ファイアーエムブレム聖戦の系譜 シグルド編 下 (ファミ通ゲーム文庫 す 4-5)

著者 :
  • アスキー
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893666567

作品紹介・あらすじ

イザーク国のダーナ侵攻に端を発した動乱は、ユグドラル大陸全土にまたがる戦乱へと拡大した。ヴェルダン王国に連れ去られたエーディンを救い、精霊の森の巫女ディアドラと結ばれたシグルドは、さらなる戦いへと追われ、その背後にうごめく暗黒教ロプト教団の陰謀を知る。次第に明らかになる戦乱の本質。大いなる悲劇に向けて、物語は急転する。

感想・レビュー・書評

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  • FE聖戦の系譜・シグルド編のノベライズ。ゲーム史に残る名シーンの数々が描かれる。そして運命の扉が……。

    初めて聖戦の系譜というゲームをプレイしたときは、前半部分のラストで度肝を抜かれたものだ。「任天堂でこれやっていいの!?」と思わず叫んでしまった(しかも深夜だったのにw)。下巻である本書ではもちろんそこまできっちり書かれている。ゲーム以上に詳細な描写がなされており、あのシーンの残酷さがさらにリアルに迫ってくる。セリス編のあとがきで作者は、ゲームのノベライズは本来なら若いライターにおまかせすべきなのだろう、と書いているが、こういった戦場での愛憎や戦いの描写などは、鈴木銀一郎節の文章が活きていて、担当していただいてよかったなと思う。

    本書は前半の方が後から分量を2倍にして発売されるという珍しい形になっているものの、聖戦の系譜の場合は、むしろあのシーンがピーク、まであるので、セリス編から書き始めてシグルド編のラストで書き終わる、というのはそれはそれでありかもしれない。自分も今回はその順で読んだ。この順で本ノベライズを読んでいくと、特にアルヴィスの内面がよくわかるので、ゲームで初見のときは悪役でしかなかった彼の想いが、あのシーンの切なさを倍増させるのだ。

    人間関係のドラマが複雑かつ濃厚に描かれている聖戦の系譜。下巻では特にクロード、シルヴィア、ベオウルフに独自の肉付けがされているのが特徴だ。ベオウルフがラケシスに迫るあたりなどは、(ゲームで別の組み合わせを選びたい人には不満かもしれないけれど)男女間の微妙な心理が見て取れて面白かった。

    なにぶん古い本ではあるので、現在では入手難易度が高くなってしまった。しかし今でも本ゲームをプレイする際には手元に置いて読み返したい本だ。ユグドラル大陸のマップ、美麗イラストのキャラ紹介、十二聖戦士の系譜図などが収録されており、眺めているだけでも楽しい。聖戦の系譜がますます好きになる作品といえる。いずれリメイクが来たときには(来ると信じているw)再注目される可能性もあるので、気になる人は今のうちにチェックしてみては?

    それにしても、鈴木銀一郎先生にはもっと小説を書いていただきたかったなぁ……。

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