エナ: 火をあやつる少女の物語 (ベイヤーン国の物語シリーズ 第 2作)

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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894491205

作品紹介・あらすじ

前作の主人公アニィ(本作ではイシィ)の親友エナが主人公。新しい登場人物も加わり友情、裏切り、陰謀そしてロマンス、手に汗握る展開。火を操ることのできるエナはその力を正義のために使おうとするが、別の力に圧倒されそうになる。ベイヤーン国の物語シリーズ第二作。

感想・レビュー・書評

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  • 「グース・ガール」の続編、ベイヤーン国物語シリーズ第二作。前作主人公だったアニイの、親友エナが、今回の主人公。

    アニイは風の言葉を持ち、エナは火の言葉を操る能力を持つ。
    それは、風と火を支配する力であったが、同時に、その力に飲みこまれ、風と火に翻弄され支配され焼き尽くされる両刃の能力であった。火はあたたかな生命であり、同時にそれを焼き尽くす滅びのエネルギーであったから。

    この、己のアイディンティティ、内部が外部(風と火、自然の有するエナジー)の力に飲みこまれる、その危ういバランスと危機の視点と描写が素晴らしい。

    言葉の力を持つ人には、人を言葉で操る能力と持つ者と、自然の言葉を理解する者とに分かれる、という物語の前提がある。そして、この物語は一貫して、人を操り利己と野心に突っ走る政治術に長けた者たち、搾取する側と、アニイやエナ、搾取される側、自然と結びついた力を持つ者たちとの闘いを語ってゆく。

    心理戦、言葉の力、国と国との男たちの戦争の中で、自然をつかさどる力を持つ魔女として二人は狙われ翻弄され、闘う。そしてまた、その力自体に飲みこまれそうになる闘いとの二重の苦しみを生き抜き、試練を越え、すべてを勝ち得るラストは快い。

    薬と心理戦によって混乱してゆくこまやかな心理描写が実に素晴らしく、焼かれるような苦しみや、愛、友情の純粋さと気高さが、じんと胸を打つ。

    第三、四作めもあるそうだ。早く翻訳でないかな。

  •  読んで良かった。わざわざ図書館に購入して頂いて、読むことができた。
     王妃が良い。

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