- Amazon.co.jp ・本 (39ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893259417
作品紹介・あらすじ
ぼくは、ボイ。パパとママの3人でくらしている。でも、ぼくとママはいつもパパのきげんを気にしている。ある日のこと、パパのようすがおかしい。ママはぼくに「しずかにするのよ」って言う。パパどうしちゃったの。ぼくがなにかしたの?パパ怒ってるの?ドメスティックバイオレンスを子どもの視点からとらえたノルウェーの絵本。
感想・レビュー・書評
-
ショッキングな内容だけど、こういう絵本があることで助けてもらえる子どもがいるかもしれないよね。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
●ノルウェー文化省・教会省「児童文学賞」受賞作品
ぼくはボイ。パパとママの3人で暮らしている。
でも、ぼくとママはいつもパパの機嫌を気にしている。
ある日のこと、パパの様子がおかしい。
ママはぼくに「静かにするのよ」って言う。パパどうしちゃったの。
ぼくが何かしたの? パパ怒っているの?
「怒ってなんかいないぞ」とげとげした声でパパが言う。
パパのなかの「怒り鬼」が大きくなって、パパはもうパパじゃなくなる。
そしてとうとう、ぼくを守ろうと立ちはだかるママに
「怒り鬼」はどんどん近づいて……。
〈話すことで、外の世界への扉が開く物語〉
パパが暴力をふるうのは「自分が悪い子だから」と考え、
家の事はしゃべってはいけないと辛抱していたボイでしたが、
ある日、「誰かに話してごらん」と風や木や小鳥たちにはげまされ、
王様に手紙を書くことで、物語は大きく展開していきます。
この作品は、「悪いのは暴力をふるう大人のほう」というメッセージを伝えるとともに、
DVに対しては、周りが早く気づいてあげること、
がまんしないで助けを求めてもいいこと、そして暴力をふるう当事者自身が
かわる努力をしなければならないことを訴えかけています。
原作は、2009年に映画化(日本公開タイトル「アングリーマン」)され、
広島国際アニメーションフェスティバルでグランプリを獲得したのをはじめ、
世界各国で高い評価を受けています。
(出版社紹介より) -
DVを目撃した子の心の中を描いた絵本。DV家庭で育った子への深刻な影響は、はかりしれない。子どもたちが健全に育つ健全な社会になるためには、家庭内の心地悪さを、外部の信頼できる人に恐れず相談する必要がある。また、相談された人がきちんと話を受け止め、適切な対応をとらなければ、事態は更に悪化する。DVについての正しく深い理解が広まることを、願ってやまない。
-
当事者が理解できるかな?
大人やDV被害を受けていない人には
心理学的な面や複雑な感情が
よく表現されていて
場面場面が描写出来る。
ただ、子供目線で読むと
間接的過ぎて まわりくどくて
僕も相談してみよっとは思えないのではと。
DVを客観的に見るには良い。
私は胸が苦しくなってしまった。
張り詰めた空気感までとても良く分かる。
最後にパパが更正して
パッピーエンドで終わるのも
日本には合っていない。
そんな簡単に更正しないし
逆に変な夢を見させてしまい逆効果でおそろしい。 -
家庭内DVの中にある子どもの混乱した気持ちがよく表されている。
-
子どもの視点で描かれたDVに関する絵本です。独特の絵や色づかいですが、展示していると、自然と生徒が手に取って読んでいます。分厚い本は苦手という生徒でも、外から見えにくい暴力について知る・考えるきっかけになる絵本かな、と思っています。
[NDC] 367.3
[情報入手先]
[テーマ] 令和3年度備前地区司書部会(12月)/高校図書館に入れたい絵本(備前R3-12月) -
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→
https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11228534 -
グロー ダーレ(著), スヴァイン ニーフース (イラスト), 大島 かおり (翻訳), 青木 順子 (翻訳)
-
普段はやさしいパパなのに、ママへの激しい暴力が始まる。。。 DV、大人には大人の事情があるように、こどもにもこどもの事情がある。家庭のことだから、外からはほんとの意味で、理解できないと思う。いや、わかるはずがない。だから、わかろうと努力するんだ。
迫力のある絵本で、読み聞かせるには、勇気がいる。実際、まだ読み聞かせは出来ていない。大人であるぼくが、まずきちんと読みたい。
なにが心を壊すのか?
もう少し、もう少しだけ、
この心の機微を知ったら、
ぼくは、すべて流す
怯えるこども、大人たち
ぼくは、これからここへ挑むことになる
そのために、心を理解しなければ、
自身が体感しなければ、いけない。
不安、叫び、絶望、
凄まじいものだな。と思う。