ローウェル城の密室 (ハルキ文庫 こ 2-1)

著者 :
  • 角川春樹事務所
2.70
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本棚登録 : 95
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894564046

感想・レビュー・書評

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  • 評判をきき探していた本のひとつ。

    この作者、本でしかできないミステリー史上とんでもないトリック!!
    こんなミステリー読んだことないです!

    純粋な心で読んでみて〜

    ぜひ〜

  • バカミスとはなんなのか。大いに考えさせたれた。

    濃霧に包まれた森。怪しげな館。導入の期待は、永遠とも思える擬三次元的二次元に関する記述で呆気にとられてしまった。
    気がつくと少女漫画の世界に主人公ふたり。メタなファンタジーのはじまりである。
    ところどころ気になる描写があり、笑えたのだが、最後まで全く関係なかった。伏線ではないんか…
    密室講義はガバガバながら楽しめた。ミステリを語るという行為がもうファンの心を掴んで離さないことが証明された。
    肝心のトリックであるが、これは…うん。読む価値はあった。もっとひどい展開を懸念していたので、やったことは評価しないといけない。誰もやらないんだから。
    バカミスとは愛である。誰も語らないであろうから、バカミスの通過点として、いや踏み台として、他人に押し付けていこうとおもう。

    どうしても気になった点。リーリレが伯爵に○○○を○○○されていたこと。マジでなんだったのこれ?

  • ある意味、有名作だと思うけど、この密室トリックに納得できるかと言われるとちょっとね…
    まあでも16歳でこういうのを書けるというのはすごい

  • 不気味な森へと迷い込んでしまった二人の子どもたちが、謎の老人に導かれるまま擬三次元的二次元(少女漫画)の世界に入って密室殺人に遭遇する話。今の流行りでいう異世界転生ものに該当するのだろうか。大半のストーリーは漫画内に登場するローウェル城という建物で進行するのだが、殺人が発生するまではヒロインの結婚騒動や決闘シーンといった冗長な展開が続く。このあたりをミステリと切り離して面白いと感じるかどうかで著しく評価が分かれる作品だろう。小森氏が高校時代に書いた処女作であることを考えれば、人物や文体がライトノベル的であることも納得がいく。

    仰々しい題から本格ミステリを期待していると肩透かしをくらうが、前代未聞の密室トリック(?)を拝めるという点で希少な作品かもしれない。バカミスの紹介でも頻繁に取り上げられるため、話のネタに読んでみるのもよいだろう。

  • 『ローウェル城の密室』という少女漫画の世界に入り込んでしまった二人の少年少女が密室殺人事件に巻き込まれる話。読後感が何かに似てるなと思ったら『イニシエーション・ラブ』の時に似てる。序盤でトリックが判ってしまうと、その後の展開や描写が全て確認作業になってしまうところがまさしく同じだ。トリック一点に全てを捧げたような作品なので気づいてしまうと後は大したものではないのが非常に残念なところ。しかし設定やキャラクターの造詣など面白い点もある。変化球のミステリであることは確かだろう。唯一無二の密室に素直に騙されよう。

  • 投げつけるための壁すら出番のない酷い出来
     江戸川乱歩賞の最終候補作。弱冠16才でこれを書き上げたのは奇才のなせる技ですが、いかにも漫画チックなファンタジーの世界観に年齢相応のらしさが出ているとも言えます。
     少女漫画の登場人物として二次元世界に入り込むというトンデモ設定でスタートしますが、その後しばらく単調な漫画(もちろん小説ですが)が続いていくため、退屈極まりないです。こうなると密室のバカトリックに期待したいところですが、すぐに思いつきそうな面白みのないものでした。はっきり言って、見所が何もない作品です。

