幸せの尺度: 「サステナブル日本3.0」をめざして (麗澤大学経済学会叢書)

著者 :
  • 麗澤大学出版会
4.00
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 6
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892056062

作品紹介・あらすじ

「3.11」が教える日本のこれからは、将来世代の幸福感・満足度を確保する「サステナブル日本3.0」へのパラダイム・シフトである。それは、著者長年の「持続可能な社会厚生指標HSM(人間満足度尺度)」の多角的研究によるバージョンアップから生まれた結論と同じであった。「幸福立国」を求めて-新サステイナブル日本論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ブータンについて
    ブータンの人口68万人。(*国内最少県は鳥取の57万人。2位は島根の70万人。)
    ブータンに野良犬はいない。犬は皆で餌をやり世話をする。教育と医療は無料。

    互助、互恵、知足、小欲、平和、平等、富の公平分配などが全世代の中で浸透している。

    社会のソフトウェアであるディグラム・ナムジャ精神とは、家庭、学校、職場で家族の絆、人と人との絆を大切にし、それでコミュニティの活力を高め、社会が繁栄できるようにしようとするもの。

    特に大家族のネットワークを大切にするので、三世帯家族が多い。これが最も持続可能な社会のセーフティネットになっており、単に福祉制度だけでは守れない、人々の心の調和、絆となっている。

    持続可能な発展の様々な定義
    世代間搾取の禁止、、、将来世代が自らの欲求を充足する能力を損なうことなしに、現在世代の欲求を満たすような発展。

    ヒックスの持続可能な所得、、、金利以上の支出をしない。

    ハーマンデイリーの定義、、、、土壌、水、森林、魚など「再生可能な資源」は再生速度を超えてはならない。化石燃料、良質鉱石、化石水等の再生不可能な資源の利用速度は、再生可能な資源を持続可能なベースで代用できる程度を超えてはならない。汚染物質の排出速度は環境が無害化できる速度を超えてはならない。

    トリプルボトムラインの帳尻を合わせる、、、環境、経済、社会のシステムの3者間相互作用


    GDPを修正補完する指標
    1972年 MEW (Measures of economic welfare)
    余暇や家事労働の生産性を導入、都市化による生活満足度の減少分を調整した。

    1973年 NNW (Net national welfare)
    環境維持経費、環境汚染、都市化に伴う損失を減算した。

    1989年 ISEW (Index of sustainable economic welfare)
    地球環境の持続可能性に特化した。

    1990年 HDI (Human development index)
    平均寿命+教育指数(識字率、就学率)+PPPベース一人当たりGDP/3

    1993年 SEEA (Integrated system of environmental and economic accounting)
    GDPに環境勘定を織り込んだもの。

    1990年代末 GPI(Genuine progress indicator)
    ISEWの進化形。

    2000 HSM (Human satisfaction measure)
    社会4、環境1、経済1のトリプルボトムラインから評価したもの。
    社会は失業率、乳児死亡率、初等教育の就学率、女性の4年制大学進学率を見て、
    環境はエコロジカルフットプリント、経済はジニ係数で測る。

    2006年 HPI (Happy planet index)
    生活満足度×平均寿命/エコロジカルフットプリント

    2008年 GNH (Gross national happiness)
    9つの指標(時間の使い方とバランス、良き統治、人々の健康、文化の多様性、地域の活力、生活水準・所得、精神面の幸福、環境の多様性と活力、教育)から評価する。

    2011年 Better life index
    11の指標(住宅、収入、雇用、コミュニティ、教育、環境、ガバナンス、健康、生活満足度、安全、ワークライフバランス)から評価する。


    エコロジカルフットプリントとは、そこの人間集団が自らを養い、その廃棄物を吸収する為に必要な生態的容量を土地面積と水域面積に換算するもので、6分野(CO2排出量、作付面積、牧草地、森林、漁場、住宅やインフラに必要な土地)の値を出したもの。


    持続可能な発展のキーワード
    社会分野
    CSRの貫徹、社会的企業(BOPビジネス、フェアトレード、国連のミレニアム開発目標の達成)、Cause related marketing、エシカル消費、シェア、エンゲージメント、つながる、絆、ソーシャルメディア、トリプルメディア(ソーシャル、オウンド、ペイド)

    環境分野
    カーボンフットプリント、カーボンオフセット、LOHAS型消費、ローカルアジェンダ21http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=2726、オーガニック、Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごへ)

    経済分野
    寄付(クリック募金等)、1% for the Planet、経団連1%クラブ、SRI(社会的責任投資)ファンド


    フランスの少子化対策
    ユニオンリーブル
    事実婚であっても生まれた子供は平等に保障を与える制度。これにより、合計特殊出生率を2.0に戻した。

全1件中 1 - 1件を表示

大橋照枝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×