- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894348158
感想・レビュー・書評
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・ドナルド・キーンさんは米海軍の語学将校としてアッツ島日本軍玉砕の現場にいた。
・なぜ日本兵は、最後の手榴弾を敵に投げるのではなく自分に対して使ったのか理解できなかったと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドナルドキーン 「 戦場のエロイカシンフォニー 」
太平洋戦争時代に 語学将校として 日本軍の資料の翻訳に従事していたキーン氏の対談集。キーン氏は 国家や戦争より 兵士や個人を見ている。文学や芸術が持つ理想論は 現実が不条理であるほど 必要性を感じる
著者の戦争観
*戦争は罪悪→戦争を賛美した文学や芸術は 欺瞞
*戦争がもたらした個人間の憎しみを超える(もう忘れる)ときは来ている
*文学や芸術は 個人間の憎しみを超える手段となりうる
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エロイカ・シンフォニーとはベートーヴェンの交響曲「英雄」である。
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理性の人である
ドナルド・キーン氏の語りは
重要である
たくさんの「知識」と「事実」
だけで 戦争というものを
理解することは難しい
それらの上に
確かな「理性」を掲げて
戦争というものを
見つめていきたい
「過去」の話としてではなく
「未来」にむけた話として
読み込まれて欲しい一冊です -
戦争当時の日米間の温度差、戦中戦後にかけての日本の変わりようが興味深い。
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「民族」について、ドナルド・キーン氏はすでに陳腐化された言葉だと考え、聞き手の小池氏にはまだ実感を抱かせる存在である。文学の世界へと「逃避」しているキーン氏と、実在の人間を相手に戦い続けている小池氏の差。