帯のデザイン (レイアウトスタイルシリーズ (別冊))

制作 : ピエ・ブックス 
  • ピエ・ブックス
3.23
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本棚登録 : 141
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894444997

感想・レビュー・書評

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  • 書籍に巻かれる帯のデザイン特集。
    優れたデザインのものを多数ピックアップしてジャンル別に収録。
    ざっと数えたところで優に300以上はある。
    書籍の中での帯の役割を見るため本体と共に掲載。
    互いにどれほど寄り添いあい引き立て合っているか。
    主張しすぎていないか、控えめすぎないか。広告としての役割は果たしているか。
    ひとつずつ眺めていくとなかなか面白い。

    作品のビジュアルだけでなく、制作者のデザインコンセプトも作品下に載せられている。
    使用されているフォントと用紙、ブックデザイナーと編集者とコピーライターの名前まで。
    趣味・実用、アート、文藝、エンターテイメントの4つのジャンル分けで、5人のデザイナーさんのインタビュー記事もある。
    それそれのブックデザインにかける思いが興味深い。
    「バランスが悪い方がうまくいく」という祖父江慎さんの言葉には芸術家魂を感じるなぁ。
    先月亡くなられた戸田ツトムさんのコーナーもあり、特に丁寧に読んだ。
    非常にシンプルなデザインに仕上げる方で、その造形のファンでもあった。

    帯のコピーは誰が書くの?という疑問が生まれるが、本書のラストにそれらしい記述がある。
    大手の出版社さんなら「装丁室」というものが社内にあって、編集さんと話し合いを重ねて決めていくという。稀に、作家さんの意見が入る場合もある。
    小規模の出版社となると、デザイナーさんに外注することになる。
    どちらにしろ、ゲラを読み内容を把握し、編集さんが伝える抽象的なイメージをビジュアルに落とし込めるまでが大変な作業だ。

    読む時は剥がすが(皆さんはいかが?)書店で最初に目につくのが帯のコピー。
    訴求力があった方が良いが、美しいとなお良い。
    書籍との統一感、ぐっと心をとらえるコピー、しかもメッセージ性があり読み手の一歩先を行く言葉。優れた作品たちだけあって、読みたい本がたくさん見つかった。

    書籍の売り上げが伸びないと言われて久しい。
    そんな時代だからよけいに、装幀や帯の果たす役割も大きくなる。
    古い本を処分するときも、装幀が良いと手放す気にはなれない。
    まして綺麗な帯付きだとなおのこと。
    制作の工程が好きな私は、完成品の帯を眺めてもさほど食指が動かないかと思っていたが、全然そんなことはなかった。

    少々不満を言えば、新書や文庫の取り扱いがないこと。
    ハードカバーの書籍がほとんどのため、やや消化不良かな。
    読むときは帯を剥がすと書いたが、本棚に収めるときも剥がしたまま。
    きっちり並べるため、両隣の本と擦れて破れることがあるからだ。
    つまり、我が家にやってきた本の帯は保存されるためだけにある。
    デザイナーさんたちの記事を読んだ後は、帯付きで並べたくなった。もったいないものね。

    • kuma0504さん
      こんにちは。最近の私の書評「さすらい猫ノアの伝説」には、滅多にないのですが、帯のコピーを冒頭に載せました。文庫巻末の紹介文よりも、簡潔にして...
      こんにちは。最近の私の書評「さすらい猫ノアの伝説」には、滅多にないのですが、帯のコピーを冒頭に載せました。文庫巻末の紹介文よりも、簡潔にしてマトを得ていて、なおかつ「おめでとうございます!」の文字は大きなフォントを使っていて目立つ。これだけで充分本の内容を見せていると思ったので使わせてもらいました。そうか、てっきり担当編集者の文章かと思っていたら、「装丁室」の担当者の文章かもしれないのですね。通りで、巻末の紹介文とセンスが違うと思った。ずっと昔、編集者になりたいと思ったことがあったけど、こんな細かいところに気を使う仕事は、やはり私にはできていなかったかも。
      因みに、なんでもかんでも仕舞い込む私の性格から、帯は破けて取れるまで本についています。
      2020/08/24
    • nejidonさん
      kuma0504さん、こんにちは(^^♪ コメントありがとうございます!
      あのレビューのオープニングのインパクトはかなり強かったですよ。
      ...
      kuma0504さん、こんにちは(^^♪ コメントありがとうございます!
      あのレビューのオープニングのインパクトはかなり強かったですよ。
      ええ?私何かに当たったの?って一瞬喜んでしまいました・笑
      帯のコピーってなかなか思いつかないものです。装丁室の皆さんは巧いですよね。
      kuma0504さんは編集者さんになりたかったのですか。
      好きな本に囲まれて好きな文章が書けて好きな作家さんに会えて・・というのは全て幻想なんでしょうね。
      帯の件ですが、後付けしようとすると案外手間がかかり、まだそのままです・笑
      綺麗に完成したら、本棚をお見せしたいのですがこちらには画像が貼れませんものね(*'▽')
      2020/08/24
  • 本の帯のデザインについて書かれた本。ただ眺めているだけでも楽しいが、編集者のこだわりが詰まった帯を見るのもまたいい。

