- Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
- / ISBN・EAN: 9784892956942
感想・レビュー・書評
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「南極犬物語」
20世紀(1900年代)のはじめ、氷山の浮かぶ地球の一番南にある南極は探検の舞台でした。
この南極犬物語の主役は放送中の南極大陸と同様に南極大陸に上陸する隊員達と犬達です。表紙の犬達の柔らかさからすんなり物語に入ることができ、子供達は勿論大人達、いや大人達の方が彼ら犬達の運命や凄さ、優しさ、逞しさ、ありがたさを感じることができるかもしれないと感じます。物語は3匹の犬達が若者に買われるシーンからスタートします。それが現在日本の歴史に残るあの南極大陸探検に繋がる第一歩だったわけです。
私は今回この本を読んで、改めて南極大陸上陸におおきく貢献した犬達の名前と姿を確認しました。そして思いました、やはり犬達がいなければ本当に南極を人間が探索することなど無理だったのだろうと・・・。
また、南極大陸を探索するだけで実際に犬達に犠牲が出ています。実際は防げたであろう犠牲も含まれています。それを知ると犬達にありがとうよりも犠牲にしてしまって・・・という感情があふれてきました。勿論探索や新しいものを発見することにはリスクは付き物ですが、やはり生き物とともに何かを発見したり行動する難しさを感じずにはいれませんでした。
しかし、同時に喜びにも出会えるのが生き物との交流です。この探検ではシロ子が子供を産みます。その嬉しい誕生は実は悲しい犠牲の次に起きているんですが、そこの展開を読むと「犠牲もあり誕生もある。それが生き物だ」と思いました。以上南極探検には犬達がとても貢献していたことを再度確認出来ました。隊員達もきっと犬達にたくさん助けられたと思います。
しかし、物語の最後の展開は分かっていたとしても悲しいものです。この部分を読むと、やはり犬達に「ありがとう」よりも「ごめん」という感情が多く出てしまいます。苦渋の決断だとしてもやはりともに命をかけて南極に挑んだことにはかわりがないですから。勿論、その苦渋が苦渋の中の苦渋であることは百も承知です。だからこそ、現在を生きている私達に出来ることはこの南極大陸探検に犬達もいたということを忘れないということだと思います。
そうすることで何十匹といた犬達へのありがとうになると思います。そして、最後にこれには触れないといけませんね。そうです、タロ、ジロです。本当に凄いことです。何といっていいかわかりませんが、とても印象に残っています。
大人も子供も読んでほしい一冊。読みやすい童話風なのでお勧めです。これを読んでからより本格的な南極大陸ものを読むのもいいかも知れません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
南極観測のために集められた、カラフト犬たちの過酷な運命。
TVドラマが放映されて、再び脚光をあびていますね。
東京タワーの足元に、彼らのモニュメントがあるなんて知りませんでした。
ぜひ会いに行ってみたいです。