三国志 1の巻

著者 :
  • 角川春樹事務所
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894560499

感想・レビュー・書評

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  • 三国志を読み直そうと思い久しぶりに手に取った。劉備、曹操、孫堅の三陣営と長安の董卓の動きの描かれ方が分かりやすい。面白くて一気に読みたいような、少しずつ読み進めたいような微妙な気持ちで読んだ。

  • ついに北方三国志に手を出しました。
    1巻からとても面白いです、曹操と劉備がかっこよく、呂布のただ単に強いというもの、かっこよく、漫画を読んでいるのかと思うほどサクサク読めました。

    全ての感想は最終巻に書きます。
    これからがとても楽しみです

  •  通して読んだ感想。

     男くさい!かっこいい! さすがハードボイルド作家。


     演義をネタ元にせずに、陳寿の正史を元にしたとのことで、吉川三国志のようにところどころ変なエピソードが混ざらないので、リアリティ感がある。
     桃園の儀や、関羽千里行などがないし、赤壁の戦いは連環の計や孔明の祈祷のおかげではなく、あくまで周瑜の戦略の勝ちとしている。出師の表なんてさらっと流してしまう。


     主な登場人物の性格付けも大きく異なる。特に違うのは呂布。
     吉川三国志ではおつむの足りない横暴者で、貂蝉の色香に惑わされて身を亡ぼすが、北方三国志ではものすごくかっこいい。ストイックな武人だ。戦いの中に生涯身を置き、技を極めんとする剣豪のような描かれ方。宮本武蔵も真っ青。呂布の物語だけで北方三国志を読む価値はある。
     呂布の指揮した騎馬隊は最強を誇り、無敵だった。並外れた指揮の手腕がなければ精強な部隊はつくれない。ただの暴れん坊では無理なことだ。


     呂布の次にかっこいいのは曹操。何度も崖下に落とされたような敗北をするのに必ず這い上がる。勝利に対する執念がすごい。
     序盤の見せ場は袁紹を盟主にした太平道討伐軍での活躍。名門を笠に着て一向に動こうとしない袁紹と他の豪族たちに業を煮やした曹操は手勢の五千だけを率いて戦いに挑むが、散々に打ち負かされる。しかし曹操は義のために軍を起こしたにもかかわらず、我に固執する面々に向かって堂々と宣言する。
     「私は闘って負けた。そして、諸君は闘わずして負けたのだ。私は闘わずして負けた諸君に、訣別を告げる!」
     
     自らの運命は闘いによってのみ切り拓くこと天下に宣言した名場面。
     この場面のせいで、その後の劉備が茫洋とした人物にしか見えなくて困った。


     劉備は相変わらず徳の人として描かれてはいるが、そこには計算して徳の人を演じている姿がある。そうしなければ乱世を生き抜けないとのしたたかな戦略があった。張飛もただの馬鹿じゃない。寝首を掻かれて死んでしまうようなアホな死に方もしない。英雄らしい死に方をする。関羽は・・・あまり活躍しない。


     孔明は・・・
    たぶん著者が孔明にそんなに共感をもっていないのか、吉川三国志のような哀感漂う描き方はしていない。むしろ冷徹。最期は抒情的で美しかったけど・・・
     軍師より武人を書くほうが好きなんだろうと思う。


     ああ、でも読んでよかった。
     
     吉川三国志しか読んだことがない人には、北方三国志もぜひ読んでほしいと思う。 
     

  • これは本当に奥が深い!多くの視点から多くの人物を楽しめる。特にクローズアップされていたのが裏切りの連続で親殺しも関係なく無法者とされていた呂布の気持ちなど読んでいてよくわかる。池上先生のコミック「覇」にあるような荒々しい呂布とも違い男として時代を駆け抜ける彼の美しさに心震わされ、それに3兄弟の末弟として強さだけが誇張され続けた張飛の繊細さに心配り、そして人を愛する気持ちなどは彼が死ぬ時にすべて読んできた中の思いが一瞬で溢れてきて涙が止まらない!

    先日、北方先生の「黒龍の柩」を読んで山南と土方のお互いの見えない思いについて語ったが、やはりこの三国志も同様であって男性が読むには心を揺さぶるいい作品です。

    史実に沿った作品ではあるが、名前だけでしか知らなかった魏延・馬謖・姜維・王平・許褚・張遼・韓当・馬超などもっともっと知りたいと思える人物が本当にいた。話の中で作られた人物が何人も出てくるが、彼らがしっかりとサポートして史実上の人物をどんどんクローズアップさせていく。

    頭の中で多くのシーンがフィルムとなって映し出されたが一番は呂布の愛馬である赤兎馬が死に掛けた時に劉備の配下であった成玄固に赤兎馬の命を託すシーンなど今でも僕の勝手な映像として頭の中に残っている。

    元々は呂布の配下であった張遼。その後は曹操の勇将として知られるが、呂布軍の伝統を貫き闘志無敵の騎馬隊を率いる姿も忘れられない。やはり何度も言うが北方先生の作品を読むのはすべての先生の作品を読んだ一番最後が妥当だと思う。本当の漢達を読ませてくれます!

  • なんちゅう終わり方すんねん!次!!

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00015518

  • 著者:北方謙三(1947-、唐津市、小説家)

  • 日本で三国志といえば吉川英治氏、横山光輝氏のイメージが強いのかな。もちろん読んだし、蒼天航路、その他漫画、映画、人形劇、ゲーム、中国のドラマなんかまで、いろいろ見たりした。でも、恥ずかしながら北方謙三氏のは手付かず。
    面白い。もちろんオリジナルの人物も登場するわけだけど、みんな魅力的ですごくいい感じ。夢中になって読みました。本巻登場の呂布って他の作品ではこんな感じだった?(記憶あやふや)と思ったりもして、知ってはいても新鮮な三国志ですね。
    (過去の読書記録登録のため評価なし)

  • 2018年12月18日読了。

  • 2017年の読書目標の一つが、「北方版三国志を読み始める」(全巻読み切る、ではない)。
    高校生の頃、「三国志演義」の確か赤壁のちょっと前辺りで挫折して以来、私には越えられない…と思って来たのだけど、さすが北方さん、とても読みやすくて面白い。
    今作を読み通せたら、挫折したのも読もうかな。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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