  • こういう本、大好きです。
    大好きなピエブックスらしい本!

    装丁デザインとともに、帯デザインが300〜400例くらい見られるでしょうか。
    一つ一つ解説もついているので「へー」もいっぱい詰まってます。

    本の帯って、面白い。
    購入する本そのものの広告がついているわけで。コピーもバナーも本にくるまってる。
    かと思えば、帯を含めて装丁で、それなしでは本が完成しない。
    なんだか色んな役割を持っていて、奥が深い。

    あと、ちょっとズレますが、この本で使われているフォントが超かわいい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それなしでは本が完成しない。」
      だけど不思議です、、、ずっと帯を付け続けている本もあれば、新刊の期間を過ぎたら外してしまう本も。。。
      「それなしでは本が完成しない。」
      だけど不思議です、、、ずっと帯を付け続けている本もあれば、新刊の期間を過ぎたら外してしまう本も。。。
      2014/06/04
  • 表紙や装丁に負けないデザイン。目立ちすぎてもだめ。
    カバーを殺さず全体のバランス。時にアンバランス。帯って深い。

    前の「しかけのあるブックデザイン」でも書くべきでしたが、祖父江慎さんと寄藤文平さんは神。

    • きゆさん
      賛同いただき感動(いや、シャレじゃない)!
      ピエブックス、見かけたことがなくてよく知りませんでした。今度チェックします。
      賛同いただき感動(いや、シャレじゃない)!
      ピエブックス、見かけたことがなくてよく知りませんでした。今度チェックします。
      2013/06/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「祖父江慎+コズフィッシュ」は出版予定から7年以上も経ってる↓
      http://twitpic.com/6t7eok
      「祖父江慎+コズフィッシュ」は出版予定から7年以上も経ってる↓
      http://twitpic.com/6t7eok
      2013/07/16
    • きゆさん
      7年…そうなんですね。
      出版予定の本って内容の決まった連載はともかく、これから書かれるものは時期がずれたりするかもしれないですね。
      忙しいん...
      7年…そうなんですね。
      出版予定の本って内容の決まった連載はともかく、これから書かれるものは時期がずれたりするかもしれないですね。
      忙しいんだろうなぁと温かい目で見守らなければ。
      2013/07/18
  • ミニコメント
    さまざまな本の帯。多彩なデザインに引き込まれます。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/431666

  • <Layout Style Series : OBI>
      
    写真/株式会社スタジオ・ラッシュライフ
    ライター/前田はるみ
    タイプセッター/石橋亜由子

  • 2018/06/29読了


    本の帯をじっくり観察したことってあまりなかった。
    しかし、デザインや表紙との合い具合とかインパクトで
    手に取るか否か、わかれるところでもあるだろうし
    帯をデザインしたり企画する人も
    いるものなあ
    と考えると、帯の存在もなかなか侮れないところ!

  • 帯のもつ威力を思い知る。
    2016/5/28

  • 本を買ったらすぐ外してしまう帯だけど、たまに本とマッチしてデザインの一部になっている帯に出会う。その時は捨てない。紙の本ならではの楽しみですね。

  • 請求記号:022.57/Obi

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