗殺事件など…次々と起こる絶対絶命な事件。裏切り者はダレ?"ぼっち"は押し寄せる北条軍から美女たちとチンケな城を守れるのか。

感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代へのタイムスリップに始まり、ハーレム要素、殺人事件の推理、料理とごった煮感の強い内容なんだけど、終わってみればそれを面白いと感じてしまう程度にはスピード感有る展開ばかりが続く。
    十数倍の敵に囲まれての籠城戦というだけでも絶望的な状況で、城内に潜んだ裏切り者が起こす危機的事態をどうやって打開するのかワクワクしながら読むことが出来た

    舞台となるのは戦国時代なんだけど、有名武将が登場せず、ほぼフィクションのような存在の九尾山城を治める海野家がメインとなる点も特徴的。真田幸村の名前は何度も出るけれど、結局第一巻では登場しなかったからなぁ
    有名武将が登場しないことにより、援軍を期待するよりも城内の者だけで事態をなんとかしなければならないという緊迫感が否応なしに増している

    ただ、残念な部分が多かったのも事実。主人公が歴史関係の知識はそれなりに持っているが本当に只の高校生であるため、戦闘時は運や仲間の助けが必要になり、そもそも九尾山城の面々に仲間と認めてもらうまで何度もご都合的勘違いがあったのはちとキツイかも。
    又、女性陣が主人公に惹かれる理由が希薄で、メインヒロインの麗以外との交流描写も少なかったのはちょっと物足りない。

    第一巻時点ではごった煮要素により良い部分も悪い部分も目立ってしまっている印象を受けた。

  • 色々ツッコみだしたらキリがないけれど(笑)、単純に「面白い」と思えたのでアリ。
    内容的に新鮮味はまぁ無いし、これでもかとばかりにご都合主義な展開、タイトルに反して主人公の「ぼっち」っぷりはまるで発揮されないし。
    しかし一方で、あとがきにもあった通り娯楽に徹した感じは良く出ていて、イラストの美麗さとこれだけで割と許せちゃう(笑)。
    まさに海外アクション映画の如くに「細けえこたぁいいんだよ!」とばかりに(実際には細かい点にも結構気を遣っている感じも)明快なエンタメとして読めば良いのでは、と思った次第。

  • 歴史マニアな高校生の少年が戦国時代にタイムスリップするという、よくあるお話。
    昨今、流行の姫武将何かは出てこない。
    まだ途中までだが、なんだかチグハグな作品だなあと思う。
    文体的には本格歴史小説っぽいのに、登場する少女キャラだけはラノベ風の緊張感のない萌えキャラになっていたり。
    合戦中になぜか推理ものっぽい流れになったり。
    やりたいことを詰め込み過ぎたのか、一貫性がないのか。
    シリアスなのか、コメディなのか、リアルなのか、萌えなのか、どうもその辺りがはっきりせず、フワフワしている。
    進む方向、ジャンルが曖昧で、印象的にはチグハグな話になっているなぁって感じだ。

    読了。
    時代小説にしては緊張感が足りない。
    萌えラノベとしては重厚すぎて面倒くさい。
    推理小説としてはご都合主義が過ぎる。
    何もかも中途半端で、長所がない。
    ただ、その極めて中途半端なさじ加減に読み手がぴったりはまるなら、意外と楽しめるのかもしれない。
    感性が近ければ楽しめる、なんて当たり前のことかもしれないけれど。

    俺的に一番不満なのは、主人公の活躍がぱっとしないところだな。
    主人公キャラの魅力も薄い。
    体力があるわけでもなく。
    決断力があるわけでもなく。
    智謀に長けるわけでもなく。
    歴史知識を生かすでもなく。
    ただただ、状況に流されるだけの主人公。
    すべてを運のよさだけで切り抜けている、何の個性も見出せない普通の少年。
    なのになぜか、出会う少女はことごとく一目ぼれするという。(笑)

    魅力のない主人公に理由なく惚れる♀キャラも、同様に魅力がない。

    この主人公の目立つところといえば、類稀なる幸運と、無根拠な女運、あとは何度殺されかけてもあっさり立ち直る、というか忘れる精神的な図太さくらいか。
    鋼のように強靭な精神力を持つ、というわけではなく、単に生命の危機に対して鈍感なだけって印象なんだけどね。
    ホント、どこに長所があるのこの主人公?

    某レビューサイトには戦国と推理とラブコメがマッチしている、なんて評価もあるわけだけど、個人的にはとてもそうは思えなかった。
    それぞれがめっちゃ喧嘩して、浮いた話になっている。
    登場する男の武将は戦国風のお堅いキャラなのに、女の子達だけキャッピキャピの萌えラノベ仕様。
    250人対8000人の絶望的な篭城戦だというのに、欠片も見えてこない絶望感。
    わずか3日で本丸まで攻め落とされんというような短期決戦の中、のんきに進められる推理ごっこ。
    犯人が決まるとたん、まるで江戸川コナンに追い詰められた犯人よろしく、すべてを解説し始める笑止千万な裏切り者。
    はっきり言って、むちゃくちゃです。
    たとえるなら、ご飯で作られた土台にチョコレートと生クリームとフルーツを並べ、最後にバジルとベーコンチップをあしらったような謎料理。
    この奇天烈な味わいが楽しめる人にしか、この作品のよさはわからないのではないかと思われる。

    もうちょっと、一本筋の通った味付けなら楽しめたと思うんだけどね。
    戦国風なら戦国風で、登場する女の子達も戦国風のキャラにして欲しかったなぁ。

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著者プロフィール

京都市生まれ。立命館大学法学部卒業後、読売新聞大阪本社記者を経て、フリージャーナリストとして独立。1998年に無料紙媒体では国内初となる家庭用コンピューターゲーム専門の総合情報紙「GAMEゆーゆー(現ジャパニメイト)」を創刊し、2013年まで発行人兼編集長を務めた。 同年、歴史読本「乙女のための名将言行録」で作家デビュー。主な著書に、歴史ファンタジー「戦国ぼっち」シリーズなど。

「2020年 『げえむの王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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