英文をいかに読むか

著者 :
  • 文建書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784892490040

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  • 英文解釈系学習書のレジェンド。
    僕の手元にあるのは、平成22年第67刷。かすれた活字から古き良き(?)教養主義の香りが漂ってくる。

    さすがに古いだけあって難易度順に英文を並べるとかいったサービスはないし、構文解析の手法は今の方が洗練されているのではないかとも思う。
    引用部分がぶつ切りにすぎるうらみもあって、リード文を読んでも、すんなり入っていけないこともしばしば。

    ただ、モーム、ディケンズ、オーウェルにラッセルと、英文のクオリティは間違いない。
    だから、それなりの覚悟のもと、辞書を引きまくり、品詞分解を試み、頭をフル回転してコンテクストを読み、それでも足りなければ、簡にして要を得た注釈を涙目でチラ見してから英文に戻り、行きつ戻りつしながらまた考える。考えて考えて、ふと辻褄の合う解釈が浮かび、訳文をさっと読んでみる。論理に矛盾がなく、概ね合っていれば、それでよし。余裕があれば、翻訳の妙技を味わってみる。
    ”スキミング・スキャニングで情報を取りに行く”ようなただ長いだけのつまらない英文では、ここまでやる気にはなれない。

    それにしても、昔の高校生は、語彙力、文法・語法力、論理力に背景知識を総動員するような、こんなレベルの英文解釈をやっていたのかと驚いた。

  • 受験英語は、いかに内容を理解するかに絞りました。
    英文をいかに読んでも、内容が知らないことであれば、単語ひとつがわからないだけで内容が分かりません。
    それに対して、内容を知っていれば、単語や熟語を5個や10個知らなくても、文意が分かります。

    必要なのは英文をいかに読むかではなく、内容をいかに読むか。
    表題は、「英文の内容をいかに読むか」にして欲しい。

  • 6/4

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著者プロフィール

朱牟田夏雄(しゅむた なつお)
日本の英文学者。東京大学名誉教授。18世紀英国文学を中心に精力的に翻訳を行い、1967年、ローレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ』の翻訳で読売文学賞受賞、1978年、ジョージ・メレディスの『エゴイスト』の訳業で日本翻訳文化賞を受賞した。サマセット・モームの研究紹介にも、中野好夫と共に大きな役割を果たした。

「2019年 『英文をいかに読むか〈新装復刊〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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