遺言のつもりで: 伊都子一生語り下ろし

著者 :
  • 藤原書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894344976

感想・レビュー・書評

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  • 著者のことは全く知らなかったが、新聞紙面で本作を知り手に取ってみた。
    戦争当時の市民の気持ちがよく分かり、印象的だった。
    中でも、著者の婚約者が戦争に行くときに「天皇陛下のために死ぬのは嫌だ」というようなことを言ったというのが印象的だった。
    当時、言葉にしてそのようなことを言うのは大変勇気のいることだっただろう。
    しかしその発言に対して当時、著者は深い考えに至らず、婚約者の苦しい胸の内を理解できず、後年になってそのことをとても悔いている。
    自分が彼を死なせてしまったと後悔の念を抱き続けている。
    それもまた印象的だった。
    戦争は、若く優秀な若者を奪った。
    また、戦争だけでなく、病気で若くして亡くなる人も多かったということに改めて気付かされた。
    現在は、戦争もなく、不治の病で早世することも珍しくなったが、当時は短命な人が多かったことを思うと、大切に生きていかなければと思った。
    その思いを忘れないようにしたい。

    著者の交友関係がとても素敵だった。
    本人の人柄によるものが大きいと思うが、素晴らしい人々に囲まれていたと思うと羨ましい。
    私も彼女のような豊かな人間関係を作れるようになりたい。

  • 3年前99歳で死去した母が生前「古都ひとり」など岡部伊都子さんの著書をよく読んでいた記憶があります。随筆家岡部伊都子さん(1923.3.6~2008.4.29)の作品、開架棚でなにげなく目に入り借りてみました。「遺言のつもりで(伊都子一生語り下ろし)」、2006.1発行です。学歴はないけど病歴はこないにたくさんあります。私の人生は病気から学んできたもんやと。<補>では、出会った方々(司馬遼太郎、佐高信、三浦綾子等)、本で会った方々(高杉晋作、若山牧水、マザーテレサ等)、恩師・家族への思いが綴られています。

  • 自伝ですが、なにわことばが美しい。今では失われかけている言葉。テレビの変な関西出身のタレントの言葉は、なにわことばじゃなく、あれは彼らのタレント言葉。多くは大阪以外の出身で、全国に流布されていくのがテレビの怖さ。岡部さんの言葉を読んでみて下さい。女性言葉ですが。

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