  •  三次元物体二次元変換器で,二次元=少女漫画「ローウェル城の密室」の世界に入り込んだ主人公保理=ホーリーと,恵=メグが遭遇する密室殺人事件を取り扱ったミステリ。
     保理と恵は,森の洋館で,二次元生物を研究している老人に呼び寄せられ,老人が用意した,まるで旧式のカメラのように見える三次元物体二次元変換装置で少女漫画=ローウェル城の密室の世界に入り込んでしまう。
     少女漫画の世界が,単なる二次元の世界ではなく,三次元の世界に似せた疑似三次元的二次元の世界であること,保理と恵が三次元の世界から二次元の世界に入りこんだことが,この作品のトリックの伏線になっている。
     物語の前半部分は,ミステリではなく,ややメタ的な要素を持つ少女漫画風の雰囲気で進む。コミカルな味付けがされており,レイク王子,リーリリ・フーフフ王妃,摂政のバヌル・ザ・ザット,世話役のリーレなどが,漫画的な表現で,それなりに味のあるキャラクターとして描かれており,ドタバタ気味の展開で進む。この辺りは,かなり評価が分かれそうで,まともな小説を読みたいと思っている人には耐えられないような,軽い,ひと昔前の子供向け漫画という雰囲気になっている。
     ばかばかしい作品と割り切ってよめば,それなりに読めるデキではあるが,一向に事件が起こらないので,読むのをやめてしまう人,この辺りを読み飛ばす人もいそう。実際,後半の殺人事件の伏線となっているような要素も少なく読み飛ばしても支障はなさそう。
     後半,エローラというレイクの婚約者が密室で殺害されるところから,探偵局の星の君という人物が探偵役で登場し,一転してややマニアックなミステリとした展開になる。
     密室談義があったり,消去法で犯人を限定していくくだりは,本格ミステリらしい作りとなっているが,星の君がたどり着いた真相は平凡。メグがおとりになり,犯罪の再現をさせると,ヤル・フーエンがメグを殺すために便乗し,同じ方法でメグの殺害を試みる。
     しかし,エローラ殺害の犯人,殺害方法は,二次元の世界の登場人物には真相が分からない。真相にたどり着いたのは,メグ。犯人はホーリーで,少女漫画の世界において,36ページから向かいにぴたりとくっついている37ページのエローラに手を伸ばして殺害したというトリック。
     まさにバカミスというトリックだが,一応,このトリックを推測させるための伏線として,三次元から二次元に入り込んだという設定などを組み込んでいる。
     全体的のばかばかしい作りで,大相撲殺人事件といい,ミステリ作家としての小森健太朗は,完全なバカミス作家と考えていい。評論家としての作品は読んだことがないけど…。嫌いな人は嫌いな作品だろうが,ここまでバカバカしい作品は,結構好き。文章,キャラクターが幼稚な部分を踏まえると★3で。

  • 第一部で述べられたローカルルールを活かした密室トリックは常識外れで唖然としてしまいましたが、唯一無二の存在ですし、インパクトも強烈なので悪くはないと思いました。
    ただ、このトリックだと第二部に挿入されている「密室講義」が無意味に思えますし、殺人事件が起こるまでどうでも良い話ばかりで、正直トリックがどうのこうの言える出来栄えではありませんでした。

  • 2013.12.23処分

    乱歩賞最終候補作となった、ある意味度肝を抜かれる1冊。
    「三次元物体二次元変換器」なるもので、少女漫画『ローウェル城の密室』の世界へ登場人物メグとホーリーとして入り込んだ2人が巻き込まれる密室殺人。
    そのトリックが衝撃的だった。
    バカミスって言っていいですよね?という内容。
    前半はまさに少女漫画を読んでいるようで退屈だった。

  • やっと見つけた1冊。
    やや拍子抜けしたけど面白かったことは、面白かった。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1994年、『コミケ殺人事件』でデビュー。『探偵小説の論理学』で第8回本格ミステリ大賞評論研究部門受賞。『英文学の地下水脈』で第63回日本推理作家協会賞評論その他部門受賞。

「2020年 『本格ミステリの本流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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