- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894513754
感想・レビュー・書評
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これからはアジアの時代である。アジアには世界中のマネーが集まってくる。このタイミングで対アジア重視の民主党が政権を取ったのは必然であり、日本経済の発展がかかっているとする。経済的にアジアがこれからも成長をしばらく続けるであろうことは間違いないであろう。昨日の報道では対中国の輸出・輸入双方の金額がアメリカを抜いたと言っていた。中国・インドやインドネシア・ベトナムなど経済的に今後有望な地域に一番近い先進国日本は上手くすれば大きなメリットを獲得することが出来るはずだ。政治的には色々困難があるだろう(アメリカも黙ってはいまい)が、何とかしたいものである。
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2009年秋に執筆で、ユーロ下落を的中。民主党への期待感が高いのが、今となっては痛い。日本に明るい未来はないく、2番底シナリオなのか。
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2010年経済予測のために読んだ2冊目。
著者の肩書きは、国際金融コンサルタント、経済評論家。
2番底が2010年に来るも、その後の世界を引っ張っていくのは、日本と中国を主体とした東アジア共同体である、というのが著者の主張の特色。
著者の民主党への期待が非常に大きいのも、ユニークな点か。
民主党のマニフェストは、富とパワーを地方よりも中央へ、中小企業より大企業へ、民より官へと流れる自民党の仕組みを、180度転換するものであると指摘。
戦後60年続いた「坂の上の雲」の時代(一所懸命坂を登れば、欧米近代国家に手が届くが、いざ坂の上に登ってみると、近代国家が雲のようにつかみどころのないものだった)が完結したと述べている。
全体的には、日本人には明るく響くトーン。
本書を読んだ直後は、私も「東アジア共同体しかない!」と思ったのだが(単純・・・)、現在読書中の「100年予測」により少し考えを変えつつある。
経済素人なので、いろんな主張を読むことは大事だと実感。
【読書メモ:本書からの引用させていただいています】
・ 2010年はデフレ、超円高による大不況。2010年は2番底になる。
・ 日本
輸出で得た代価を、日本の生活環境や社会を改善するために使わず、更に輸出を促進するための製品・技術開発へ投資。内部留保を重視し、内需振興は、ほとんど実行されなかった。
円安政策は、外国から輸入する製品を高く買うということ。国内物価が高いので、個人消費は伸びない。
大企業・輸出産業を中心とする体制に執着するあまり、国民生活を犠牲にした。
・ 2番底がやってくる:
<理由1:相場の周期から。>
相場の世界は、小回り3カ月、大回り3年といわれている。短期の波は、谷から山、山から谷までが3カ月。長期の波は3年で一巡する、という意味。
大きな谷を経験した時は、警戒の目で3年後の相場イメージを見るべき。
NYのダウ平均が天井を打ったのが2007年10月。2010年夏から秋がその警戒ポイントその1。
リーマンショックを起点にすると、リーマン破綻の2008年9月から2年半後にあたる2011年春が警戒ポイントその2である。
<理由2:金融支援だけでは不良債権の穴はふさげない。>
全世界で合計150兆円にも上る金融支援が行われたが、金融支援の効果は、長く続いても3年。
すでに、ここ数カ月、アメリカをはじめとした主要国の国債が増発され続けている。その量たるや、異常。
・ 金融危機再燃(2番底)シナリオ
その1:東欧やバルト海3国などの財政破たんから、ヨーロッパ主要銀行が経営破たんする。
その2:オバマ人気の凋落。オバマは、アフガニスタン紛争の終結、イラクからの撤退をどう実現するかが大きな課題。
その3:ドル不安。国債増発とドル安の負のスパイラルにより、米国債に買い手がつかなくなり、財政赤字を埋め合わせできなくなる。
ドル安から、適度な円安ドル高の場合は1ドル83円、急激な円高ドル安であれば1ドル70円までなるのではないか。
・ アメリカ
基軸通貨による経済覇権を維持したいアメリカは、基本的に経済共同体という仲間内経済を嫌う。東アジア共同体構想にもアメリカは懸念を募らせていると考えられる。
国是ともいえる、自由貿易主義と金融グローバリゼーションを今後も追及していく。その証拠にリバレッジ取引や投機的取引は現在も全く規制されていない。
しかし、今までの金融政策では、十分でないため、今後2番底になったときに、円建て、元建ての米国債が発行されるのではないか。
・ EUとロシア
資源価格の急落と外貨の流出が激しかったロシアは、膨大な不良債権を抱え、ソブリン・リスクが高すぎ、外国資本が戻らない。
プーチン首相による国家統制資本主義の色彩が強まっている。
経済的に圧迫され、犯罪多発など社会不安も高まり、内乱・テロの恐れがある。
EUは、政治的にはいまがピークではないか。各国が自国の利害を優先するあまりバラバラになり、政治統合が停滞・とん挫する公算が強い。
さらにロシアの国内不安もあり、EUには大変なかじ取りが要求される。
・ 東アジア共同体
中国と日本主導になると予想される。アジア諸国は、アメリカという超大国への顔向けのため、相互の文化や社会、国民性の理解につながらなかった。
これからは有機的かつ総合的なアジアの発展を目指す時代。
中国は、金融緩和からバブルに近い状況になっている。バブルは崩壊するかもしれないが、すぐに外国資本は戻ってくるだろう。
アジアに人、モノ、カネの出入りを自由にする統一的なマーケットシステムを作れば、中国やインドは10%成長、そのほかの国々も7-8%成長を遂げる。日本も今は最高に良くて2%といわれているが、3-4%の成長を遂げられる。日本に4%に近い経済成長をもたらすスキームはこれしかない。 -
2009/12/5開始
2009/12/13読了 -
ブログにてレビューしてます。
http://d.hatena.ne.jp/uk_pin/20091129/1259505075